肝臓
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30 巻 , 4 号
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  • 小林 万利子, 熊田 博光, 池田 健次, 茶山 一彰, 荒瀬 康司, 吉場 朗, 堀井 明美, 松本 豊海, 海上 雅光
    1989 年 30 巻 4 号 p. 403-407
    発行日: 1989/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    1977年4月より1987年6月までに,同一家系内で2人以上組織学的診断が確定したB型慢性肝疾患集族家系30家系のsubtypeを検討したところ,肝生検時のsubtypeが同一の家系が21家系,表現型が異なったsubtypeの家系が9家系に認められた.表現型が異なったsubtype9家系の内訳は,adr型とadwr型が混在した7家系,adr型とadyr型が混在した2家系であった.さらにadwr型およびadyr型の親から生まれた子供のsubtypeを検討したところ,子供のsubtypeは全てadr型であった.
  • 五十嵐 健太郎, 青柳 豊, 鈴木 康史, 小方 則夫, 斉藤 敦, 小黒 仁, 上村 朝輝, 市田 文弘, 刀禰 有紀子, 岡崎 博
    1989 年 30 巻 4 号 p. 408-414
    発行日: 1989/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    肝細胞癌24例を含む各種肝疾患33例の肝組織ホモジェネートにつき,抗ペプチド抗体を用いたウエスタンブロット法にてB型肝炎ウイルスX蛋白の発現様式を検討した.一次抗体はX蛋白領域中の2種類の合成ペプチドを家兎に免疫して作成し,大腸菌に発現させたX蛋白により,その特異性を確認した.2種類の抗ペプチド抗体と一致して反応した肝組織内蛋白すなわち両抗原決定基を有する蛋白は,塩基配列より推定されるX蛋白の分子量の17kDaではなく14kDaであったが,X蛋白の一部が発現されていると仮定し,この蛋白の有無と病態ならびに血中HBVマーカーとの関連を検討した.14kDaのバンドは肝癌(HCC)組織のみに認められ,肝硬変,転移性肝癌,他の肝疾患には認められなかった.HCC 24症例中ではHBs抗原,HBs抗体,あるいはHBc抗体のいずれかが陽性のHBV関与13例中4例に陽性であったが,それ以外のHBV非関与の11例中2例にも陽性であった.
  • 新井 賢, 進藤 道子, 奥野 忠雄, 松本 昌之, 武田 誠, 瀧野 辰郎, 宗川 吉汪
    1989 年 30 巻 4 号 p. 415-422
    発行日: 1989/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    非A非B型慢性肝炎患者17例にIFN治療を施行し,末梢血リンパ球(PBMC)および血清中の2'-5' oligoadenylate synthetase (2-5AS)活性を測定した.IFNは,IFN-α or-β,100万~300万IU/dを4週~7週間投与した.PBMCおよび血清中の2-5AS活性は,IFN投与前は健常人とほぼ同レベルを示したが,IFN投与中,投与前値の2~82倍に上昇した.投与中の2-5AS活性の動態はB型慢性肝炎と比較して大きな差を認めず,非A非B型慢性肝炎のIFN治療のモニタリングに応用可能と考えられた.また,IFN投与中にALTが正常化したものは10例で,非正常化例は7例であった.これら両群間で,IFN投与前および投与中のPBMCと血清中の2-5AS活性を比較したところ,IFN投与直前の2-5AS活性が正常化群より非正常化群で高い傾向にあった.このことから,非正常化群ではIFN投与前に既に内因性のIFN systemが作動しており,外部からのIFN投与に抵抗する可能性が示唆された.
