肝臓
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44 巻, 3 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 持田 智
    2003 年44 巻3 号 p. 89-91
    発行日: 2003/03/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
  • 庄子 賢, 菊地 廣行, 関口 悟, 大河内 信弘, 里見 進
    2003 年44 巻3 号 p. 92-102
    発行日: 2003/03/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    硬変肝切除時のエネルギー代謝の特徴は脂肪酸酸化の亢進であるが, 効率良く脂肪酸酸化が行われるためには糖原性基質が必要である. 一方, 肝硬変では耐糖能異常が認められ, グルコースの使用には制限がある. グルコースに代替する糖原性のエネルギーの基質としてピルビン酸が挙げられる. 本研究では硬変肝切除時のピルビン酸投与の有効性につき, ラットを用いて実験を行った. 正常ラットの肝切除時におけるピルビン酸の投与効果を検討した結果, 肝再生速度が早いことが認められた. 次に, 肝線維化ラットの肝切除時においてピルビン酸の投与効果を検討した結果, 血中総蛋白濃度の回復が早く, 肝機能の改善効果が認められた. 以上の結果より, ピルビン酸はラットの肝切除術後早期において, 脂肪酸酸化を促進し, エネルギー代謝を改善させて異化期の状態を速やかに同化期の状態に移行させる, グルコースに代替可能な優れた基質であることが示された.
  • 小西 一郎, 堀池 典生, 河相 恵子, 熊木 天児, 道堯 浩二郎, 田中 美和, 加藤 壽一, 恩地 森一
    2003 年44 巻3 号 p. 103-108
    発行日: 2003/03/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    C型急性肝炎10例に対しIFN治療を行った. 対象の年齢は22~56歳. 男性2例, 女性8例. 感染経路は針刺し事故5例, 感染経路不明5例. 診断時の肝組織所見は, 肝生検を施行した9例全例で急性肝炎であった. 治療としてIFNβ投与を6例, IFNα投与を4例に行った. 初回IFN投与で10例中, 8例 (80%) が著効 (CR) となった. 無効 (NR) の2例は, IFN再投与にてCRに至った. この2例は共にHCVセロタイプは1で, HCV RNA量はそれぞれ360, 280KIU/mlであった. この2例の初回IFN投与はそれぞれ天然型IFNα4週間 (総投与量180MU), IFNβ4週間 (総投与量168MU) 投与であり, 他の初回治療CR例と比較し投与期間が短く, 総投与量は少なかった. C型急性肝炎に対する治療においては, 必要十分な総投与量 (250MU以上) のIFN投与が必要であることが示唆された.
  • 塙 直子, 永山 亮造, 高森 頼雪, 栗原 裕子, 高柳 もとえ, 立澤 英貴, 滝川 一, 福島 純一, 福里 利夫, 志賀 淳冶
    2003 年44 巻3 号 p. 109-112
    発行日: 2003/03/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    中国製ダイエット用健康食品「茶素減肥」による急性肝障害の1例を経験した. 症例は55歳女性. 2002年6月26日より中国製ダイエット用健康食品「茶素減肥」を使用し6日目から全身倦怠感が出現したため当院入院となった. 入院時検査では, 好酸球数, トランスアミナーゼ, 胆道系酵素の上昇を示し, 健康食品による急性肝障害と診断した. 肝組織では門脈域に強い炎症細胞浸潤がみられ, とくに好酸球の浸潤が目立った. 健康食品の使用中止のみで肝障害は改善した. 本症例の肝障害にはアレルギーが関与していると考えられた.
  • 神代 龍吉, 日野 照子, 古賀 郁利子, 久持 顕子, 有松 秀敏, 桑原 礼一郎, 久米村 寛大, 井出 達也, 田中 英介, 佐田 通 ...
    2003 年44 巻3 号 p. 113-116
    発行日: 2003/03/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    症例は43歳, 女性で中国製やせ薬の糸干之素月交嚢 (センノモトコウノウ) を約20日間服用した後に, 軽度の黄疸を伴う肝炎を発症した. 自己免疫性肝炎や肝炎ウイルスは諸検査上, 否定的であった. 血清総ビリルビン最高値は4.0mg/dl, AST最高値は899U/l, ALT最高値は1664U/lでプロトロンビン時間の延長はなかった. 保存的療法で黄疸は速やかに消失したが, 血清ALTは正常化に3カ月を要した. 肝生検では肝細胞の巣状壊死, 門脈域へのリンパ球浸潤, 類洞壁細胞の活性化を見た. 同薬物のリンパ球幼弱化反応は陰性で薬剤アレルギーを示唆する皮疹, 好酸球増多はなかった. チトクロームP450 2C 19遺伝子型は2/3で poor metabolizer に相当していた. 同薬物を購入した4人中1人だけが肝炎を起こしたことから, この薬による肝障害の発生機序には個人差があると思われた.
  • 古賀 裕之, 田口 順, 石井 邦英, 井上 欣哉, 佐藤 公昭, 實藤 俊昭, 梶原 雅彦, 安倍 弘彦, 神代 龍吉, 佐田 通夫
    2003 年44 巻3 号 p. 117-122
    発行日: 2003/03/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    患者は19歳女性. 中国製ダイエット食品「商品名; センノモトコウノウ」を服用開始3カ月後, 全身倦怠感, 食欲低下, および眼球黄染を自覚し, 平成13年8月14日当院受診. 血液生化学検査で, T. Bil 8.7mg/dl, AST 1647U/l, ALT 1583U/l, PT 60.5%を示し, 急性肝炎の疑いで入院. 肝庇護治療にもかかわらず, 入院15日目 (発症後22日目) にT. Bil 19.8mg/dlと上昇, PT 35%と低下, 肝性脳症II度を呈し, 劇症肝炎亜急性型と診断し, ステロイドパルス療法を開始. その後, 肝機能は徐々に改善を認めた. 本症例は入院4日目に施行した肝生検の組織像で, 高度の薬物性肝障害の所見を呈していた. また, 各種肝炎ウイルスマーカーは陰性で, センノモトコウノウに対してのリンパ球幼若化刺激試験が陽性であったことより, 薬物性の劇症肝炎亜急性型と診断した.
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