肝臓
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50 巻 , 7 号
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総説
原著
  • 片山 和宏, 山口 敦子, 加藤 道夫, 中村 武史, 高松 正剛, 羽生 大記, 伊藤 大, 金子 晃, 高橋 友和
    原稿種別: 原著
    2009 年 50 巻 7 号 p. 356-361
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
    関西22病院にて肝臓病教室に関するアンケート調査を行なった.対象は,医療者55名,慢性肝疾患患者176名.肝臓病教室を定期開催しているのは7施設,経験はあるが現在未施行2施設,未施行13施設であった.継続できない理由は,マンネリ化や慣れたスタッフの配置換えによるパワーダウン,教室の効果を把握しにくいなどで,開始できない理由は,準備などの時間がないが最も多かった.医療者と患者とも,各々95%,94%が教室は必要と回答した.提供すべき情報は,医療者は1位:肝臓病とは,2位:治療方法,3位:合併症とその対策/肝臓の働き,患者側は1位:治療方法,2位:治療効果,3位:食事療法を上位に挙げた.教室のメリットは,両者とも1位:自己管理の向上,2位:治療に対して前向きな姿勢になれる,3位:不安の軽減,と一致した.有効な患者教育の普及のためには,方法論の普及,有用な情報の種類や提供方法の検討,情報提供による効果の評価方法を確立し医療者のやる気の維持につなげるなどが必要と考えられた.
  • 池田 敦之, 木村 達, 坂本 梓, 永田 嘉昭, 恵荘 裕嗣, 川上 尚人, 齋藤 澄夫, 波多野 貴昭, 松尾 裕央, 西島 規浩, 中 ...
    原稿種別: 原著
    2009 年 50 巻 7 号 p. 362-370
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
    肝細胞癌に対するラジオ波熱凝固療法では,十分なablative marginを得て凝固することが重要であり,その評価は通常CTで行われる.今回,当院でRFAを行った連続70結節に造影CTとソナゾイド®造影超音波を用いてablative marginに関する4段階の治療効果判定(R判定)を行い,結果を比較した.R判定の完全一致率は50%,重み付きκ係数は0.49であったが,再治療要不要判定の一致率は73%と高く,概ねCTと同等の評価が可能であった.また,造影超音波では16結節(26.2%)で凝固域内に腫瘍影が同定できた.この群では,造影CTで腫瘍にリピオドール®集積を認めた群とのR判定の完全一致率は70%,重み付きκ係数は0.75と高値であり,リピオドール®動注の下での造影CTと同程度のablative marginの評価が可能であった.以上より,ソナゾイド®造影超音波は,良好な画像が得られた場合,再治療要不要の判定に,凝固域内に腫瘍影が同定できた例でのablative marginの治療効果判定に有用であると言えた.
症例報告
  • 北田 拓也, 成松 孝, 山口 誓子
    原稿種別: 症例報告
    2009 年 50 巻 7 号 p. 371-376
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
    症例は53歳,女性.C型慢性肝炎(セログループ1,高ウイルス量)に対してペグインターフェロン(PEG-IFN)α2a,リバビリン(RBV)併用療法を開始したところ,投与24週目に立ちくらみ,ふらつきを伴った右難聴が出現し,突発性難聴と診断された.患者の強い希望と血中HCV-RNAが投与開始8週目で陰性(TaqMan HCV)となっておりウイルス学的著効が期待できることなども考慮し,耳鼻咽喉科医との緊密な連携のもと48週間のPEG-IFN/RBV併用療法を完遂したが難聴の増悪は認めず,聴力は日常生活に支障のない程度まで改善した.現時点では突発性難聴の発症とPEG-IFN/RBV併用療法との直接的な因果関係は明らかではないものの,突発性難聴を含めた聴覚障害は一旦発症すると患者のQOLを著しく損なう可能性を秘めた重大な病態であり,PEG-IFN/RBV併用療法を実施するにあたっては常にその出現に留意すべきものと考えられた.