  • 茶山 一彰, 熊田 博光, 池田 健次, 荒瀬 康司, 斉藤 聡, 海上 雅光, 松本 豊海, 小林 万利子
    1989 年 30 巻 4 号 p. 423-428
    発行日: 1989/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    ステロイド離脱療法を施行した20例のe抗原陽性B型慢性活動性肝炎のpolymerized human serum albumin receptor活性(PAR),を治療前から経時的に測定し,その変動と治療効果との関係について検討した.ステロイド投与開始直前のPARが2U/L以上90U/L未満の14例では,PARは投与開始後上昇し,投与3週間目に最高値となり,リバウンド現象とともに急速に低下した.この14例では11例(79%)と高率にe抗原消失が得られた.中でもPARが上昇傾向のときに投与を開始した5例では全例でe抗原が消失した.しかし投与前のPARが2U/L未満の4例及び90U/L以上の2例では,ステロイド投与に伴うPARの上昇はみられず,e抗原消失は前者4例中2例(50%),後者2例中なしと低率であった.以上よりPARを経時的に測定し,その値が2U/L以上90U/L未満で,しかも上昇傾向の時期にステロイド投与を開始すれば,最も高率にe抗原陰性化が得られるものと考えられた.
  • 上野 隆登, 鳥村 拓司, 犬塚 貞孝, 石井 邦英, 吉武 正男, 向坂 彰太郎, 吉田 博, 安倍 弘彦, 谷川 久一, 長田 英輔
    1989 年 30 巻 4 号 p. 429-438
    発行日: 1989/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    各種肝疾患95例における血清タイプIIIプロコラーゲンNペプチド(PIIIP)やラミニン値の変動と肝生検組織における肝線維化,細胞浸潤および巣状壊死の程度,タイプIIIコラーゲンやラミニンの分布およびその産生細胞を観察し,さらに血清PIIIP,ラミニン値が肝線維化のマーカーになり得るか否かを検討した.血清PIIIPは活動性の肝病変を呈する疾患で高値を呈し,肝細胞障害に伴なうタイプIIIコラーゲンの形成を反映するものと思われた.また,血清ラミニンは肝線維化の高度な肝疾患例で高値を呈し,基底膜形成の増加をよく反映するものと思われ,血清PIIIPとラミニンを同時に測定することは,肝疾患の活動性,線維化の形成および程度の判定に有用と思われた.また,タイプIIIコラーゲンは伊東細胞,肝細胞,内皮細胞や線維芽細胞,ラミニンは内皮細胞,伊東細胞,肝細胞および胆管上皮細胞などにより産生されることが示唆された.
  • 内田 重行, 北見 啓之
    1989 年 30 巻 4 号 p. 439-443
    発行日: 1989/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    薬剤アレルギー性肝障害の起因薬剤を同定し,診断を確定するためにリンパ球刺激試験(LST)が広く行われているが,報告者によりその陽性率にはかなりの差異がみられている.今回はその原因を追究するため,percentile法によりLSTの正常範囲を検討したところ,Stimulation Index 1.81以上が陽性と判断され,現在までの報告より陽性率の向上が期待された.さらにLSTにおける至適添加薬剤濃度をhalothane, tiopronin, methyldopaによる薬剤アレルギー性肝障害症例において検討した結果,methyldopaでは狭い範囲の至適濃度を示し,halothaneとtioproninでは広い範囲を示した.PHAあるいはCon A刺激によるリンパ球芽球化反応および自己血漿の芽球化抑制因子のLSTに及ぼす影響を検討したが,これらは無視できる範囲と考えられた.以上の結果からLSTは特異性と信頼性の高い検査法と考えられた.
  • 大竹 喜雄, 平澤 博之, 菅井 桂雄, 織田 成人
    1989 年 30 巻 4 号 p. 444-449
    発行日: 1989/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    肝保存時にCollins液(C)に加えてATP, allopurinol (AL), oxygen free radical scavengerであるsuperoxide dismutase (SOD)及びcatalase (CAT)等を単独であるいはこれを組み合わせて投与し,肝移植時に問題となるischemic及びreperfusion injuryの発症機序とその対策について肝潅流法を用いて検討した.ATPとALの併用群のみがcontrol群であるC群に比し,glucose産生,胆汁産生,肝のwet/dry weight, Na/K, energy chargeにおいて,有意の改善をみた.AL単独及びSOD/CATが無効であることよりhypothermic ischemic及びreperfusion injuryの発症においてoxygen free radicalは重要な役割を果たしていないことが示唆された.また,ATP併用によるALの有効性の機序はoxygen free radical産生防止によるものでなく,ATPの不可逆性の崩壊を防止することにより温存されたpurineがsalvage pathwayによりATPに再合成されるためと推察された.
