肝臓
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28 巻, 4 号
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  • 衛藤 隆, 秦 堅佐工, 桜井 迪朗, 鈴木 五三男, 白木 和夫
    1987 年 28 巻 4 号 p. 391-398
    発行日: 1987/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    HBVキャリアー妊婦より出生した95例の新生児を無処置で経過観察し,21例(22%)がキャリアーとなった.HBs抗原出現時期は,2.0±1.2ヵ月であり,9例(42.9%)にて,観察期間中にHBe抗原の消失が認められ(SN群),7例(33.3%)にてHBe抗原からHBe抗体へのseroconversion (SC)が観察された(SC群).SC群の7例中6例にて,HBe抗原陽性の時期より肝機能異常が観察されたが,1例を除き肝機能はHBe抗体出現後1年以内に正常化した.SC群では観察期間中のs-GOT, s-GPT各々の幾何平均値および肝機能異常期間は,HBe抗原が持続した群(e抗原持続群)に比較すると統計学的に有意に高値ないし長かった.HBe抗原の陽性率は年齢が高ずるにつれ低下し,反対にHBe抗体陽性率は年齢と共に高くなっていった.8歳未満におけるHBe抗原の1年当りの消失率は10.1±5.8%であり,またHBe抗体の1年当りの出現率は6.1±5.8%であった.
  • 奥野 忠雄, 武田 誠, 中島 年和, 阿部 芳道, 瀧野 辰郎, 山田 明, 今西 二郎
    1987 年 28 巻 4 号 p. 399-404
    発行日: 1987/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    3年以上経過観察されているHBe抗体持続陽性のB型慢性肝疾患21例(SGPTが100 Karmen units以上の異常を認める9例とSGPTが持続的に正常な12例)で経時的に血中HBV DNAとDNA-Pを測定し,SGPTの上昇がHBVのreactivationと関係しているか否かを検討した.SGPTの異常が認められた9例の組織診断はCAH 5例, CAH cLC 2例, LC2例であった.これらの例ではSGPTの上昇はHBVのreactivationと関係していたが,HBe抗原の再出現やHBe抗体の消失する例はみられなかった.一方,SGPTが正常な12例では血中HBV DNAやDNA-Pは持続的に陰性であった.従って,HBe抗体陽性のB型慢性肝炎でも血清トランスアミナーゼの上昇を認める例ではHBVのreactivationが関与している可能性を考慮し,抗ウイルス剤の適応を検討する必要があると思われた.
  • 年齢階層別にみたHBs抗原自然陰性化傾向
    今井 康允, 寺野 彰, 南部 勝司, 飯島 敏彦, 吉野 泉, 浪久 利彦
    1987 年 28 巻 4 号 p. 405-409
    発行日: 1987/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    長期観察中(平均観察期間4.3年)のHBs抗原キャリアー832例中79例(9.5%)に,HBs抗原力価の低下(RPHA:26>:陰性化傾向例)を認めた.
    陰性化傾向例のピークは,person yearの手法によると,40~44歳であり,HBs抗原陰性化例が,45歳以降,加齢と共に増加することから,陰性化傾向は,HBs抗原陰性化の前段階であろうと推測された.
    これらの症例は,e抗体陽性のASCまたはCPHであり,安定した病態を示していた.
    したがって,HBs抗原力価が減少する症例では,病状が安定し,遂には抗原が陰性化して,キャリアー状態が消退するものと期待できる.
  • 恩地 森一, 久門 泉, 宮岡 弘明, 近藤 一, 太田 康幸
    1987 年 28 巻 4 号 p. 410-415
    発行日: 1987/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    B型慢性活動性肝炎(CAH)における増悪の機構を解析する目的で,肝炎の増悪について,経過を追って末梢血及び肝組織内T細胞亜分画数を測定した.モノクローナル抗体はOrtho社のOKシリーズT 3, 4, 8, OKIa1を用い,末梢血ではflow cytometryで,肝組織内についてはavidin-biotin complexを用いた酵素抗体法を用いて染色し,亜分画数を測定した.B型CAH 12例を寛解期(GPT 52.3±41.0IU/l)と増悪期又は極期(GPT 368±148IU/l),増悪後期(GPT 135±139IU/l)に分けて検討すると,OKT3陽性細胞数には変化なく,OKT4陽性細胞は,増悪極期よりも後期で減少,OKT8陽性細胞は,寛解期に比べ極期及び後期で減少していた.OKT4/OKT8比は,寛解期,増悪後期に比べ,増悪前又は極期で上昇していた.肝組織内OKT8陽性細胞は,増悪極期ないし後期で寛解期に比べ増加していた.以上より,CAHの増悪には末梢血細胞亜分画の変化と肝組織内への細胞障害性T cellの集簇が関与していることが示唆された.
