肝臓
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44 巻, 11 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 西原 利治, 大西 三朗
    2003 年 44 巻 11 号 p. 541-545
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
  • 岡 博子, 大崎 往夫, 春日井 博志, 工藤 正俊, 関 寿人, 大阪肝穿刺生検治療研究会
    2003 年 44 巻 11 号 p. 546-551
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    肝癌無治療例の予後を知る目的で, 近畿地区を中心に22施設の協力により, 1990年以降に来院し治療の施行されなかった195例の肝癌患者を対象として, その肝障害度や進行度による生存率を検討し以下の結果が得られた.
    1) 年齢は31~89歳 (平均66.3±11.1歳, 中央値66歳), 肝障害度Aが15%, Bが32%, Cが53%であり, 画像病期はI: 12%, II: 24%, III: 19%, IV-A: 29%, IV-B: 16%であった.
    2) 無治療例全体の1年生存率は31%, 3年生存率は10%, 5年生存率は3%であった.
    3) 肝障害度AまたはBかつ画像病期I (13例) における1, 3, 5年生存率はそれぞれ82%, 56%, 56%, 画像病期II (18例) では, 59%, 30%, 0%であった. 画像病期III (20例)では42%, 8%, 0%であった.
    4) 肝障害度Cかつ画像病期I (8例) の1, 3, 5年生存率は60%, 23%, 23%であり, 画像病期II (26例) では46%, 12%, 0%, 画像病期III (14例) では31%, 8%, 8%であった.
  • 高橋 達, 栗田 聡, 大越 章吾, 青柳 豊
    2003 年 44 巻 11 号 p. 552-558
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    C型慢性肝炎に対してインターフェロン療法を施行し, ウイルス学的著効を得た後も, 肝機能異常が持続する1例を経験した. 脂肪肝の悪化を疑ってエコー下肝生検を施行したところ, インターフェロン投与前にはみられなかった肝細胞周囲性線維化を伴う中心静脈周囲の線維化と肝細胞質内のマロリー体の形成, 炎症性細胞浸潤を認め, 非アルコール性脂肪性肝炎 (NASH) と診断した. BMIは24.8で肥満はなく, 投与前から投与後に至るまで体重の増加は認めなかった. 以上より, 肥満に伴う代謝異常のみならず, C型肝炎ウイルス感染やインターフェロン治療後の修飾, さらに薬剤投与なども本症例におけるNASHの発症要因である可能性がある.
  • 田口 順, 石井 邦英, 梶原 雅彦, 井上 欣哉, 古賀 裕之, 實藤 俊昭, 安倍 弘彦, 中島 収, 神代 正道, 佐田 通夫
    2003 年 44 巻 11 号 p. 559-564
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    症例はBMI; 30.3と肥満を有する59歳の女性. B型およびC型肝炎ウイルスマーカーは陰性で, 2年前より原因不明の肝硬変で当科外来加療中であったが, 全身倦怠感が強くなり入院となった. 腹部超音波, CT検査で著明な肝萎縮と腹水を認めた. 入院1カ月後に肝不全および腎不全により死亡し, 病理解剖を施行した. 組織学的検索の結果, 肝細胞の著明な脂肪化, 風船様膨化, マロリー体および好中球を含む炎症細胞浸潤などアルコール性肝炎に類似した所見を認めた. 肝炎ウイルスマーカー陰性, 飲酒歴がなく肥満をみることより, 非アルコール性脂肪性肝炎 (NASH) による肝硬変と診断した. また, S8に9×8mm, S4に5×4mmの2個の微小結節を認め, S8の結節は硬化型中分化型肝細胞癌で腫瘍の辺縁は高分化型を呈していた. S4の結節は全体が細索状構造をなす高分化型肝細胞癌であった. 本症例はNASHによる発癌を考えるうえで示唆に富む症例と考えられた.
  • 梶原 猛史, 舛本 俊一, 山内 雄介, 筑木 隆雄, 中内 昌仁, 壺内 栄治, 那須 淳一郎, 平崎 照士, 谷水 正人, 兵頭 一之介 ...
