肝臓
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53 巻, 10 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
原著
  • 高槻 光寿, 江口 晋, 曽山 明彦, 兼松 隆之, 中尾 一彦, 白阪 琢磨, 山本 政弘, 潟永 博之, 立川 夏夫, 釘山 有希, 八 ...
    2012 年53 巻10 号 p. 586-590
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/11/06
    ジャーナル フリー
    【背景】anti-retroviral therapyにより,HIV/HCV重複感染者の死亡の原因として,HCVによる肝疾患の割合増加に加え,非硬変性門脈圧亢進症の報告が増えている.【目的】本邦での血液製剤によるHIV/HCV重複感染者での門脈圧亢進症の実態を検証し,肝移植適応の再評価を考える.【方法】国内HIV診療主要4施設での血液製剤によるHIV/HCV重複感染者でChild分類Aの184例のデータを解析し,門脈圧亢進症の指標としての血小板数で生存率を比較した.【結果】HIV/HCV重複感染患者内では,血小板数数15万/μLの分類にて患者生存に有意差がみられた.同じChild分類Aで,HIV/HCV重複感染患者のなかで血小板数15万/μl未満の症例とHCV単独感染患者の症例と予後を比較したところ,HIV/HCV重複感染患者の予後は有意に不良であった.【考察】HIV/HCV重複感染患者はHCV単独感染患者よりも門脈亢進症進行例では予後不良で,Child分類Aでも肝移植待機リストへの登録を考慮しうると考えられた.
  • 堀江 弘子, 江口 有一郎, 中村 隆典, 水田 敏彦, 桑代 卓也, 岩本 英里, 古賀 さやか, 田代 貴也, 冨永 智香子, 黒木 茂 ...
    2012 年53 巻10 号 p. 591-601
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/11/06
    ジャーナル フリー
    佐賀県は肝がん粗死亡率全国一位が続いている.肝炎ウイルス検査の受診率向上は肝がん対策の最重要課題と捉え,当健診センターでは,検査の受検案内を積極的に行い,2年間で総受診者の約8割が受検した.今回,更なる受検率の向上のために,対象者に検査を「受ける意思」と「受けない理由」の要因を明らかにするアンケート及び共分散分析を行った(総数447人,検査の受診者:A群373人,不受診者:B群74人).A群の受検要因に,「佐賀県の肝がんの死亡率が高い」との情報提供と「慢性肝炎の早期治療での意義」の説明,「スタッフから検査案内」の検査意義の説明等が有効と判った.B群の不受検の理由には,「自分は大丈夫だろう」との認識と「治療に伴う経済的な負担」等が見出され,検査意義の理解不足や治療に伴う経済的な負担が推測された.ウイルス感染の意味と肝がん予防の健康教育,治療費助成制度の説明等は受検率の向上に寄与すると示唆された.
症例報告
  • 宇賀 公宣, 森田 雅範
    2012 年53 巻10 号 p. 602-609
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/11/06
    ジャーナル フリー
    症例は87歳,男性.85歳時に肝細胞癌を発症し,肝切除を施行した.以後,多発再発に対し,transcatheter arterial chemoembolizationを行ったが奏功せず,sorafenibを導入した.導入2カ月後のCTでは,腫瘍径の増大が認められたが,腫瘍血流の明瞭な低下も認められた.また,肝臓内外に新規病変の出現も認められたが,肝臓内病変の腫瘍血流は低下した状態であった.Modified RECISTによる効果判定ではProgressive Diseaseであった.患者の意思を尊重しsorafenib投与を継続した所,効果判定後4カ月間,画像所見・PIVKA-IIの上昇率ともに増悪は認められず病勢の制御が可能となった.導入6カ月後のCTにて,肝癌に淡い造影効果が再燃し,PIVKA-IIの上昇率増悪も認められ,臨床的な増悪が示唆された.画像効果判定に従い導入2カ月後でsorafenib投与を終了すべきであったとは言い難い経過であり,報告する.
  • 杉浦 時雄, 遠藤 剛, 伊藤 孝一, 鈴森 伸宏, 齋藤 伸治, 田中 靖人
    2012 年53 巻10 号 p. 610-614
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/11/06
    ジャーナル フリー
    症例は33歳女性.B型肝炎ウイルス(HBV)無症候性キャリア.3年前に第一子出産.第一子は女児.通常通り出生時と生後2カ月時にHBIG,生後2,3,5カ月時にHBワクチンを接種.生後1カ月時点でHBs抗原陰性だったが,生後6カ月時にHBs抗原陽性が判明.今回第二子妊娠を契機にHBV母子感染予防目的で来院.HBs抗原陽性,HBe抗原陽性,HBe抗体陰性.HBV DNA 9.1 log copies/ml.妊娠28週からラミブジンの内服を開始した.ウイルス量は出産前にHBV DNA 6.3 log copies/mlまで低下した.出産後3カ月でラミブジン内服中止.内服中止後もトランスアミナーゼ値上昇は認めていない.第二子は女児.通常通りHBIGとHBワクチンを接種.生後1歳時点でHBs抗原陰性を確認している.HBV高ウイルス量妊婦では,母子感染対策として妊娠後期のラミブジン投与が有効である.
  • 河野 豊, 菊地 尚平, 宮西 浩嗣, 永島 裕之, 平川 昌宏, 田村 文人, 吉田 真誠, 高橋 祥, 高田 弘一, 林 毅, 佐藤 勉 ...
    2012 年53 巻10 号 p. 615-623
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/11/06
    ジャーナル フリー
    症例は68歳女性.非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)として外来通院中であったが,腹部MRI検査で多発肝腫瘍を認め,精査加療目的にて入院となった.腫瘍はS3に22 mmの結節性病変を,またS1とS4およびS6にも小結節性病変を認めた.切除標本においてS3病変は境界明瞭で被膜形成のない白色充実性腫瘍で,免疫染色ではCK7,CK19,EMA陽性,HepPar1陰性であり細胆管細胞癌の所見であった.一方S4の病変はdysplastic noduleであった.S1およびS6病変は画像検査上肝細胞癌の診断にてRFAを施行された.NASHを背景肝として発症した細胆管細胞癌と肝細胞癌の合併は稀であり文献的考察を加えて報告する.
短報
特別寄稿
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