肝臓
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44 巻, 5 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 鑑別診断を中心に
    松井 修, 宮山 士朗
    2003 年 44 巻 5 号 p. 187-193
    発行日: 2003/05/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
  • 漢方薬の薬物添加リンパ球刺激試験に関連して
    大嶽 信弘, 渡辺 賢治
    2003 年 44 巻 5 号 p. 194-203
    発行日: 2003/05/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    薬物性肝障害の診断に頻用されるリンパ球刺激試験 (DLST) に, 漢方薬の持つマイトジェン活性が及ぼす影響を小柴胡湯とマウスリンパ球を用いて検討した. 小柴胡湯は in vitro でマイトジェン活性を示し, これには主に甘草が寄与していた. 小柴胡湯を投与したマウスの肝臓リンパ球ではCD3+細胞のポピュレーションとIL-2, IL-4, IFN-γの産生が増加し, 脾臓リンパ球でもサイトカイン産生の変化が認められた. 脾臓リンパ球の各種マイトジェン(Concanavalin A, 抗CD3抗体, lipopolysaccharide) による, もしくは漢方薬 (小柴胡湯, 桂枝茯苓丸, 麻黄附子細辛湯) による幼若化反応は, 小柴胡湯摂取群においてより増強されていた. 小柴胡湯が in vitro, in vivo の双方で示すマイトジェン活性が漢方薬のDLSTに抗原特異的でない影響を与える可能性が考えられた.
  • 多田 俊史, 熊田 卓, 桐山 勢生
    2003 年 44 巻 5 号 p. 204-210
    発行日: 2003/05/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    造影ハーモニックBモード法 (以下, 造影ハーモニック法)による肝限局性結節性過形成 (FNH) の質的診断における有用性を検討した. 対象は臨床的に診断したFNH 5症例5結節で, 各結節において, Bモードエコー法, ドプラエコー法, および造影ハーモニック法の所見を対比した. 造影ハーモニック法は超音波造影剤レボビスト®を使用し, 撮像は血管相 (血管相早期および血管相後期) と後血管相に分けて行った. 結果は, Bモードエコー法では4結節が低エコー, 1結節が等エコーを示し, ドプラエコー法では3結節に放射状の拍動性血流が認められた. また造影ハーモニック法では血管相早期において5結節全例にFNHに特徴的な車軸様血管構築の所見が認められ, 後血管相では全例が周囲肝実質と比べて等エコーを示した. 以上より, FNHの質的診断に対する造影ハーモニック法の有用性が示唆された.
  • 山崎 修, 松山 光春, 堀井 勝彦, 清水 貞利, 上西 崇弘, 玉森 豊, 岡 博子, 木岡 清英, 倉井 修, 川崎 靖子, 中井 隆 ...
    2003 年 44 巻 5 号 p. 211-221
    発行日: 2003/05/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    肝細胞癌748例中, 画像診断で門脈二次分枝より中枢に腫瘍栓がみられた症例は150例 (20%) で, 肝切除は24例 (16%) に施行されていた. 生存期間を短縮する独立因子は1) 肝障害度Cまたは腹水 (+), 2) 腫瘍数4個以上, 3) 肝切除 (-), 4) TAE (-) であった. 肝障害度Cまたは腹水 (+) 53例では肝切除例はなく, 無治療が43%を占めており, 50%生存期間2.3カ月, 1年生存率6%と極めて予後不良であった. 肝障害度AまたはB, 腹水 (-) かつ腫瘍数3個以下では肝切除 (+) 17例中3年以上生存が6例みられ, 1年/3年/5年生存率77%/57%/48%はTAE (+) 15例の33%/20%/13%に較べて良好であった(p=0.0156). しかし, 腫瘍数4個以上では肝切除 (+) 7例中6例が1年以内に癌死しており, 1年生存率14%はTAE (+) 24例の21%に較べて差はなかった. また, 肝切除例では肝静脈腫瘍栓 (+) と単純結節型以外の肉眼形態を持つことが独立した予後不良因子であった.
  • 加藤 道夫, 笠原 彰紀, 吉原 治正, 片山 和宏, 肱岡 泰三, 久保田 真司, 神田 勤, 益澤 学, 林 紀夫
    2003 年 44 巻 5 号 p. 222-229
    発行日: 2003/05/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    IFN治療難治例と考えられる1b型高ウイルスC型慢性肝炎に対するIFN-β3MIU1日2回4週間連日投与後rIFN-α2b 10MIU週3回20週間投与の有用性を, 既報のIFN-β3MIU1日2回4週間連日投与後rIFN-α2b 10 MIU週3回12週間投与を対照に比較検討した.
