肝臓
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51 巻 , 9 号
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特集
原著
  • 土居 忠, 田中 信悟, 佐藤 康裕, 太田 英敏, 南 伸弥, 藤見 章仁, 蟹澤 祐司, 田村 文人, 平川 昌宏, 小野 薫
    原稿種別: 原著
    2010 年 51 巻 9 号 p. 501-507
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/10/07
    ジャーナル フリー
    脂肪性肝疾患(FLD)の発生に及ぼすアルコール摂取の影響には不明な点が残されている.今回我々は2008年1月から12月までに腹部超音波検査を含む健康診断を受診した3185名を対象に脂肪肝の頻度に対するアルコール摂取の影響を多重ロジスティック回帰分析により解析した.内臓脂肪性肥満,空腹時高血糖,脂質異常症はいずれも脂肪肝頻度の増加と関連していた.1日アルコール摂取量20 g未満(少量飲酒群),20 g以上から40 g未満(軽度飲酒群)および40 g以上から60 g未満(中等度飲酒群)では脂肪肝のオッズ比は有意に低下した.男女別に飲酒の影響を検討したところ,男性では軽度飲酒群から中等度飲酒群におけるFLDの調整オッズ比は非飲酒群および1日アルコール摂取量60 g以上の多量飲酒群より低かった.一方,女性ではアルコール摂取の影響は明らかでなかった.以上の結果からFLDに及ぼす飲酒の影響には性差があり,男性では軽度ないし中等度までのアルコール摂取は過栄養性FLDの発生を抑制する可能性が示唆された.
  • 本杉 宇太郎, 市川 智章, 曹 博信, 佐野 勝廣, 荒木 力
    原稿種別: 原著
    2010 年 51 巻 9 号 p. 508-512
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/10/07
    ジャーナル フリー
    目的:MRIによる肝の弾性率測定法(MR Elastography[MRE])を用いた肝線維化診断の有用性を検討する.
    対象と方法:対象は当院でMREが施行されかつ組織学的に肝線維化スコアが確定した56例.MRE用に開発された振動発生装置により体表から弱い振動を加え,この波をMRIの位相画像で検出し弾性率に変換した.得られた弾性率と組織学的肝線維化スコアを比較し受動者動作特性曲線(ROC曲線)で解析した.
    結果:F1以上,F2以上,F3以上,F4以上を診断するための最適カットオフ値(ROC曲線下面積)はそれぞれ,2.6 kPa(0.97),3.6 kPa(0.95),4.1 kPa(0.96),4.2 kPa(0.96)であった.この値を用いF3以上の肝線維化をMREで診断した場合,感度80%,特異度100%であった.
    結論:MR Elastographyは肝線維化を予測する有用な検査法である.
症例報告
  • 道免 和文, 田中 博文, 春野 政虎, 相島 慎一, 下田 慎治
    原稿種別: 症例報告
    2010 年 51 巻 9 号 p. 513-520
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/10/07
    ジャーナル フリー
    症例は53歳男性.5年前に総ビリルビン3.3 mg/dl ,ALT 724 IU/l ,ALP 568 IU/l の肝機能異常を認めた.HBs抗原陰性,HCV抗体陰性,血清IgG正常,IgM高値,抗核抗体陰性を示した.抗ミトコンドリア抗体は20倍と陽性を示さなかったが,生化学的所見より原発性胆汁性肝硬変を疑われた.自己判断で以後は医療機関を受診していなかったが,5年後に皮膚色素沈着,腹水,黄疸を来し,紹介受診となった.5年前に正常範囲であった血清IgGは著明に高値となり,陰性であった抗核抗体が2560×以上と陽転化していた.IgMはさらに高値となり,抗ミトコンドリア抗体M2分画が93.5と強陽性であった.またLKM-1抗体,dsDNA抗体,PA-IgG,直接・間接Coombs試験も陽性であった.肝組織所見は完成した硬変像であり,血清学的所見より自己免疫性肝炎/原発性胆汁性肝硬変overlap症候群からの進展と診断した.発症から短期間での各種抗体,生化学的検査成績,臨床症状の自然経過を観察し得た貴重な自己免疫性肝炎/原発性胆汁性肝硬変overlap症候群の1男性症例であった.
