肝臓
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24 巻, 2 号
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  • 渡辺 精四郎, 西岡 幹夫, 沖田 極, 荻野 昌昭, 村田 誠, 安藤 啓次郎, 坪田 若子, 沼 義則, 野田 健一, 児玉 隆浩, 竹 ...
    1983 年 24 巻 2 号 p. 123-130
    発行日: 1983/02/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    2-Fluorenylacetamide (2FAA)投与ラットを用いて肝発癌過程におけるEpoxidehydrolase (EH), γ-glutamyl transpeptidase (γ-GTP)およびα-fetoprotein (AFP)の推移を免疫組織化学的に検討した.その結果,2FAA投与初期から肝にこれら蛋白の変化が見られ,過形成性結節において細胞形質の偏倚が漸次増強されてゆくことが示唆された.肝癌と過形成性結節双方において,部分的に3者共に陽性を示したことから,形質発現の面から過形成性結節の前癌性病変としての意義が確認された.癌への進展を解析するにあたり,EH,γ-GTP, AFPは有用な指標であると考えられた.
  • 形態像及び血清γ-GTP値との比較検討を含めて
    田中 貢, 海原 純子, 高木 敬三, 下田 忠和, 石川 栄世, 田中 寿子, 銭谷 幹男, 秋庭 真理子, 藤沢 洌, 亀田 治男
    1983 年 24 巻 2 号 p. 131-137
    発行日: 1983/02/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    肝細胞癌の組織分類は数多いが,その何れもが純形態学的観点に基いたものである.著者らは,肝細胞癌86症例についてγ-GTP活性に関する組織化学的検索を行い,腫瘍細胞形質面からの分類を試み,更に一般形態像及び血清値との比較検討を行った.腫瘍細胞の示すγ-GTP活性から肝細胞癌を4型に分けた.腫瘍細胞にγ-GTP活性を見るI, II, III型は,それぞれ活性部位,強さに違いはあるが,86例中76例約85%を占め,血清値とも高い相関を示した.又,IV型とした13例約15%は,腫瘍細胞に殆んど活性は認められず血清値も低い症例が多く見られた.Edmondsonのgradingとの比較では,I型及びII型がGrade IIに一致し,III型及びIV型はそれぞれGrade III及びIVに一致すると考えられた.しかし血清値と相関しない症例や,各型の混在する症例も見られ,肝細胞癌の一症例がすべて一様な分化度の腫瘍細胞から構成されているのではないことが明らかにされた.
  • 山田 拓司, 福井 博, 伊藤 秀次, 植村 正人, 松村 雅彦, 喜多 公雄, 花田 一宏, 田村 雅宥, 辻井 正, 岡本 康幸, 松森 ...
    1983 年 24 巻 2 号 p. 138-148
    発行日: 1983/02/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    D-galactosamine (GalN)投与家兎を用いて,急性肝不全に伴う腎不全の発症機転ならびに病態について検討した.GalN 1g/kg静注後,家兎は急性肝不全に陥り,経過中高率にDIC,腎不全を合併した.GalN投与24時間後には,腎血流のcorticomedullary shiftを認め,時間の経過とともに機能的腎不全から急性尿細管壊死に進展する傾向がみられた.この際,尿細管障害は糸球体血栓合併例に著しかった.血中endotoxin (Et)検出率は90%に達し,Et陽性・強陽性例は陰性・疑陽性例に比して腎皮質血流量が有意に低値(p<0.005)をとり,腎不全発現にEtの関与が示唆された.一方,Et注入実験(3mg, 30mg/kg)では,腎血流動態は凝固活性化の程度に応じてさまざまな様相を呈した.このことから,GalN急性肝不全における腎血流のcor-ticomedullary shiftの発現には,Et以外にも他の何らかの因子が関与している可能性が推測された.
  • 樋口 清博, 小島 隆, 青山 圭一, 松井 俊二郎, 康山 俊学, 紺田 健彦, 柴田 貢, 市田 隆文, 中野 護, 井上 恭一, 佐々 ...
    1983 年 24 巻 2 号 p. 149-160
    発行日: 1983/02/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    無症候性HBs抗原キャリアーにA型肝炎の重感染した3症例を対象に,その急性期,回復期および治癒期における肝組織中のHBV関連抗原の変動を,ペルオキシダーゼ標識Protein Aを用いた酵素抗体間接法により検索し,血中のHBV関連抗原抗体系の変動と比較検討した.肝組織内HBs抗原陽性肝細胞数は急性期に著減あるいは消失したが,回復期および治癒期には増加し,血中のHBs抗原価の変動とほぼ同様の傾向を示した.さらに血中のHBe抗原陽性の1例においては,肝組織内HBe抗原およびHBc抗原は,急性期および回復期に減少し,治癒期に増加したが,血中のHBe抗原価はほぼ一定であった.以上よりA型肝炎罹患時の血中HBs抗原価の変動は肝組織内のHBs抗原量の変化を反映しているものと考えられたが,HBe抗原に関しては,血中と肝組織内の抗原量の変動は必ずしも一致しなかった.