  • 水野 恭嗣, 鵜浦 雅志, 早川 康浩, 稲垣 豊, 森岡 健, 小林 健一, 服部 信, 中沼 安二
    1989 年 30 巻 4 号 p. 450-458
    発行日: 1989/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    症候性原発性胆汁性肝硬変症(s-PBC) 15例を対象として,その予後,治療法に関する臨床病理学的検討を行った.血清総ビリルビン値が初めて3mg/dlを越えてからの生存期間と各種病理学的因子の間に明らかな関連は示されなかったが,死亡例11例中9例に上部消化管出血を認め,全例出血後短期間で死亡したことから,上部消化管出血の予防及び治療はs-PBCの予後を決定する因子として重要と思われた.また,血漿交換療法(PE),食道離断,食道静脈瘤硬化療法などの積極的治療を試みた群の平均生存期間は47.8±9.0ヵ月であり,非施行群の17.4±5.0ヵ月に比し延長しており,その差は有意であった.なお積極的治療中の生存例4例の生存期間は現在23~60ヵ月である.一方,PEの方法について,二重濾過法及び単一濾過法の比較を行い,両者間で血液生化学的変化に明らかな差を認めなかったことから,副作用の予防を考え,可能な限り二重濾過法が望ましいと思われた.
  • 竹川 節男
    1989 年 30 巻 4 号 p. 459-467
    発行日: 1989/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    肝虚血時の細胞障害の発生機序について活性酸素の動態とその消去系の変動の両面より検討を行なった.ラットを用いて肝動脈および門脈の血流を遮断した後再開通させ肝静脈より採取した血液の血清GPT, ADH活性と白血球刺激時のChemiluminescence (ChL) activity,および肝の過酸化脂質量,glutathione量,SOD活性を測定した.45分間の肝血流遮断後15分間の血流再開通により血清GPT, ADH活性は有意に上昇した.その際のChL activityは上昇しており,また肝過酸化脂質量も増加を認め虚血,血流再開通による活性酸素産生の亢進が示唆された.また肝のglutathione量,SOD活性は低下した.さらに活性酸素消去剤であるSOD, catalaseの投与により肝虚血,血流再開通時の血清GPT, ADH活性の上昇は抑制され,虚血時の肝障害の発生機序に活性酸素が重要な役割を担っていることが示唆された.
  • 井上 泰, 志賀 淳治, 町並 陸生
    1989 年 30 巻 4 号 p. 468-476
    発行日: 1989/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    超音波断層法による肝内微小結節性病変の質的診断能を向上させる為に,ホルマリン固定剖検肝を用い超音波断層面にほぼ完全に一致した肝臓断面を作成し,一対一対応により超音波断層像の病理組織学的成り立ちを解析した.対象は15mm以下の肝内微小癌病変12結節(原発性肝癌4結節,転移性肝癌8結節)である.超音波断層像上の結節の大きさは平均8.4×7.5mm,肝臓断面上の大きさは平均8.2×8.0mmで1mm以下の誤差でほぼ完全に一致した.
    結果は以下のとおりである.
    (1) 癌細胞の充実性胞巣はhypoechoicであった.
    (2) 肝癌結節の中にhyperechoicなものがみられたが,脂肪変性,壊死,洞様血管拡張はみられず他の原因の存在が示唆された.
    (3) 繊維性間質,scar,凝固壊死はisoechoic,出血,出血性壊死,脂肪変性,拡張リンパ管集簇,変性肝細胞層はhyperechoicであった.
  • 森田 穣, 齋藤 博哉, 安友 紀幸, 奥芝 俊一
    1989 年 30 巻 4 号 p. 477-483
    発行日: 1989/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    肝動脈瘤に対する経動脈カテーテル塞栓術(以下塞栓術)について,自験5例を含めた本邦報告69例を集計し,塞栓術の適応,手技上の要点,合併症,治療成績の問題点に考察を加えた.治療法の選択と密接な関係にある発生原因,発生部位は,医原性の増加により外傷性,肝内動脈に多く,診断に引き続いて施行可能な塞栓術の適応は拡大している.他部位との吻合のない実質臓器動脈では中枢のみの塞栓で永久治療効果が得られるのでsteel coilを用いSpongel角片で補填する方法が最も有効である.留意すべきは胃十二指腸動脈切断時の総肝動脈,固有肝動脈の塞栓で下横隔膜動脈を主体とする側副路の確認が必要であり,balloon閉塞下外科手術の適応となる場合もある.最も問題となるのは,止血効果が良好な予後に直結しないことであるが,短時間で急速な止血効果の得られる塞栓術は外科治療に先だって考慮すべき方法である.
