肝臓
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37 巻, 7 号
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  • 臨床応用を目指した作用機序の検討
    藤原 研司, 松井 淳, 持田 智
    1996 年 37 巻 7 号 p. 353-356
    発行日: 1996/07/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 田中 美和, 宮内 聡一郎, 湯山 晋, 黒瀬 清隆, 宇佐美 明彦, 國近 啓三
    1996 年 37 巻 7 号 p. 357-362
    発行日: 1996/07/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    C型肝炎ウイルスの感染期間とインターフェロン治療の有効性との関達を明確にする目的で,輸血後に肝機能異常が出現したC型肝炎患者について感染時からインターフェロン治療開始までの期間と寛解率の関連を多重ロジスティックモデルによって検討した.寛解率は感染期間3年以下では85.7%, 5年以下では62.5%, 5年を越える例では26.5%と段階的に低下した.感染期間3年以下の症例では寛解率が極めて高かったのに比し,3年を越える群では寛解群と不変群の感染期間には有意な差を認めなかった.このため感染期間を3年以下と3年を越える群の2群にカテゴリー化して多変量解析を行うと,感染期間3年以下とHCV-genotypeの差異がインターフェロン治療効果に影響を及ぼす独立要因として統計学的に有意であった.HCV-genotype 1b (II)型では寛解率は3年以下の症例で50%, 3年を越えた症例では4%であり,推計学的に有意差が見られた.以上の成績より感染期間がインターフェロン治療効果に影響を及ぼすのは約3年以下に限られることが示唆された.
  • 鈴木 義之, 池田 健次, 斉藤 聡, 小林 正宏, 坪田 昭人, 鯉田 勲, 村島 直哉, 荒瀬 康司, 茶山 一彰, 溝下 香織, 松田 ...
    1996 年 37 巻 7 号 p. 363-367
    発行日: 1996/07/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    C型慢性肝炎患者40例に対して,interferon β(以下β-IFN:フェロン)を,6MU 8週間連日で投与を行った.IFN単独投与群と強力ネオミノファーゲンC(以下SNMC) 100ml併用群との治療効果の差につき検討するために,あらかじめ登録した患者を無作為割付によりIFN単独投与群(A群)とSNMC併用群(B群)にわけ投与を行った.B群の1例が両眼底点状出血をきたし副作用による中止となったため,A群20例,B群19例につき検討した.完全著効例は,A群5例(25.0%),B群5例(26.3%)であり,不完全著効例は,それぞれ6例(30.0%),4例(21.1%)で,両群間にいずれも差を認めなかった.ALTの正常化率を比べてみると,投与終了時は,併用群の方が高い傾向にあるが,終了後1ヵ月,6ヵ月,12ヵ月では両群間に有意な差は認められなかった.C型慢性肝炎に対するβ-IFN治療においては,その有効性に関してIFN単独群と,SNMC併用群との間には差は認められなかった.
  • 最近5年間の傾向について
    馬越 順子, 舛本 俊一, SM Fazle Akbar, 黒瀬 清隆, 道堯 浩二郎, 堀池 典生, 恩地 森一
    1996 年 37 巻 7 号 p. 368-373
    発行日: 1996/07/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    最近の薬物性肝炎の臨床像の変化を知る目的で,組織学的に確認し得た72症例を最近5年間の28症例とそれ以前の44症例に分けて比較検討した.
    起因薬物は,抗生物質,循環器用薬が多かった.従来,起因薬物としてきわめて少ないと考えられていた和漢薬が,最近5年間でみられたことが注目された.また,好酸球増多の出現頻度は最近5年間で有意に低下しており(p<0.05),薬物によるリンパ球幼若化試験(DLST)の陽性率は統計学的に有意ではないが低い傾向で,アレルギーを示唆する検査成績が乏しくなっていた.以上,最近の薬物性肝炎の臨床像ではアレルギー機序を示唆する所見が少ないことが確認された.
