肝臓
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56 巻 , 6 号
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原著
  • 大枝 敏, 岩根 紳治, 前山 恵士郎, 藤井 進, 古川 尚子, 貞永 丈仁, 岩崎 亮二, 江口 有一郎, 安西 慶三
    2015 年 56 巻 6 号 p. 273-279
    発行日: 2015/06/19
    公開日: 2015/06/29
    ジャーナル フリー
    佐賀県では2012年より佐賀県健康増進課と佐賀大学が協同で肝疾患データベース(DB)を構築してきた.このDBを用いて佐賀県のC型肝炎ウイルス(HCV)陽性者の現状を解析した.解析対象はHCV陽性者2460人,治療費助成受給者3110人.HCV陽性者の出生年は治療費助成受給者に比べ早く高齢化が進んでいた(1944±12年 vs. 1952±12年,p<0.001).治療費助成受給者における1939年以前出生の割合はHCV陽性者における割合に比べ低く高齢者の治療が進んでいないことが明らかとなった(11.5% vs 38.6%,p<0.001).治療法別では経口2剤治療登場後,1939年以前出生の割合が有意に増加しており高齢者の治療ハードルが下がっていることが読み取れた.治療の進歩に伴い未治療者のみならず既治療者も高齢化が進んでいくことが予想される.このことを踏まえた肝炎・肝がん対策が必要である.
症例報告
  • 岩本 剛幸, 福田 和人, 澤井 良之, 小来田 幸世, 井倉 技, 大西 孝典, 八木 麻衣, 谷 瑞季, 安岡 秀高, 岡部 純弥, 山 ...
    2015 年 56 巻 6 号 p. 280-288
    発行日: 2015/06/19
    公開日: 2015/06/29
    ジャーナル フリー
    症例は59歳,男性.C型肝炎にて加療中にS6の2 cm大の肝細胞癌(HCC)が発見され,マイクロ波凝固療法を他院にて施行したが肝内多発再発を認め当院に紹介となった.肝動脈化学塞栓療法,sorafenib,リザーバー肝動注化学療法(low-dose FP療法),肝動注化学療法(CDDP),S-1内服投与を繰り返し行うも腫瘍は増大傾向でAFP 84352 ng/ml,PIVKA-II 25700 mAU/mlまで腫瘍マーカーも上昇した.ペグインターフェロン(Peg-IFN)α-2a 180 μg週1回投与を開始しAFP,PIVKAIIとも低下傾向を示し,9カ月後にはAFP 368 ng/ml,PIVKAII 123 mAU/mlまで低下した.画像上も肝内腫瘍濃染の消失を認め,経過中に見られた肺転移もPeg-IFNα-2a治療開始11カ月後のCTでは消失した.しかし,S3の3 cm大のHCC再発を認めたため,肝左葉外側区域切除術を施行しAFP/PIVKAIIは正常化した.Peg-IFNα-2a単独投与を含む集学的治療が奏功した進行肝細胞癌の1例を経験した.
  • 高岡 良成, 森本 直樹, 渡邊 俊司, 廣澤 拓也, 津久井 舞未子, 大竹 俊哉, 宮田 なつ実, 藤枝 毅, 長嶺 伸彦, 眞田 幸弘 ...
    2015 年 56 巻 6 号 p. 289-295
    発行日: 2015/06/19
    公開日: 2015/06/29
    ジャーナル フリー
    症例は22歳女性.胃腸炎症状で腹部超音波検査施行した際,肝左葉外側区域に10 cm大の肝腫瘍を指摘され,精査目的で入院.肝機能は正常,HBV,HCVの肝炎ウイルスマーカー,腫瘍マーカーは陰性で,各種画像検査から肝細胞腺腫,血管腫,限局性結節性過形成などの良性多血性肝腫瘍が疑われたが,大きさや出血のリスクを考慮して拡大肝左葉切除術を施行した.病理組織学的検査では腫瘍内に短紡錘性細胞が索状に増生し,血管周囲性の配列やわずかに脂肪成分も見られた.免疫染色ではHMB-45陽性であり,主腫瘍周囲にも同様の結節が散見されたことから多発性の肝血管筋脂肪腫と診断した.肝血管筋脂肪腫は血管,筋,脂肪から成る肝良性腫瘍で,脂肪成分を含む割合が様々であり,画像診断が困難なことがある.多発性の肝血管筋脂肪腫は稀であり,若干の文献的考察を加えて報告する.