  • 特に細胞性免疫と抗HBs抗体反応性について
    楠美 嘉晃, 荒川 泰行, 須藤 祐正, 須藤 祐司, 中村 修, 宮本 正俊, 天木 秀一, 松尾 裕, 志方 俊夫, 吉沢 信行
    1987 年 28 巻 4 号 p. 416-426
    発行日: 1987/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    1年以上にわたって維持血液透析をうけていた患者(HDPT)18名にB型肝炎ワクチンを接種して,その安全性と有効性について検討した.研究期間中に,特別な副作用は認められなかった.3回接種(0, 4, 20週)終了後,健常人に比較して,HDPTの抗HBs抗体の陽転率及び相乗平均抗体価は共に低値であった.ワクチン接種前に測定された免疫学的パラメーターの解析によれば,このHDPTにおけるHBワクチンへの抗HBs抗体産生の低反応性には,細胞性免疫障害が関与していることが推察され,それは,それぞれモノクローナル抗体OKT3, 4,及び8によって識別された全末梢T細胞,ヘルパー/インデューサーT細胞,及びサプレッサー/細胞障害性T細胞の絶対数減少を含む末梢血のリンパ球減少症に表されていた.
  • 広田 俊子, 大野 尚文, 矢野 和則
    1987 年 28 巻 4 号 p. 427-432
    発行日: 1987/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    父親がHBs抗原carrier(以下carrier)の場合の,子供に対するHB vaccine投与の適応を検討する目的で,父親がcarrier,母親がHBs抗原陰性の家族のHB virus感染状況を調査した.同時に,carrier例,一過性感染例,未感染例の遺伝免疫学的差異を探る目的で,HLA (A, B, CおよびDR locus)を検討した.83家族の子供165名の調査で,HB virus父子間感染率は,24.2%,うちcarrierは9.1%であった.父親がHBe抗原陽性群(44家族)とHBe抗原陰性群(39家族)の比較では,HB virus父子間感染率は,各々33.7%, 12.3% (p<0.01)で,carrierは,各々10.9%, 6.8%であった.15家族67名に行ったHLAのtypingでは,HB virus感染あるいはcarrier化に対する特定のHLAは認められなかった.父親がHBe抗原陽性の場合,子供に対するHB vaccine投与は,生後比較的早い時期に必要と思われ,父親が子供の出生時すでにHBe抗原陰性の場合には,必ずしも必要ないと考えられた.
  • 溝口 靖紘, 筒井 ひろ子, 久保井 広志, 李 載澹, 藤信 裕美子, 児玉 千枝, 宮島 慶治, 阪上 吉秀, 関 守一, 荒川 哲男, ...
    1987 年 28 巻 4 号 p. 433-438
    発行日: 1987/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    Propionibacterium acnes (P.acnes)加熱死菌をマウスに静注し,7日後に少量のグラム陰性菌由来のlipopolysaccharide (LPS)を静注すると,ほとんどのマウスは広範な肝壊死を起こして死亡する.しかし,このような実験的肝障害を誘導する際に,prostaglandin (PG)E1を投与すると,マウスの生存率は高くなり,肝の組織学的変化も著明に改善される.このPGE1の肝障害抑制機構を明らかにするため,著者らは肝障害を誘導する肝粘着性細胞の活性化に及ぼすPG E1の影響を検討するとともに粘着性細胞由来の肝細胞障害因子に対するPG E1の肝細胞防御作用をしらべた.その結果,PG E1は肝粘着性細胞の活性化を抑制して細胞障害因子の遊離を抑制するぼかりでなく,肝細胞に直接作用して肝細胞を障害因子の作用から防御することが明らかとなった.