  • 保田 紘一郎, 仁熊 健文, 高木 敏行, 藤岡 真一, 大澤 俊哉, 能勢 聡一郎, 三村 哲重, 糸島 達也
    原稿種別: 症例報告
    2010 年 51 巻 9 号 p. 521-527
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/10/07
    ジャーナル フリー
    症例は80歳女性,上腹部痛,発熱で近医を受診,腹部CTで肝腫瘤を指摘されて当院紹介となった.画像所見にて肝左葉で左肝静脈と左門脈が途絶しており,嚢胞成分を伴う8 cm大の腫瘤を認めた.拡大左葉切除を行った.被膜を欠き中心部壊死を伴う境界不明瞭な腫瘍で,末梢側の胆管の拡張を認めた.HE染色で腫瘍は異型の強い多角形,短紡錘形の肉腫様細胞で,胆管上皮の一部に異型を伴った乳頭状増生像が存在し腫瘍が胆管細胞由来であることが示唆された.術後17日目に退院となったが,術後2カ月で多発肺転移,小脳転移を認め,術後3カ月で永眠された.肉腫様変化を伴う肝内胆管癌は稀で,通常の胆管細胞癌よりも急激な進行,転帰を呈し予後不良である.当院で経験した肉腫様変化を伴う肝内胆管癌の1例を報告する.
短報
速報
  • 山田 典栄, 四柳 宏, 奥瀬 千晃, 安田 清美, 鈴木 通博, 小池 和彦
    原稿種別: 速報
    2010 年 51 巻 9 号 p. 534-535
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/10/07
    ジャーナル フリー
    Recently distribution of hepatitis B virus (HBV) genotypes (GT) in the patients with acute HBV infection has been changing. It has been suggested that acute hepatitis caused by GTA HBV becomes chronic more often than that by other genotypes. We studied HBsAg-positive period in 88 patients with various HBV genotypes. HBsAg-positive period in GTA HBV is longer than that in GTB and GTC. HBsAg-positive period exceeded 6 months in 3 of 47 patients with GTA HBV. One of the three patients became chronic. GTA HBV, which is detected more than half of the patients, is related to prolonged or chronic outcome. Universal HBV vaccination program for the prevention of HBV infection should be launched in the near future.
  • 高橋 和明, 寺田 修三, 國立 裕之, 新井 雅裕, 三代 俊治
    原稿種別: 速報
    2010 年 51 巻 9 号 p. 536-538
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/10/07
    ジャーナル フリー
    A peculiar nucleotide sequence of HEV RNA was recovered from a wild boar (Sus scrofa leucomystax ) of male sex with about 10 kg of body weight, captured 1-Feb-2009 in the forest of Tenryu-ku, Hamamatsu, Shizuoka, Japan. The sequence (JBOAR135-Shiz09, accession number AB573435) showed only less than 80% nucleotide identity to so far reported sequences of HEV genotype 1 through 4 (72.7-76.4% vs G1, 75.5% vs G2, 71.2-78.2% vs G3, 74.9-78.2% vs G4) and also to the rabbit HEV isolates recently reported from China (75.5-77.3%). Since the rabbit HEV segregates to genotype 3 in the present phylogenetic analysis (CLUSTALW Unrooted N-J Tree Method), we propose our JBOAR135-Shiz09 isolate as the first member of new genetic group of HEV, "genotype 5".
  • 藤本 研治, 加藤 道夫, 外村 明子, 矢田 典久, 辰巳 千栄, 尾下 正秀, 和田 滋夫, 上嶋 一臣, 石田 哲士, 古田 朋子, ...
    原稿種別: 速報
    2010 年 51 巻 9 号 p. 539-541
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/10/07
    ジャーナル フリー
    To evaluate the effectiveness of Real-time Tissue Elastography (RTE) in staging of liver fibrosis non-invasively, we performed RTE on 310 patients with chronic hepatitis C (and/or liver cirrhosis) and 15 healthy volunteers. Nine image features were extracted from each RTE image and a multiple regression analysis was then performed to derive the regression equation. This equation calculates Liver Fibrosis Index (LF Index), which in turn predicts F stage of the liver. LF Index not only correlates highly with the F stage (r=0.68) of the liver fibrosis, but also it shows significant differences in LF Index values (p<0.001) between each stage of the fibrosis. Thus, we can conclude that RTE is a promising method to evaluate the liver fibrosis noninvasively.
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