肝臓
Online ISSN : 1881-3593
Print ISSN : 0451-4203
ISSN-L : 0451-4203
64 巻, 7 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
原著
  • 田中 留奈, 磯田 広史, 八橋 弘, 四柳 宏, 高橋 宏和
    2023 年 64 巻 7 号 p. 301-310
    発行日: 2023/07/01
    公開日: 2023/07/11
    ジャーナル フリー

    居宅介護支援事業所に勤務する介護支援専門員(ケアマネジャー;CM)のC型肝炎に関する知識や,利用者および家族における把握状況や介護施設における差別等を調査する目的で,ウェブを用いた全国アンケートを実施した.

    有効回答数は697件であった.C型肝炎の感染経路や自然経過について80%以上のCMが理解していたが,経口薬のみで治療できることは28.0%に留まった.担当利用者(平均30.8±17.0人)のうち,C型肝炎と診断されている人数は平均0.55±1.05人であった.C型肝炎を理由に入所やサービス提供を断る介護施設や事業所が存在すると答えたCMは37.7%で,実際に不利益を被った経験があったと答えたのは8.2%であった.CMの40.5%は,社会的な意義があるなら肝炎医療コーディネーターになってもよいと回答した.

    C型肝炎に関する正しい知識や受検・受療の医学的・社会的意義を共有することで,CMはC型肝炎対策の重要な一翼となり得る可能性が示唆された.

症例報告
  • 藤田 健人, 髙木 慎太郎, 小坂 祐未, 大屋 一輝, 森 奈美, 前田 貴司, 辻 恵二
    2023 年 64 巻 7 号 p. 311-317
    発行日: 2023/07/01
    公開日: 2023/07/11
    ジャーナル フリー

    症例は70代男性.C型慢性肝炎治療後で近医にて経過観察中,心窩部痛と歩行時の下肢痛を自覚.CTで肝外側区域に9 cm大の腫瘍を認め紹介.肝左葉巨大肝細胞癌と腰椎と仙骨への骨転移と診断.stageIVbであったが有症状のため肝外側区域切除術を先行し放射線療法を施行した.術後にAtezolizumab+Bevacizumab(Atezo+Bev)併用療法を開始したが2コース終了後に骨転移による腰痛のため歩行困難となりPerformance Status(PS)の悪化を認め中断した.腰椎の病的圧迫骨折に対し経皮的バルーン椎体形成術を施行したところ,腰痛,PSは改善しAtezo+Bev併用療法を再開できた.16コース時に画像診断ではPRであったが下肢痛があり仙骨転移に対し放射線照射を追加し疼痛は改善,Atezo+Bev併用療法を継続とし24コース施行しPRを維持しつつ術後2年4カ月生存中である.

短報
feedback
Top