  • 田口 克司
    1987 年 28 巻 4 号 p. 439-446
    発行日: 1987/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    アルコール性肝炎14例およびアルコール性肝線維症15例の肝生検標本を対象に,光顕的,電顕的に検索すると共に免疫組織化学的に第VIII因子関連抗原およびフィブロネクチンの局在を指標に類洞血管変化を検討した.第VIII因子関連抗原は正常肝では類洞内皮細胞には見られないがアルコール性肝炎およびアルコール性肝線維症の肝細胞周囲性線維化部分に出現した毛細血管の内皮細胞にはその局在をみた.フィブロネクチンは肝線維化の早期に豊富な局在を示し,微細構造的には肝小葉内において肝細胞並びに類洞縁の血管内皮細胞の増生した小胞体に局在していた.そして厚い膠原細線維束に囲まれた毛細血管基底側には連続性膜様の局在を示した.第VIII因子関連抗原の局在から類洞のcapillarizationは肝細胞周囲性線維化と密接な関係を持ちつつ進展すると考えられ,その際肝細胞および血管内皮細胞から産生されるフィブロネクチンが重要な役割を果たす事が示唆された.
  • 神代 正道, 杉原 茂孝, 中島 収
    1987 年 28 巻 4 号 p. 447-450
    発行日: 1987/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    スリガラス(ground-glass)様封入体を有する肝細胞癌について病理形態学的,及び免疫組織学的検索を行った.
    スリガラス様封入体を有する肝細胞癌は,127例中3例(2.3%)にみられ,臨床的には1例に低血糖発作がみられたほか,特記すべき所見はなかった.封入体は光顕的に小円形から癌細胞の胞体全体を占めるものまで種々の大きさのPAS, PTAH,オルセイン各染色陰性,paleな無構造物としてみられ,電顕的には一層の限界膜を有する細線維集合体で,種々の程度に拡張した小胞体内にも同様の物質を認め,小胞体との密接な関連性が示唆された.PAP法では大部分の封入体は抗フィブリノーゲン抗体に陽性である.これらのことから本封入体は癌細胞における分泌蛋白の運搬,分泌障害により拡張した小胞体内のフィブリノーゲンの蓄積によるものとみなされる.
  • 桐山 勢生, 中野 哲, 熊田 卓, 武田 功, 小沢 洋, 宮澤 裕治, 進藤 丈, 傍島 祐司
    1987 年 28 巻 4 号 p. 451-458
    発行日: 1987/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    肝細胞癌47例,それ以外の肝内腫瘤性病変31例を対象に,99mTc-N-pyridoxyl-methyltryptophanを用いた肝胆道シンチグラフィーの肝腫瘤性病変の診断への有用性を検討した.その結果,本法の肝細胞癌に対するsensitivityは59.5%と決して高くはないが,そのspecificityは100%と極めて高率であり,質的診断への有用性が示唆された.また,腫瘍形態による本法の陽性率は,nodular type(腫瘍径3cm以下)83.3%,同(腫瘍径3cm以上)66.7%,massive type 53.8%, diffuse type 14.2%とdiffuse typeに低く, nodular typeに高かった.しかも,腫瘍径の小さいものに良い成績をえた.一方,血管造影所見では,門脈内腫瘍塞栓の軽度のもの,A-P shuntのないもめに陽性率は高い傾向がみられたが,血清AFP値ならびに病理組織所見との間には有意な関連性は認められなかった.
    以上のことより,本法は肝細胞癌,特に早期のものに質的診断の面で有用と考えられる.
  • 小暮 公孝, 石崎 政利, 加藤 良二, 根本 雅明, 小川 晃男, 塚田 勝彦, 服部 徳昭, 長町 幸雄, 笹本 潔
    1987 年 28 巻 4 号 p. 459-465
    発行日: 1987/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    38歳男性の肝左葉に原発した巨大結節状肝腫瘍を切除したが,腫瘍は大小の血管に富む厚い被膜に包まれ,腫瘍細胞は比較的形の整った正常肝細胞に類似した索状構造を呈し類洞により隔てられていた.また,核の大小不同,変形は軽微で有糸分裂像は見い出しえなかった.非腫瘍部は全くの正常肝であった,血管造影では腫瘍を囲んだ2本の太いS2, S3の血管から内部に向って栄養枝が分枝していたが,血管の断裂,閉塞,不整像は認められなかった.CTでは正常肝よりややlow densityを呈したが,腫瘍内に出血巣を思わせるlow density areaが散在性に認められた.
