症例は44歳, 男性. 平成10年, B型慢性肝炎 (CH-B) と診断された. 平成12年11月頃より, 褐色尿, 黄疸が出現し, 当院に入院. 意識清明, T. Bil 16.7mg/d
l, GOT 440IU/
l, GPT 815IU/
l, PT 43%, HPT 13%, HGF 1.13ng/m
l, IgM-HBc抗体2.8, HBV-DNA 6.5LGE/m
lよりCH-Bの急性増悪と診断した. T. Bil の著しい上昇とHPT等の凝固系の異常より, 肝不全に陥る危険性が高いと判断し, ラミブジンを開始した. ラミブジン服用後, T. Bil およびHPTは改善した. ラミブジン治療開始1カ月後に体幹を中心に皮疹が出現した. 皮疹出現時にラミブジン以外の薬剤を服用していないため, ラミブジンによる中毒疹と考え, 服薬を中止した. その後は, 肝機能の再燃やB型肝炎ウイルスの再増殖もみられなかった. ラミブジンは比較的副作用の少ない薬剤で, 皮疹による中止例も稀であり, 貴重な1例と考えられた.
抄録全体を表示