  • 横森 弘昭, 織田 正也, 亀谷 宜隆, 小松 弘一, 塚田 信廣, 本告 匡, 石井 裕正
    1996 年 37 巻 7 号 p. 374-381
    発行日: 1996/07/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    PGE1の肝類洞血流への影響を検討するとともに,肝類洞内皮細胞のCa++-ATPase活性の局在を超微形態学的に解析した.Wistar系ラットをsodium pentobarbital麻酔下で大腿動脈,大腿静賑,腸間膜静脈枝及び総胆管にカテーテルを挿入し,腸間膜静脈枝カテーテルよりPGE1 50ng/min/100.b.wをinfusion pumpを用いて持続的に注入し,全身動静脈圧,門脈圧をamplifire法により,肝類洞血流量はlaser Doppler法により経時的に測定した.肝類洞血流への影響は類洞内皮細胞を肝を灌流固定し,走査型電子顕微鏡で観察するとともに類洞内皮細胞のCa++-ATPase活性を透過型電子顕微鏡を用いて解析した.ラット腸間膜静脈枝カテーテルからPGE1を持続注入した結果,肝類洞血流の増加した.類洞内皮細胞の超微形態学的観察ではPGE1を注入群では,sieve plate小孔が拡張し,Kupffer細胞が内皮細胞上に多数の偽足状突起を伸展する像が得られた.類洞内皮細胞形質膜Ca++-ATPase活性は対照群と比べ明らかに増加した.よって,PGE1による肝類洞血流促進機序として肝類洞内皮細胞Ca++-ATPaseを介するアクチン系への弛緩作用が想定された.
  • 池原 幸辰, 雨森 正洋, 福田 善弘
    1996 年 37 巻 7 号 p. 382-386
    発行日: 1996/07/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    症例は56歳女性,検診で肝機能異常を指摘され,精査のため入院した.入院後,一時,肝機能が悪化,SNMCの注射が効を奏したように見えたが,トランスアミナーゼが変動し始めたので肝生検を実施した.組織的にはCAH-2Aで,HBs抗原,HCV抗体は陰性であったが,輸血歴もあったのでインターフェロン治療を行ったところ,注射2回目からトランスアミナーゼの上昇(最高値GOT 1,109IU/L, GPT 671IU/L),抗核抗体高値(最高値1,280倍)黄疸が出現(最高値Bil. 21.6mg/dl)したがステロイドの投与でトランスアミナーゼは正常化し黄疸も消失,抗核抗体は徐々に低下した.インターフェロンによる自己免疫性肝炎の発症に関する報告もあるが,本症のようにインターフェロン注射2回という極めて早期に自己免疫性肝炎を起こした例はないので報告した.
  • 矢倉 道泰, 伊賀 大二郎, 百瀬 哲也, 三橋 容子, 上司 裕史, 原田 英治
    1996 年 37 巻 7 号 p. 387-392
    発行日: 1996/07/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    症例は67歳の女性で,C型活動性慢性肝炎と診断され遺伝子組み替えインターフェロンα-2b(以下IFN)を10MU/日連日2週投与後,週3回を22週投与した.投与中GPTは正常化せずIFN終了後に再上昇した.その頃より高CPK血症を呈しその原因としてIFNの副作用である甲状腺機能低下症を合併したものと判断した.しかし甲状腺機能低下症に伴う高CPK血症にしてはあまりにも高値が持続するためCPK isozymeを測定したところextrabandを認め,免疫グロブリン(IgA-λ)と結合したマクロCPKであった.IFN治療に伴う免疫グロブリン結合ノマリーの報告は,過去にLDH結合性免疫グロブリンの1例のみで稀な症例と考え報告した.
  • 大塚 幸夫, 柳澤 伸嘉, 生沼 健司, 藤原 慶子, 松谷 篤, 菅谷 仁, 寺野 彰
    1996 年 37 巻 7 号 p. 393-399
    発行日: 1996/07/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    症例は56歳の女性.1988年より肝硬変および糖尿病にて経過観察中,糖尿病の治療目的にて入院となった.入院第50病日より脾静脈血栓が出現,入院第100病日には食道静脈瘤破裂を発症したため食道静脈瘤硬化療法を計5回施行した.施行後より急激かつ広範な門脈血栓の進展および肝機能の低下を認めたがcavernous transformation形成によると考えられる肝機能の改善と遠肝性の側副血行路の発達による静脈瘤の改善を認めた.
    血液検査,臨床像,悪性腫瘍がないことより門脈の閉塞は血栓によるものと推測された.肝硬変に門脈血栓を合併する例は少ないが,本症例では静脈瘤治療目的に行った硬化療法が門脈血栓の急速な進展を誘発したと考えられた.
  • 渡邊 洋, 司城 博志, 奥村 恂
    1996 年 37 巻 7 号 p. 400-401
    発行日: 1996/07/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 池田 弘, 仁科 恭一郎, 石山 修平, 濱本 博美, 清野 哲司, 小西 明美, 井上 武紀, 島村 淳之輔
    1996 年 37 巻 7 号 p. 402-403
    発行日: 1996/07/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
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