  • 奥野 忠雄, 佐野 敦, 出口 武司, 勝馬 芳徳, 中嶋 俊彰, 小笠原 孟史, 岡上 武, 瀧野 辰郎
    1983 年 24 巻 2 号 p. 161-166
    発行日: 1983/02/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    過去5年間に経験した194例の急性ウイルス性肝炎を対象に,肝生検が施行された100例(A型21例,B型37例,非A非B型42例)のうち,門脈域の著明な拡大を認めたのはA型肝炎5例,B型肝炎14例,非A非B型肝炎13例の32例(32%)であった.平均年齢は40.7歳で男性18例,女性14例であった.A型肝炎およびB型肝炎の全例と非A非B型肝炎の10例が発症後30から180日以内に肝磯能検査値が正常化した.非A非B型肝炎の3例が発症後6カ月以後も肝機能検査値の異常が持続し,うち2例で再生検が施行され慢性肝炎活動性と診断された.門脈域病変の検討より門脈域の著明な拡大,胆管増殖,胆管の異常,piecemeal necrosis等を認める例が必ずしも慢性化するとはかぎらず,ウイルスの持続感染が慢性化と密接な関係があることが推測された.
  • 宮田 康司, 古賀 俊逸, 井林 博
    1983 年 24 巻 2 号 p. 167-173
    発行日: 1983/02/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    肝胆道疾患患者における高比重リポ蛋白(HDL)分画中のアポ蛋白E(アポE)の異常出現をSDS-polyacrylamide電気泳動法にて半定量的検討を行なった.その結果,HDLアポE異常出現は急性肝炎20例中10例,肝癌5例中2例および閉塞性黄疸3例中2例で認められ,慢性肝炎および代償性肝硬変症例では認められなかった.特に顕著なHDLアポE異常出現は重症型急性肝炎および末期肝癌症例で認められた.HDL分画中のアポEの増加は顕著な低HDL血症,高ビリルビン血症,高アルカリ性ホスフアターゼ血症などとともに観察されることが多かった.肝障害時のHDLアポEの出現はlecithin:cholesterol acyltransferase (LCAT)活性低下やアポEの生成などを反映するHDL代謝異常と考えられた.
  • 湯川 進, 味村 啓司, 木下 正博, 前田 孝夫, 森 一雄, 山本 尚夫, 辻岡 悦二, 小川 章夫, 川野 恵造, 野本 拓
    1983 年 24 巻 2 号 p. 174-181
    発行日: 1983/02/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    非代償性肝硬変症における血清LDLおよびHDL分画を密度勾配超遠心法により分画分析し以下の結果をえた.i)患者のリポ蛋白プロフイルではLDLおよびHDL2はともに軽い比重に移行し,HDL3の明確なピークは認められなかった.ゲル濾過法による分析でもそれはより大きなリポ蛋白であることが確認された.ii)構成成分の比率では対照に比べ患者では全亜分画で中性脂肪,HDL分画で燐脂質がともに有意の増加を示した.また,LDLおよびHDL2,ことにLDL分画でのエステルコレステロールの低下が著明であった.iii)患者のHDL2のアポA-I/A-II比は対照に比べ有意な高値を示し,血清のその比をよく反映していた.また,血清LCAT活性も有意に低値であった.iv)患者のリポ蛋白中のアポ蛋白中の分布ではアポA-IとアポBがLDLとHDL2の間で相互移行しているのが認められた.
  • 今井 俊積
    1983 年 24 巻 2 号 p. 182-192
    発行日: 1983/02/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    経口避妊薬投与による肝癌の発生を検索する目的で本研究を行った.生後4週齢Wistar/JCL雌ラットを用い合成女性ホルモンethynylestradiol 0.075mg及びnorethindroneacetate 6mgを0.5mlのolive oilに溶解して,これを硬性胃ゾンデにより強制的に連日経口投与し,2カ月毎に犠牲剖検して1年間にわたり肝病変を検索した.ホルモン投与後2カ月目ではperiportal areaの肝細胞にγ-GTP aseが誘導されるのみで過形成結節の発生はなく,4カ月目より全例の肝に過形成結節の発生を認め,以後投与期間の延長とともにその数及び面積が増加した.さらに8カ月目,10カ月目,12カ月目にそれぞれ1/10(10%),1/10(10%),1/18(5.6%)のラットに肝腫瘍の発生を認め組織学的にはいずれも高分化型肝細胞癌であった.また合成女性ホルモンを同様に1年間投与した後,投与を中止すると肝に発生した過形成結節は次第に消失した.以上より経口避妊薬は単独で肝癌を発生せしめ,かつそのinitiatorとなりうることが示された.