  • 小栗 光, 田中 茂弘, 鹿熊 一人
    原稿種別: 症例報告
    2009 年 50 巻 7 号 p. 377-382
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
    症例は75歳,女性.C型肝硬変に併発した膵尾部癌術後肺転移に対して化学療法中に肝機能悪化をきたし入院となった.腹部CTにて門脈左枝を中心に本幹から右枝におよぶ血栓形成を認め,Child-Pugh scoreは10点と悪化しており,門脈血栓症を伴う肝不全と診断した.門脈血栓症に対して,アンチトロンビンIII(AT-III)製剤,danaparoid sodium併用投与を行ったところ,投与2週間後には門脈血栓は消失し,1カ月後にはChild-Pugh score 6点と改善した.AT-III製剤,danaparoid sodium併用投与による副作用,合併症は認めなかった.肝硬変に伴う門脈血栓症に対してAT-III製剤,danaparoid sodiumの併用投与は安全かつ有用であり,今後有効な治療となりうる可能性が示唆された.
  • 森田 香織, 三田 英治, 宋 昌浩, 太田 高志, 長谷川 裕子, 中水流 正一, 外山 隆, 葛下 典由, 高田 晃宏, 辻江 正徳, ...
    原稿種別: 症例報告
    2009 年 50 巻 7 号 p. 383-389
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
    症例は70歳男性.右臀部痛にて受診し,右恥骨に骨融解像を認めたため,転移性骨腫瘍を疑い精査を行った.しかし明らかな原発を認めなかったため,腫瘍生検を行い中分化型肝細胞癌の骨転移と診断した.脾臓頭側,左横隔膜下に肝臓,脾臓と連続しない4cmの腫瘍が認められたが,肝臓内には腫瘍性病変を認めず.脾臓頭側の腫瘍に対して腹腔鏡下に生検を行い,骨腫瘍と同様の結果を得た.これらより脾臓頭側の腫瘍を原発とする異所性肝細胞癌および骨転移と診断した.異所性肝細胞癌は,非常にまれな疾患であり文献的に検索しえた本邦での報告例は自験例を含め39例であった.
  • 川上 未央, 北本 幹也, 野田 育江, 林 亮平, 田中 未央, 松本 陽子, 山田 博康, 隅岡 正昭, 今川 勝, 村上 友則, 沖本 ...
    原稿種別: 症例報告
    2009 年 50 巻 7 号 p. 390-396
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
    肝細胞癌に対する肝動脈化学塞栓療法(Lip-TACE)後の皮膚合併症は,肝円索に伴走する肝鎌状動脈が存在する症例において,報告例が散見されている.我々の経験した症例1はドキソルビシンを使用し動脈塞栓は施行未で,一過性の地図状の紅斑を認めた.症例2では,シスプラチンを使用し動脈塞栓を行ったLip-TACE1回目には同様に一過性の紅斑であったものの,4回目には疼痛・皮下硬結を伴う紅斑となり一部に表皮剥離を伴い,回復に1カ月を要した.同様の報告を表にまとめ,文献的考察を行った.これらの紅斑は,肝鎌状動脈を介してリピオドールおよび塞栓物質が流入したことに起因すると考えられた.肝S4付近の領域をLip-TACEする際には注意が必要であろう.
短報
  • 田中 弘教, 飯島 尋子, 齋藤 正紀, 會澤 信弘, 坂井 良行, 吉川 昌平, 山本 晃久, 榎本 平之, 岩田 恵典, 康 典利, 今 ...
    原稿種別: 短報
    2009 年 50 巻 7 号 p. 397-399
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/04
    ジャーナル フリー
    We investigated the clinical utility of a new grading system for malignant hepatocellular carcinoma (HCC) using a combination of two different contrast-enhanced ultrasonographic (CEUS) images. 33 patients with histologically confirmed 42 HCC nodules (well-differentiated, n=15; moderately-differentiated, n=23; poorly-differentiated, n=4) received CEUS. Kupffer phase and Maximum Intensity Projection (MIP) images were classified respectively by their patterns as follows: Kupffer images (i) hyper; (ii) iso; (iii) hypo; MIP findings (i) Fine; (ii) Vascular; (iii) Irregular. Based on the combination of these two images, they were classified into five grades. The correlation between this new and the histological grading showed that this new grading system could predict moderate- and poorly-differentiated HCC; iso-Fine 0%, iso-Vascular 50%, hypo-Fine 57%, hypo-Vascular 82%, Irregular 100%.
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