肝臓
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33 巻 , 12 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
  • 早川 みち子, 上野 幹彦, 福本 廣文, 後藤 武男, 清水 伸一, 天野 昌彦, 鎮西 忠信
    1992 年 33 巻 12 号 p. 901-904
    発行日: 1992/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    1989年12月より1990年7月にかけて兵庫県南部加古川流域の東播地域においてA型肝炎の流行を経験し,多施設共同による調査をおこなった.対象となったA型肝炎患者215人(男性116人,女性99人)の年齢平均値は32.7歳で,2歳から79歳にわたる年齢分布を示し,30歳台が54人で最も多かった.60歳以上の高齢者は9人で,全体の4.3%であった.発症時期は3月上旬と5月上旬の2つのピークが認められ,二峰性の形をしめした.家族内発症は12家族,30人であり,このうち8家族,18人が同時発症であった.検査値では血清GOT, GPT,総ビリルビン値の各患者の頂値の平均値はそれぞれ1,417IU/L(41~7,590), 1,835IU/L(40~7,060),5.2mg/dl(0.4~19.9)であった.また,高齢者ほどビリルビン値が高く,重篤化しやすい傾向にあると考えられた.
  • 河合 博志
    1992 年 33 巻 12 号 p. 905-913
    発行日: 1992/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    ホルマリン固定パラフィン包埋肝針生検組織におけるC型肝炎ウイルス(以下HCV)の検出をthymine dimer法を用いた非放射性in situ hybridization法により確立した.凍結切片に比し,ウイルスの保存状態に劣るホルマリン固定パラフィン包埋肝組織でのHCVの検出のため,組織のproteinase,塩酸処理に加え,プローブとして3種類の混合合成oligodeoxy-nucleotideの過剰量を使用した.また,バックグラウンド改善の検討では,洗浄のstringencyよりむしろhybridization mixtureからdextran sulfateを除くこと,組織の十分な脱パラフィン化の重要性が示された.HCVゲノム並びに増殖中間体であるマイナス鎖HCVは肝細胞の細胞質に認められ,エンベロープ蛋白の免疫組織染色でも同様の所見が得られた.一方,核には陽性所見を認めず,HCVは主として肝細胞質に存在し,増殖していることが示された.本手法により通常の肝生検組織においてもHCV RNAの局在の検討が可能となり,C型慢性肝炎の病態の検討に極めて有用な手法と考えられた.
  • 加納 隆, 大谷 雅彦, 川本 智章, 井戸 健一, 木村 健, 河合 秀子, 杉原 潤一, 冨田 栄一, 武藤 泰敏
    1992 年 33 巻 12 号 p. 914-924
    発行日: 1992/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    劇症肝炎(FH)における糖代謝異常を臨床2病型,予後別に検討した.その結果,入院時の低血糖は急性型(FHA)死亡例では高率(40%)に,一方亜急性型(FHS)死亡例では4.2%のみに,生存例では全く認められなかった.また,低血糖の出現もFHA死亡例では病初期に,FHS死亡例では中~末期に多く認められた.一方,高血糖の頻度はFHA生存例に比し死亡例で顕著で,死亡症例は末期に,生存例では病初期に多く見られた.また,FHではインスリン感受性は良好であり,FHモデルにおいても著明な高インスリン血症が認められたが,IVGTTから求めた糖利用率およびITTによるインスリン感受性は良好であった.FHの栄養管理に際しては臨床病型ならびに肝予備能の程度を十分に念頭にいれて血糖を管理すべきと考えられた.さらに,FHにおける糖処理能,インスリン感受性は良好に保持されていることよりFHに対する高エネルギー輸液療法の有効性,妥当性が裏付けられた.
  • 柿坂 明俊, 葛西 眞一, 工藤 浩市, 星 智和, 水戸 廸郎
    1992 年 33 巻 12 号 p. 925-931
    発行日: 1992/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    薬剤性急性肝不全に対するcyclic AMPの効果及び脾臓の役割を明らかにするため,Dibutyryl cyclic AMP (DBcAMP) 15mg/kg/回をD-galactosamine (D-Gal) 500mg/kgとLipopolysaccharide (Endotoxin:Et) 0.5mg/kgで作成した急性肝不全ラットに投与し検討した.生存率は,D-Gal, Et投与群(対照群)7%, DBcAMP投与群(治療群)のうち,DBcAMPを7回投与した群100%, 2回投与した群は53%であった.このDBcAMP 2回投与群に脾摘を施行した脾摘群では,薬剤投与1日前脾摘群75%,2日前脾摘群50%, 7日前脾摘群50%であった.GOT,肝組織血流量は,治療群,脾摘群で良好な結果を示した.肝組織所見は,対照群で広範壊死像を呈し,治療群,脾摘群は軽度の壊死を伴う炎症細胞浸潤像を示した.以上より,DBcAMP投与によりD-Gal, Et急性肝不全は抑制され,脾摘直後では少量投与で救命効果が認められた.