  • 中村 正坂, 坂田 研明, 山本 哲郎, 上田 啓司, 神原 武, 土亀 直俊, 本山 洋
    1983 年 24 巻 2 号 p. 193-200
    発行日: 1983/02/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    転移性巨大大網腫瘤(重量2,400g)を形成した原発性肝細胞癌の73歳,男性の剖検例で,放射線学的ならびに手術所見のみならず,摘出腫瘤の病理組織所見からも大網原発腫瘍が強く疑われ,剖検によりはじめて上記診断の疾患であることが判明した.腫瘍は組織学的に,肉腫様増生を伴なうWHO組織分類Hepatocellular carcinoma (pleomorphic variant)であった.肝癌と肝硬変とが合併する頻度は高いが,本例は経過中肝機能障害は殆んど出現せず,組織学的にも肝硬変を全く認めなかった.つまり,本例は転移性の巨大大網腫瘤を形成した肝硬変非合併肝癌の極めて稀な例で,転移巣が原発巣よりも常に臨床症状および所見で優位な経過を示したという特徴をもつものであった.
  • 日野 真一, 五十嵐 正彦, 隆 元英, 堀江 弘, 山田 敏也
    1983 年 24 巻 2 号 p. 201-207
    発行日: 1983/02/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    Jackson型てんかんを初発症状とし,てんかんの原因が頭頂骨転移巣による大脳皮質運動領の圧迫及びそれへの浸潤と考えられた肝細胞癌の1剖検例を報告する.症例は58歳,男性.Jackson型てんかんで発症し,頭頂部腫瘤の存在及び頚動脈造影の所見等より悪性腫瘍の頭蓋骨転移が疑われ,腹腔鏡,頭頂部及び胸壁腫瘤の生検から肝細胞癌の転移と診断されたが,進行性の頭蓋内合併症で死亡した.剖検で,肝硬変,肝の90%以上を占める肝細胞癌及び全身他臓器への転移が認められた.頭頂部転移巣は大脳皮質より帽状腱膜に及ぶ腫瘍塊からなり,転移巣に含まれる大脳,髄膜,頭蓋骨,帽状腱膜の膠原線維の量及び成熟度の検討から,早期転移巣は頭蓋骨骨髄と結論した.Jackson型てんかんを初発症状とし,その原因が頭蓋骨転移にあったとする報告は極めて稀で,われわれが文献的に調べた限りでは,当症例を含めて世界で2例をみるにすぎない.
  • 芝山 雄老, 松本 和基, 大井 玄, 中田 勝次, 筧 紘一, 清水 修, 茂在 敏司, 榊原 茂樹, 佐藤 久夫, 小林 茂保
    1983 年 24 巻 2 号 p. 208-216
    発行日: 1983/02/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    ヒトβ型インターフェロン(HuIFN-β)投与肝細胞癌の一症例を経験した.症例は62歳男,会社役員.入院時すでに肝右葉全域および左葉の一部に肝細胞癌が認められ,手術不可能と判断し,HuIFN-βの大量投与(筋注総量4,671×104IU,静注総量2,866×104IU,肝動脈内注入250×104IU)が行われた.肝動脈内注入直後一過性にα-Fetoprotein値の低下が認められたが,筋注および静注では著効を示さず,癌は徐々に増大した.病理解剖学的には多核巨細胞化した癌細胞および原形質が泡沫化した癌細胞の出現および癌細胞の壊死に陥る傾向の乏しいことが注目された.これらの所見はHuIFN-β非投与肝細胞癌例にも多少認められるので,HuIFN-β投与による特異的変化であるとは言えないが,それらの程度が著しく高度であったことよりHuIFN-β投与と何らかの関係が存在するのではないかと考えられた.本症例では臨床的にも病理解剖学的にも肝細胞癌に対するHuIFN-βの著しい治療効果は認められなかった.
  • 小山 恒, 杉浦 克明, 蓮村 靖, 武内 重五郎, 金山 正明
    1983 年 24 巻 2 号 p. 217
    発行日: 1983/02/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • RIA法との比較
    清水 勝, 足立 信幸, 高橋 善彌太, 大山 正巳, 小畑 恵美子, 武藤 泰敏, 中島 俊彦
    1983 年 24 巻 2 号 p. 218
    発行日: 1983/02/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 林 誰欽, 原田 昇, 伊藤 俊哉, 土屋 凉一
    1983 年 24 巻 2 号 p. 219
    発行日: 1983/02/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 松股 孝, 古田 斗志也, 竹中 賢治, 兼松 隆之, 杉町 圭蔵, 井口 潔
    1983 年 24 巻 2 号 p. 220
    発行日: 1983/02/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 特に肝における抱合能について
    渡邉 正夫, 横山 浩二, 菊池 英明, 田城 明子, 篠崎 堅次郎, 中川 昌一
    1983 年 24 巻 2 号 p. 221
    発行日: 1983/02/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 吉田 隆雄, 小嶋 研一, 関根 光男, 吉田 純一, 田村 康史, 種田 裕昭, 前久保 博士, 松嶋 喬, 宮崎 保
    1983 年 24 巻 2 号 p. 222
    発行日: 1983/02/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 1983 年 24 巻 2 号 p. 223-259
    発行日: 1983/02/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
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