  • 柴山 隆男, 高橋 元一郎, 前田 義治, 林 星舟, 瀬戸岡 俊一郎, 天木 秀一, 大竹 寛雄, 田中 慧, 青木 茂樹, 鈴木 謙三
    1989 年 30 巻 4 号 p. 484-491
    発行日: 1989/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    症例は76歳,男性.肝細胞癌の診断で肝右葉後区域部分切除術を施行し,約1年後に術後再発を認めtranscatheter arterial embolization (TAE)を繰り返した.第4回TAE(第2回Lipiodol-TAE: Lip-TAE)施行約5時間後より意識障害が出現し,翌日の脳CTで,脳転移及び転移巣内にlipiodol ultra-fluide (Lipiodol)沈着が疑われた.約10日後(術後3年4ヵ月後),患者は呼吸不全にて死亡した.剖検により,意識障害は脳転移部位の出血および腫瘍細胞とLipiodolによる多発性脳梗塞が原因と考えちれた.また直接死因は間質性肺炎と診断され,この原因もLipiodolとの関係が示唆された.本症例のLipiodolの大循環系への流入原因は,下横隔膜動脈-肺静脈吻合が存在したためと考えられた.
    下横隔膜動脈からのLip-TAEに際しては,この吻合の有無に注意するとともに,肝動脈へのLipiodol注入量も必要最小限に留めるべきと考えられた.
  • 橋本 和明, 山本 隆一, 芝山 雄老, 中田 勝次, 和田 正英
    1989 年 30 巻 4 号 p. 492-495
    発行日: 1989/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    肝炎(HBsAg+, HBsAb-, HBcAb+, HBeAg-, HBeAb+)から始まり,その後各種自己抗体陽性の関節リウマチをおこし,さらに8年後に食道静脈瘤破裂によって死亡した62歳女性の特発性門脈圧亢進症(IPH)の剖検例を経験した.本症例では肝炎がIPHの引金になったのではないかと考えられ,またIPHの発病過程に何らかの免疫学的異常が関与しているのではないかと考えられた.
  • 増本 陽秀, 山本 文昭, 高橋 光, 古賀 俊逸, 名 和田新
    1989 年 30 巻 4 号 p. 496-501
    発行日: 1989/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    42歳男性.飲酒歴清酒換算3~5合/日×20年間.6年前,アルコール性肝障害およびB型肝炎ウイルスキャリアと診断されたが放置.昭和62年8月10日ごろより食事を殆ど摂取せずに1日清酒約10合の飲酒を続けた.同年9月11日,全身倦怠感,悪心,嘔吐,腹痛を訴え入院.黄疸,発熱,著明な肝腫大,右季肋部圧痛と顔面および下腿の浮腫を認め,諸検査の結果からアルコール性肝炎と診断した.また腹部超音波検査で肝内に多発性のhyperechoic noduleを,腹部CTでは肝内に多発性のlow density areaを認めた.肝腫瘍を疑い精査したが,腹腔動脈造影では腫瘤陰影を認めなかった.禁酒と安静加療により肝機能は急速に改善し,入院1ヵ月後肝内腫瘤像は完全に消失した.以上より,アルコール性肝炎に併発した限局性脂肪肝と考えられた.
  • 井本 勉, 松井 俊二郎, 小島 隆, 井上 恭一, 佐々木 博, 大矢 美香子, 松本 秀敏, 倉田 毅
    1989 年 30 巻 4 号 p. 502-503
    発行日: 1989/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 清水 恵一郎, 永森 静志, 藤瀬 清隆, 蓮村 哲, 本間 定, 筋野 甫, 松浦 知和, 新谷 稔, 亀田 治男
    1989 年 30 巻 4 号 p. 504-505
    発行日: 1989/04/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
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