    IFN-β3MIU1日2回4週間連日投与後rIFN-α2b 10MIU週3回20週間投与における投与終了24週後のHCV-RNA陰性化率は16.7% (3/18) で, HCV-RNA持続陰性化が得られた症例の投与前HCV-RNA量は2.1, 2.2および16.0Meq/mlであった.
    投与終了後12週後のHCV-RNA陰性化率はIFN間歇投与期間20週間群では27.8%(5/18) とIFN間歇投与期間12週間群の15.8% (3/19) に比し高率であった, またALT値正常化率はIFN間歇投与期間20週間群では19例中10例 (52.6%) とIFN間歇投与期間12週間群の18例中3例 (16.7%) に比し有意に高率であり, IFN連日投与後の間歇投与の期間を長くすることにより投与終了後12週までではあるが間歇投与期間の延長効果が認められた.
  • 緒方 俊郎, 神山 俊哉, 松下 通明, 中川 隆公, 髭 修平, 藤堂 省
    2003 年 44 巻 5 号 p. 230-236
    発行日: 2003/05/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    肝細胞癌に対して lipiodol-TAE (以下Lip-TAE) 及びPEIT治療後に門脈腫瘍栓を伴う局所再発を来し, 肝切除を施行した3例を経験したので報告する.
    症例1: 41歳, 男性. 1981年HBV carrier を指摘. 2000年1月, 腹部CTにて肝細胞癌 (S5) と診断, Lip-TAE後追加治療としてPEIT施行. 2001年8月, S5腫瘍近傍に門脈腫瘍栓を伴う再発を来し, 同年10月肝右葉切除施行.
    症例2: 44歳, 男性. 1997年1月, B型肝炎を指摘. 腹部CTにて肝細胞癌 (S2) と診断, Lip-TAE後追加治療としてPEIT施行. 同年8月, S2腫瘍近傍の門脈左枝に腫瘍栓を伴う再発を認め肝左葉切除施行.
    症例3: 50歳, 男性. B, C型慢性肝炎で follow 中の1994年10月, 腹部CTで肝細胞癌(S2, 6) と診断, Lip-TAE後追加治療としてPEIT施行. 1995年5月, S2腫瘍近傍の門脈左枝~本幹に腫瘍栓を伴う再発を認め肝左葉切除施行. 3症例の経過よりLip-TAE, PEITが門脈内腫瘍栓形成に影響を与えた可能性が示唆された.
  • 広岡 昌史, 堀池 典生, 金子 恵理, 阿部 雅則, 道堯 浩二郎, 坪井 敬文, 赤尾 信明, 恩地 森一
    2003 年 44 巻 5 号 p. 237-242
    発行日: 2003/05/25
    公開日: 2009/03/31
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    症例は53歳男性. 狩猟を趣味としており猪肉を生食する機会があった. 平成12年11月の検診で腹部超音波検査にて肝内に多発するSOLを指摘され精査目的で当科に紹介され入院した. 入院時検査所見では白血球, 好酸球, IgEが著明に増加していた. 腹部超音波検査, CT検査, MRI検査で肝内に多発する径1cmまでの結節をみた. SOLに対し超音波誘導下肝生検を施行. 好酸球浸潤を伴う肉芽腫の所見であった. ELISA法にて寄生虫抗体を検査し, 犬回虫に対し陽性であった. 寒天ゲル内二重拡散法では患者血清は犬回虫抗原に対し沈降線をみた. 以上より犬回虫幼虫による肝内への幼虫内臓移行症と診断し, メベンダゾール200mg/日を3週間投与した. 10カ月後の超音波, CT検査では肝内のSOLは消失したが白血球, 好酸球は若干の改善にとどまっている. 肝内に多発する小結節像をみた場合, 本疾患を念頭に置き診療する必要があると考えた.
  • 鈴木 文孝, 池田 健次, 荒瀬 康司, 斎藤 聡, 坪田 昭人, 鈴木 義之, 小林 正宏, 芥田 憲夫, 染谷 貴志, 保坂 哲也, 熊 ...
    2003 年 44 巻 5 号 p. 243-244
    発行日: 2003/05/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
  • 宮崎 慎一, 古山 準一, 水尾 仁志, 杉澤 憲, 草間 敬司, 高橋 麦, 高木 秀雄, 森園 竜太郎, 岡和田 敦, 横倉 基, 田辺 ...
    2003 年 44 巻 5 号 p. 245
    発行日: 2003/05/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
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