肝細胞癌に対して lipiodol-TAE (以下Lip-TAE) 及びPEIT治療後に門脈腫瘍栓を伴う局所再発を来し, 肝切除を施行した3例を経験したので報告する.
症例1: 41歳, 男性. 1981年HBV carrier を指摘. 2000年1月, 腹部CTにて肝細胞癌 (S5) と診断, Lip-TAE後追加治療としてPEIT施行. 2001年8月, S5腫瘍近傍に門脈腫瘍栓を伴う再発を来し, 同年10月肝右葉切除施行.
症例2: 44歳, 男性. 1997年1月, B型肝炎を指摘. 腹部CTにて肝細胞癌 (S2) と診断, Lip-TAE後追加治療としてPEIT施行. 同年8月, S2腫瘍近傍の門脈左枝に腫瘍栓を伴う再発を認め肝左葉切除施行.
症例3: 50歳, 男性. B, C型慢性肝炎で follow 中の1994年10月, 腹部CTで肝細胞癌(S2, 6) と診断, Lip-TAE後追加治療としてPEIT施行. 1995年5月, S2腫瘍近傍の門脈左枝~本幹に腫瘍栓を伴う再発を認め肝左葉切除施行. 3症例の経過よりLip-TAE, PEITが門脈内腫瘍栓形成に影響を与えた可能性が示唆された.
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