  • 首藤 太一, 木下 博明, 広橋 一裕, 半羽 宏之, 久保田 太輔, 若狭 研一, 山本 隆嗣, 櫻井 幹己
    1992 年 33 巻 12 号 p. 932-937
    発行日: 1992/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    肝癌切除後の残肝再発には,転移再発ならびに多中心性再発の2種類の様式が考えられている.これら残肝再発の機序を解明する一助として,最近5年間に取り扱った切除肝癌161症例の非癌部肝内結節性病変を再検索した.
    その結果,161症例中31症例(19%)に術前術中に診断し得なかった結節性病変48結節が検出された.これらを病理組織学的に検討したところ,large regenerative noduleは19結節(40%),adenomatous hyperplasiaは10結節(21%), early HCCは8結節(17%), intrahepatic metas-tasisは8結節(17%)であった.したがって,最近精度の著しく向上した術前画像診断法によっても検出しえない結節性病変が残肝にかなり存在することが推測された.
  • 金子 聡
    1992 年 33 巻 12 号 p. 938-946
    発行日: 1992/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    肝細胞癌(以下HCCとする)の格子線維構築特性を検討するために,HCC 45例,正常肝10例,硬変肝5例の計60例について鍍銀染色により病理組織学的に検索した.正常肝では肝細胞相互間に入り込むように存在する鉤状線維(hook-shaped reticulin fiber)の存在を初めて指摘した.この線維は肝硬変ではやや減少し,HCCではさらに減り,かつ分化度の低下と比例して減少していた.さらに,HCCの腫瘍細胞索を取り巻く格子線維には,連続性の低下,走行の不整および太さの不均一性等の特色に富む変化を認めた.また,HCCでは非腫瘍部に比して格子線維が少ないという従来からの経験を検証するため,格子線維を太さにより4種類に分け,一定面積内の夫々の分布密度や腫瘍細胞索周囲長を定量的に計測し,HCCが低分化になるに従いそれらが減少していることを確かめた.以上から,格子線維構築はHCCの分化度を示す指標となることが示唆された.
  • 加賀田 豊
    1992 年 33 巻 12 号 p. 947-956
    発行日: 1992/12/25
    公開日: 2010/01/19
    ジャーナル フリー
    高カロリー輸液により発現したと判定された脂肪肝を有する19剖検例の肝病変の特徴を明らかにすべく病理学的に精査した.対照としてアルコール性脂肪肝20例と正常肝94例を調べ,腎病変についても検索した.高カロリー輸液による脂肪肝群の肝臓は正常肝群に比し,肝重量および肝重量・体重比が増加しており(p<0.01),プロポーショナルに腫大していた.組織学的検討では,肝細胞脂肪化は肝小葉中心帯性で,大滴性のものが主体を占めていた.アルコール性脂肪肝群との比較では,中心静脈壁肥厚とGlisson鞘域の細胆管増生がより高い頻度で認められた(p<0.01).肝細胞の核空胞,核糖原,核脂肪をそれぞれ8例,5例,11例に認めた.核脂肪の頻度は比較的高かったが,HE染色では核空胞として認められるため,核糖原と混同される可能性が示唆された.腎臓では限局性に近位尿細管上皮の脂肪化または空胞化を7例に認めたが,肝脂肪化の程度との相関はみられなかった.
  • 山田 龍作, 佐藤 守男, 岸 和史, 野村 尚三, 園村 哲郎, 木村 誠志, 角井 一之
    1992 年 33 巻 12 号 p. 957-960
    発行日: 1992/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    門脈圧亢進症に対する経皮的肝内門脈静脈短絡術(Tranjugular portosystemicshunt; TIPS)を本邦で初めて臨床的に施行し成功したので報告する.肝硬変に伴う門脈圧亢進症による難治性の食道静脈瘤の患者2名がRosch modified Gianturco stentを用いたTIPS治療を受けた.治療後に門脈圧は50mmHgから33mmHgまで低下した.また術後2週間めには食道静脈瘤の消退と腹水の消失をみとめた.短絡路はそれぞれ術後1および3カ月後も良好に開存していた.また肝性脳症などの明らかな合併症は認められなかった.TIPSは手技的に侵襲が少なく腹水や出血傾向のある患者でも安全に施行できる利点があり,脳症の発生も少ないと考えられ今後の普及が見込まれる.