    18×19×6cm, 1500gの腫瘍切除後,4年6ヵ月再発の徴候は全く認められていない.
    本例は組織学的には高分化型肝細胞癌との鑑別は難しいものの,画像診断上,臨床経過上の特徴を加味して肝細胞腺腫と診断した.
    類似する17例の本邦報告例も併せ検討した,
  • 安井 英明, 藤谷 洋平, 椙村 春彦, 樋野 興夫, 青山 弘, 志賀 淳治, 森 亘, 古橋 修介, 倉井 清彦
    1987 年 28 巻 4 号 p. 466-471
    発行日: 1987/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    香港にて輸血を受けた後,急性肝炎を発症した27歳の女性が,慢性肝炎,肝硬変を経て11年後肝細胞癌にて死亡し剖検に附された.患者はB型肝炎ウイルスキャリアの可能性が強く,輸血によりδ因子の重複感染を受け,急性肝炎を発症したものと考えられた.
    血清学的検索では,HBs抗原,δ抗体,HBc抗体,HBe抗体が陽性,α-フェトプロテインは正常範囲内であった.剖検診断は,乙型肝硬変を伴った肝細胞癌で,既往の肝生検組織中にδ抗原を証明し得たが,剖検肝においては,肝組織中にδ抗原は検出されなかった.本例は,δ因子陽性肝細胞癌の剖検例としては,本邦第2例である.
  • 元雄 良治, 田中 延善, 樋上 義伸, 小林 健一, 若月 寿之助, 服部 信, 松井 修, 泉 良平, 中沼 安二, 太田 五六
    1987 年 28 巻 4 号 p. 472-476
    発行日: 1987/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    ルポイド肝炎から進展した肝硬変と考えられる症例で,長期経過観察中AFPの上昇と各種画像診断より肝癌の合併を診断し,治癒切除し得た1例を報告する.症例は65歳女性で,輸血歴なし.昭和54年肝機能異常の精査を目的に当科に入院し,肝生検にて軽度のCAH,さらに翌年初期肝硬変と診断された.γ-グロブリン2.4g/dl,各種自己抗体陽性および肝組織像より自己免疫性肝炎と診断し,prednisoloneと6-MPを投与した.昭和58年の腹腔鏡では乙型肝硬変に進展していたが,さらにLE細胞陽性であり,ルポイド肝炎と考えられた.昭和60年4月頃よりAFPの上昇傾向を認め,各種画像診断より肝細胞癌と診断し,同年9月肝亜区域切除術(S3)を施行した.Stage II, TW (-)で治癒切除であった.腫瘍は直径1cmのEdmondson II型の肝細胞癌であった.現在まで再発等認めず,外来通院中である.
  • 小松 達司, 山内 克巳, 長谷川 潔, 古川 隆二, 中西 敏己, 次田 正, 武藤 晴臣, 磯部 義憲, 田中 茂治, 長田 広司, 清 ...
    1987 年 28 巻 4 号 p. 477-482
    発行日: 1987/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    われわれは,重症な肝硬変症合併のため他の治療を施行できなかった肝細胞癌患者2例に対し,自己リンパ球をin vitroでInterleukin-2 (IL-2)存在下で培養し誘導したLymphokine-activated killer (LAK)細胞を再び体内に戻すというAdoptive immunotherapyを試みた.肝内腫瘍の栄養血管に留置したカテーテルから,LAK細胞とIL-2を症例1では計4回,症例2では計8回投与した.末梢静脈血を採取して得たLAK細胞を使用した症例1では,AFPは一時的に低下したが,画像上腫瘍の大きさには著しい変化は認められなかった.Leucocytapheresisにより大量の細胞を採取しえた症例2では,AFPは著明に低下し,US, CT,血管造影でも腫瘍の明らかな縮小を認めた.2例とも特に重篤な副作用は認められず,今後,肝細胞癌に対する有効な内科的治療法となりうることが示唆された.