  • 徳満 純一, 原口 雅史, 市川 辰樹, 田浦 直太, 宮明 寿光, 柴田 英貴, 三馬 聡, 日高 匡章, 高槻 光寿, 江口 晋, 中尾 ...
    2015 年 56 巻 6 号 p. 296-302
    発行日: 2015/06/19
    公開日: 2015/06/29
    ジャーナル フリー
    症例は43歳,女性.26歳時にHCV抗体陽性を指摘され,41歳時にC型肝硬変と診断される.2013年5月に肝機能増悪(Child-Pugh score:12点)を認めたため,同年8月に生体肝移植目的で当科入院となった.入院4日前からの歯肉出血の訴えがあり,入院時血小板数2000/μLと著明な減少を認めた.種々の検査にて骨髄内の巨核球数増加,血小板関連IgG(PAIgG)高値を認めたため,C型肝硬変に合併した特発性血小板減少性紫斑病(ITP)の診断となった.免疫グロブリン大量療法及びRituximab点滴を施行したところ血小板数は75000/μLへと速やかに改善.予定通り治療開始9日後,生体肝移植及び脾摘術が施行され術後血小板数は20万/μLと良好に経過し現在観察中である.本邦では,生体肝移植前に急性発症したHCV感染合併ITP症例については報告例がなく,文献的考察を含めて報告する.
短報
  • 相川 達也, 上野 ちさと, 菊池 陽子, 津田 文男, 岡本 宏明
    2015 年 56 巻 6 号 p. 303-305
    発行日: 2015/06/19
    公開日: 2015/06/29
    ジャーナル フリー
    The distribution of hepatitis C virus (HCV) serogroup and possible transmission route was investigated in 445 HCV-infected patients in a city hospital in Mito, Japan, during 2006-2014. The proportion of HCV serogroup 1 (SG1) was higher (65.2%) in the age group of ≥50 years (n=333), while the percentage of HCV serogroup 2 (SG2) was higher (65.2%) in the age group of <50 years (n=112) (p<0.0001). Blood transfusion/surgery and acupuncture as assumed transmission routes were frequent in the aged group, while tattooing, injection drug use (IDU) and piercing was frequent in the younger group. Of note, in the younger group, tattooing was associated with SG1, while IDU and piercing were frequently seen in patients with SG2. Significant changes in the distribution of HCV serogroup were observed, most likely due to the marked decrease of transfusion-transmitted HCV infection. Continued risk of HCV infections via tattooing, IDU and piercing should carefully be surveyed.
  • 森本 直樹, 礒田 憲夫, 渡邊 俊司, 大竹 俊哉, 津久井 舞未子, 宮田 なつ実, 廣澤 拓也, 村山 梢, 高岡 良成, 岩下 ちひ ...
    2015 年 56 巻 6 号 p. 306-308
    発行日: 2015/06/19
    公開日: 2015/06/29
    ジャーナル フリー
    We studied intraperitoneal bleeding in laparoscopic bipolar radiofrequency ablation (RFA) for hepatocellular carcinoma and feasibility of needle tract cauterization (NTC), retrospectively. Patients treated with laparoscopic RFA divided into three groups: (1) using monopolar RFA, (2) using bipolar RFA before and (3) after modification of NTC method. Age, gender, platelet count, prothrombin time and Child-Pugh score were equal in each group. Though NTC was performed in all procedures, bleeding from needle tract was observed in 7/41 (17.1%) in monopolar group, 20/39 (51.3%) in bipolar group and 10/49 (20.4%) in bipolar with modified NTC group (P<0.002). Careful attention and appropriate treatment to intraperitoneal bleeding are required in bipolar RFA using thick and plural applicators.
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