肝臓
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57 巻 , 2 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
症例報告
  • 岡野 宏, 前川 直志, 小林 真, 山脇 真, 二宮 淳, 中野 達徳, 浦城 聡子, 田中 秀明, 白木 克哉, 竹井 謙之, 高橋 雅 ...
    2016 年 57 巻 2 号 p. 81-88
    発行日: 2016/02/20
    公開日: 2016/03/03
    ジャーナル フリー
    三重県北中部地域でE型肝炎ウイルス(HEV)genotype 1a株による2例の急性E型肝炎が発生した.1例目は来日後1週間のネパール人で,2例目は三重県在住の日本人であった.二人の患者間に接触はなく,両者から分離されたHEV株の遺伝子解析でも関連性は認められなかった.前者はネパールで感染し,来日後急性E型肝炎を発症した輸入感染症例と考えられたが,後者は発症前約1年間は海外渡航歴がなく,国内感染例と考えられた.1型株の急性E型肝炎国内感染例報告は本邦初と考えられ,国内感染急性E型肝炎の原因として土着株のgenotype 3型株及び4型株だけでなく1型株も考慮しなければならないことが示唆された.国内で発生した急性E型肝炎例についてはgenotypeを解析し,1型株による国内感染例の存在を把握していく事が,防疫上の観点からも重要であると考えられる.
  • 金藤 美帆, 平岡 淳, 相引 利彦, 奥平 知成, 川村 智恵, 山子 泰加, 須賀 義文, 畔元 信明, 森 健一郎, 二宮 朋之, 河 ...
    2016 年 57 巻 2 号 p. 89-96
    発行日: 2016/02/20
    公開日: 2016/03/03
    ジャーナル フリー
    症例は54歳男性.毎年受診していた職場健診エコーで初めて肝内腫瘍性病変を指摘された.血液生化学検査に異常はなく,肝炎ウイルスは陰性.肝S6に周囲に薄い低エコー帯を有する4 cm大の高エコー腫瘤がみられた.造影CTのplainで境界不明瞭な低吸収,動脈相で辺縁が肝実質と同程度に造影されるが内部には造影効果がなく,門脈相で辺縁は周囲と同程度に造影されるが内部に造影効果のない腫瘍として描出された.EOB-MRIの動脈相はCTと同様で,T1で低信号,T2では不均一な高信号を呈し一部液状の成分が疑われた.PET-CTでは腫瘤にFDGの集積はなく,AFP,PIVKA-II,CEA,CA19-9は正常範囲で,寄生虫抗体も陰性であった.診断的治療として肝S6亜区域切除術を行い,腫瘍内部に血腫を伴った高分化型肝細胞癌と診断された.背景肝には炎症や線維化はみられなかった.高分化型肝細胞癌に腫瘍内出血を合併することは稀である.若干の文献的考察を加えて報告する.
  • 五十嵐 悠一, 谷合 麻紀子, 橋本 悦子, 児玉 和久, 小木曽 智美, 鳥居 信之, 徳重 克年
    2016 年 57 巻 2 号 p. 97-105
    発行日: 2016/02/20
    公開日: 2016/03/03
    ジャーナル フリー
    症例1は84歳時に原発性胆汁性肝硬変(primary biliary cirrhosis;PBC)と診断されursodeoxycholic acid(UDCA)投与されたが治療を自己中断.86歳時に発熱と黄疸が出現,肝胆道系酵素,IgG,IgM著明高値,抗核抗体(ANA),抗ミトコンドリア抗体(AMA)陽性より,自己免疫性肝炎(AIH)を合併したと診断.一時肝不全徴候を呈したがpredonisolone(PSL)とazathioprineが奏功し64病日に退院.肝組織は,第30病日に亜広汎壊死,2年後にPBC stage 2を呈した.症例2は76歳時AMA陰性PBCと診断されUDCA内服開始.80歳時に全身倦怠感が出現,肝胆道系酵素,IgG著増,肝組織はPBC stage 2+interface hepatitisを呈しAIHの病像を合併したと診断,PSL投与され著効した.両症例はPSL投与が必須で,示唆に富むと考え報告した.
  • 道免 和文, 山本 麻太郎, 田中 博文, 春野 政虎, 下田 慎治
    2016 年 57 巻 2 号 p. 106-112
    発行日: 2016/02/20
    公開日: 2016/03/03
    ジャーナル フリー
    症例は76歳の男性.発熱,咳嗽を主訴に当科を紹介された.炎症反応の上昇(白血球数17,150 /μl,CRP 3.65 mg/dl)ならびに胸部レントゲンにて左下肺野に浸潤影を認めたため,急性肺炎と診断し,セフトリアキソン(Ceftriaxone,CTRX)2 g/日の静注療法を開始した.投与8日目に右季肋部痛が出現し,AST 587 IU/l,ALT 311 IU/l,ALP 709 IU/lと肝障害を認めた.超音波検査で胆囊内に胆砂,胆泥と壁の肥厚を,CTで胆囊内の高吸収構造物,胆囊壁の肥厚をそれぞれ認めた.CTRXによる偽胆石症による胆囊炎を疑い,抗生剤をアンピシリンナトリウム・スルバクタムナトリウムへ変更した.その後,腹痛は消失し,変更7日目にはAST 46 IU/l,ALT 93 IU/l,ALP 563 IU/lと肝胆道系酵素の低下を認めた.治療終了14日目(CTRX中止22日目)にはAST 27 IU/l,ALT 18 IU/l,ALP 316 IU/lと正常化し,CT上も胆囊内の沈澱物,胆囊壁肥厚は消失した.
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