    2003 年 44 巻 11 号 p. 565-570
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    症例は66歳, 女性. 約20年前より慢性肝炎で近医に通院. その後, HCV抗体陽性を指摘された. 平成13年7月, 腹腔内出血で入院. S4, S6に肝細胞癌あり, TAEでS6病変を, Chemoembolization でS4病変を加療. 平成14年1月, S6に肝癌再発し Chemoembolization とPEITを施行. 3月4日のCTでは肝癌再発の所見はなかった. 5月30日のCTでS4足方に肝外に突出した5cm大の腫瘤を認め肝癌再発と診断し入院. 腹部血管造影では主に胃十二指腸動脈より栄養される腫瘍濃染像を認めた. S4部分切除術を施行. 非癌部は肝硬変で, 腫瘍はS4より肝外に突出していた. 病理組織は低分化型肝細胞癌であった. 急速な増大の要因として, 肝外突出型の肝癌であったこと, 胃十二指腸動脈を主として様々な血管から栄養を受けていたことが考えられた. Chemoembolization 後に約3カ月の経過で急速な増大をみた肝癌の1例を経験したので報告する.
  • 住吉 一浩, 竹下 篤, 野田 直宏, 芥川 寛, 江頭 由太郎, 井上 仁, 林 道廣, 谷川 允彦, 小島 博, 宮地 克彦, 本合 泰 ...
    2003 年 44 巻 11 号 p. 571-578
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    症例は52歳, 男性. 結節状の線維増生を伴う胆管の集簇巣である von Meyenburg complex (VMC) を伴う原発性肝癌症例 (胆管細胞癌および混合型肝癌) を経験した. 胆管細胞癌結節 (S6, 直径約5mm) は印環細胞を伴う比較的低分化な腺癌細胞で構成されており, その結節中に存在する陳旧性のVMCの胆管上皮細胞と腺癌細胞との間には移行像が認められた. 一方, 混合型肝癌結節 (S8, 直径約15mm) では, その内部に明らかなVMCは認められなかったが, その大部分は胆管細胞癌であり, 一部が肝細胞癌の像を呈していた. したがって, S6の癌結節はVMCの胆管上皮細胞から発生した胆管細胞癌であり, S8の混合型肝癌は胆管細胞癌の一部が肝細胞癌の形態を呈するようになったものである可能性が考えられる.
  • 山本 博之, 田中 篤, 北川 諭, 鈴木 高祐, 藤田 善幸, 丸山 正隆
    2003 年 44 巻 11 号 p. 579-585
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    症例は35歳男性. 入院10カ月前から防風通聖散を服用していた. 入院3カ月前にはじめて肝機能異常が出現. 入院6週間前に近医受診, この時点で肝機能障害は増悪していたが, 5種の薬剤を新たに投与され, 防風通聖散はそのまま服用していた. 入院1週間前から黄疸・皮膚掻痒感が出現したため当院へ入院となった. 防風通聖散, および併用薬は入院前日まで服用していた. 入院時ALT 2996IU/l, AST 7174IU/l, T. Bil 15.1mg/dl, PT 30.6%であり, 第2病日肝性昏睡2度となったため劇症肝炎急性型と診断, 血漿交換および血液濾過透析とステロイドパルス療法を開始した. この結果意識清明となり肝機能も急速に改善したが, その後黄疸が遷延し, 肝機能は薬剤中止後4カ月に正常化した. 本症例ではもともと防風通聖散による薬物性肝障害が存在し, そこへ併用薬の影響が加わって最終的に劇症化に至ったものと考えられた.
  • 今尾 泰之, 佐藤 悦久, 川村 直弘, 浅葉 宣之, 根津 佐江子, 山口 康晴, 徳植 秀樹, 中島 洋, 石田 均, 高橋 信一
    2003 年 44 巻 11 号 p. 586-592
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    症例は57歳, 女性. 慢性関節リウマチ (RA) に対し, 1990年11月よりメトトレキサート (MTX)5mg/週の内服加療を受けていた. 1991年頃より肝障害が出現し, MTXの減量にて経過観察されたが, 2000年5月肝脾腫, 食道静脈瘤を認めたため当科第1回入院となった. 腹腔鏡検査では, 肝表面は中等度の凹凸不整を呈し, 肝生検組織では, 門脈域の線維性拡大と架橋形成を認めた. MTX投与を中止し, 約1年後の2001年11月第2回入院, 食道静脈瘤は消失し, 脾腫も明らかに軽減した. 腹腔鏡検査では, 肝表面の不整は改善傾向が見られ, 肝生検組織では, 門脈域の線維成分は狭小化していた. 本症例では薬剤中止によって肝組織の線維成分の減少とともに門脈圧亢進症所見の改善を経時的に観察することができた. MTX長期投与例の経過観察では, 定期的な検査, 要すれば肝生検を行い, 重篤な合併症に対して早期に対応することが重要と考えられた.
  • 萬谷 直樹, 小暮 敏明, 田村 遵一
    2003 年 44 巻 11 号 p. 593-595
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
  • 2003 年 44 巻 11 号 p. 596-616
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
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