  • 小野 剛, 小松 眞史, 倉光 智之, 中島 康, 後藤 充男, 正宗 研, 荒川 弘道
    1992 年 33 巻 12 号 p. 961-966
    発行日: 1992/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    内視鏡的食道静脈瘤硬化療法にて治療した精神分裂病を伴う先天性肝線維症の1例を報告する.症例は29歳,男性.1991年2月,吐血にて発症.腹腔鏡検査,肝生検にて先天性肝線維症と診断した.著明な肝脾腫を認めたが,黄疸,腹水はなく,肝機能も軽度の異常を認めるのみであった.画像診断上,肝末梢に多発する嚢胞がみられたがERCP,CT cholangiographyで胆道との交通はなくCaroli病とは区別された.これまで知能低下を合併した報告例はあるものの精神分裂病の合併例は見あたらず,われわれの報告が初めてとおもわれる.先天性肝線維症に対してはこれまで主に外科的治療が施行され良好な結果がえられていた,本症例では合計4回の内視鏡的食道静脈瘤硬化療法で静脈瘤はほぼ消失しその後の経過も良好である.近年,内視鏡の進歩,手技や方法の改良により内視鏡的食道静脈瘤硬化療法は治療法としての安全性や有効性が確立されてきており,今後外科的治療にとってかわりうるものと考えられた.
  • 松田 浩明, 堀見 忠司, 森田 荘二郎, 依光 幸夫, 三浦 徹
    1992 年 33 巻 12 号 p. 967-973
    発行日: 1992/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    大網の異所性肝組織より発生した肝細胞癌の1切除例を報告する.症例は68歳の男性で可動性を有する右季肋部腫瘤を触知し,腹部超音波検査,CTで肝右葉下縁に接する腫瘍を指摘され,精査目的にて当院に入院した.血管造影検査では胃十二指腸動脈は著明に拡張し,肝下面に一致して大網動脈枝によって栄養される腫瘍が認められた.腹部CTでは少量の腹水と,播種性転移と思われる多数の小腫瘍も認められた.手術所見では大網を巻きこむように発育した径約12cmの主腫瘍と,腸間膜に播種性転移と考えられる多数の小腫瘍を認め,主腫瘍を小腫瘍とともに可及的に摘出した.組織学的には主腫瘍はEdmondson III型の肝細胞癌,小腫瘍はその播種性転移であり,主腫瘍と肝臓との肉眼的および組織学的連続性は認められず,大網に発生した異所性肝細胞癌とその播種性転移と考えられた.
  • 長尾 泰孝, 岡上 武, 武田 誠, 杉浦 久嗣, 岡 正直, 千丸 博司, 加嶋 敬
    1992 年 33 巻 12 号 p. 974-978
    発行日: 1992/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    肝細胞癌(HCC)の内臓皮膚症候群(dermadrom)として,結節性痒疹(PN)を合併した症例を経験した.症例は54歳,男性.HCCの診断とほぼ同時期に全身に激痒感を伴う結節が生じ,生検にて毛嚢部位で強い偽癌性変化がみられ,汎発型のPNと診断した.HCCに対して行った抗癌剤併用選択的肝動脈塞栓療法の治療効果に並行してPNの臨床症状が緩解増悪をみたことから,dermadromと診断した.本例のPNの病態は腫瘍の代謝産物または産生物質に対する反応性病変と考えられ,腫瘍の状態を臨床症状に反映するものであった.PNの合併はHodgkin病などで散見されるが,HCCのdermadromとしての報告はなく,一般臨床の場では見逃されている可能性もある.今後,HCCの診断,治療においてPNも念頭におく必要があるものと思われた.
  • 名倉 賢治, 高橋 弘一, 野中 益美, 保里 昌彦, 池田 健次, 斉藤 聡, 熊田 博光
    1992 年 33 巻 12 号 p. 979-980
    発行日: 1992/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 西森 弘, 南部 修二, 峯村 正実, 岡田 和彦, 月城 孝志, 土田 敏博, 舟木 淳, 清水 幸裕, 宮林 千春, 高原 照美, 樋口 ...
    1992 年 33 巻 12 号 p. 981-982
    発行日: 1992/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 佐藤 好信, 塚田 一博, 吉田 奎介, 武藤 輝一
    1992 年 33 巻 12 号 p. 983-984
    発行日: 1992/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 呉 笑山, 溝上 雅史, 方 之勲, 張 新年, 張 力勇, 鈴木 馨, 大野 智義, 溝口 直人, 藤井 一彦, 折戸 悦朗, 山本 正彦 ...
    1992 年 33 巻 12 号 p. 985-986
    発行日: 1992/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 青木 一教, 岡田 周市, 野瀬 晴彦, 岡崎 伸生, 吉森 正喜, 坂元 亨宇, 廣橋 説雄
    1992 年 33 巻 12 号 p. 987-988
    発行日: 1992/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 上木 昇, 大川 敏久, 横山 裕治, 安室 芳樹, 波田 寿一, 東野 一彌
    1992 年 33 巻 12 号 p. 989-990
    発行日: 1992/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
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