  • 川崎 俊彦, 森安 史典, 西田 修, 伴 信之, 中村 武史, 玉田 尚, 三浦 賢佑, 酒井 正彦, 三宅 健夫, 内野 治人
    1987 年 28 巻 4 号 p. 483-488
    発行日: 1987/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    門脈本幹に著明な遠肝性血流を認めた症例を経験し,門脈血行動態を詳細に検討した.症例は55歳の女性,大酒家で肝生検にて乙型肝硬変であった.超音波ドップラー法を用いて測定した本症例の門脈系の血流は,門脈本幹にて遠肝性に430ml/min,上腸間膜静脈にて求肝性に710ml/min,脾静脈にて遠肝性に380ml/min,胃腎短絡路へ流入する左胃静脈にて遠肝性に820ml/minであった.固有肝動脈をバルーンカテーテルにて閉塞しても門脈本幹血流は明らかな求肝性とならず,超音波ドップラー法による測定域外の少量となり,類洞より肝静脈への抵抗が著しく高く成っている事が示された.門脈本幹の酸素分圧は肝静脈の酸素分圧よりも低く,門脈本幹が肝臓の機能的な主流出路と成っている事が示された.門脈本幹逆流をしめす肝硬変症では,短絡路の血管そのもの,または肝流出路に何らかの異常が存在する事が示唆された.
  • 玉田 尚, 伴 信之, 森安 史典, 内野 治人, 梶村 幸三, 山下 幸孝, 梶山 徹, 西尾 彰功, 山本 富一, 洲崎 剛, 兼松 雄 ...
    1987 年 28 巻 4 号 p. 489-494
    発行日: 1987/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    肝外門脈閉塞の原因としてSLEに伴う門脈血栓症が関与していた症例を報告する.症例は36歳女性.29歳で吐血にて発症し,食道静脈瘤と脾腫が認められた.30歳で門脈造影を施行され,門脈血栓症の診断を受けると同時に,抗核抗体陽性,血清補体価低下を認めた.その後発熱,下肢の血栓性静脈炎,労作時呼吸困難を繰り返したが,いずれもステロイドの投与が著効を示した.36歳でLE細胞陽性,胸膜炎症状がありSLEと診断されたが,食道静脈瘤からの出血にて死亡した.剖検所見で門脈本幹の左右の分岐部に索状の血栓があり,組織学的に肝は類円形を示すグリソン鞘が特徴的で,細い門脈では内腔の狭小化を認めた.肝外門脈閉塞症の原因は不明なことが多いが,この症例はSLEが関与していたと思われる.又,その組織が特発性門脈圧亢進症のものと類似していたことは自己免疫とIPHとの関連を考える上でも興味深いところである.
  • 溝上 雅史, 杉浦 荘一, 折戸 悦郎, 伊奈 幸子, 亀島 信利, 山本 正彦
    1987 年 28 巻 4 号 p. 495-496
    発行日: 1987/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 血清検体ブラインド法による検討
    三田村 圭二, 鈴木 宏
    1987 年 28 巻 4 号 p. 497-498
    発行日: 1987/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 池村 栄作, 山本 浩史, 小野 稔, 田中 紀章, 折田 薫三
    1987 年 28 巻 4 号 p. 499
    発行日: 1987/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 山田 真和, 藤原 研司, 太田 裕彦, 尾形 逸郎, 佐藤 譲, 林 茂樹, 岡 裕爾, 高築 勝義, 岡 博, 小松 寛治, 菅原 善昭 ...
    1987 年 28 巻 4 号 p. 500
    発行日: 1987/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 小林 万利子, 熊田 博光, 池田 健次, 茶山 一彰, 中村 郁夫, 荒瀬 康司, 松本 豊海
    1987 年 28 巻 4 号 p. 501
    発行日: 1987/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 正木 尚彦, 山田 真和, 尾形 逸郎, 藤原 研司, 岡 博
    1987 年 28 巻 4 号 p. 502
    発行日: 1987/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 1987 年 28 巻 4 号 p. 503-527
    発行日: 1987/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
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