肝臓
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47 巻, 5 号
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Editorial
原著
症例報告
  • 高梨 訓博, 高田 弘一, 加藤 淳二, 宮西 浩嗣, 河野 豊, 石渡 裕俊, 古川 孝広, 高山 哲治, 佐藤 康史, 新津 洋司郎, ...
    原稿種別: 症例報告
    2006 年 47 巻 5 号 p. 245-251
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/11/22
    ジャーナル フリー
    症例は61歳,女性.前医にて自己免疫性肝炎と診断され,プレドニゾロン,ウルソデオキシコール酸併用療法を施行されていたが,プレドニゾロンの漸減に伴い,肝障害の増悪を繰り返し,当科紹介となった.プレドニゾロン,ウルソデオキシコール酸に加えてシクロスポリンの投与を開始したところ,速やかに肝障害は改善した.また肝線維化は当初肝硬変に相当するものであったが,シクロスポリン開始3年半後の生検所見において線維化の改善が認められ,さらに開始約6年半後における線維化はF2相当にまで改善した.経過中一過性に肝障害の増悪を認めたものの,シクロスポリン開始7年半後の現在,特記すべき合併症なく,肝機能正常にて経過している.
  • 神田 光郎, 末永 昌宏, 武内 有城, 三輪 高也
    原稿種別: 症例報告
    2006 年 47 巻 5 号 p. 252-257
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/11/22
    ジャーナル フリー
    肝細胞癌に対する局所療法において,近年ラジオ波焼灼療法(radiofrequency ablation:RFA)の重要性が増してきている.一般的に低侵襲で合併症発生率は高くないが,直接肝実質を針によって穿刺するため,穿刺部からの癌細胞の播種の報告が散見されるようになった.今回我々は,肝細胞癌に対するRFA後に肝外進展をみた2例の治療例を経験したので報告した.症例1は70歳代,男性.他施設での肝細胞癌に対する反復RFA後,残存肝内病変に肝動脈塞栓療法施行中に肝細胞癌多発腹腔内播種をきたし,開腹手術を行った.症例2は70歳代,女性.肝S3の肝細胞癌に対するRFAを施行後,刺入部皮下に転移性腫瘤を生じたため,局所麻酔下に摘出術を施行した.肝細胞癌に対するRFAの有効性の報告が多いが遠隔時合併症として,肝外播種の可能性を考慮し慎重に経過観察を行う必要がある.
  • 高橋 祥, 本間 久登, 秋山 剛英, 女澤 慎一, 小池 和彦, 平田 健一郎, 古川 勝久, 文屋 学, 西岡 井子, 河野 豊, 高田 ...
    原稿種別: 症例報告
    2006 年 47 巻 5 号 p. 258-265
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/11/22
    ジャーナル フリー
    症例は77歳男性.C型肝硬変にて近医通院中に肝細胞癌(stage III)を発症し当院にて動脈塞栓術(TAE)とラジオ波焼灼療法(RFA)を施行.18カ月後にAFPの著増とCTにて左副腎腫脹を認め,諸検査にて副腎転移と診断した.患者の治療選択によりUFT300mgの内服を開始するも効果なく,TAEを施行するも,腫瘍濃染に乏しく,一部の栄養血管のみTAIを施行した.しかし5カ月間,腫瘍の増大傾向に変化なく全身化学療法を開始した.投与法は5-FU 500mg/body/dayを1週間持続静注,cisplatin 10mg/body/dayを週2回投与するレジメンを2週投与1週休薬で1コースとした.2コース終了時,副腎転移は著変なく,肺転移巣は縮小していたが,AFPの上昇を認めたため,3コース目より放射線療法(RT)を40Gr/16fにて併用したところ,CTでは副腎転移は50%へ縮小しRT終了後もFP療法を継続し,5コース終了時点で,副腎転移は著明に縮小し,肺転移巣は消失した.近年の肝細胞癌発症年齢の高齢化から,遠隔転移症例での低侵襲治療の選択機会が増すものと推察され,今後検討されるべき治療法と思われた.
  • 松居 剛志, 辻 邦彦, 西森 博幸, 桜井 康雄, 姜 貞憲, 真口 宏介
    原稿種別: 症例報告
    2006 年 47 巻 5 号 p. 266-272
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/11/22
    ジャーナル フリー
    症例は60歳代男性.C型慢性肝炎で近医通院中の腹部超音波検査にて肝S3に30mm大の低エコー腫瘤を認め,肝細胞癌疑いで当院紹介入院となった.入院後の精査の結果,肝細胞癌と診断し,ラジオ波焼灼療法を行った.その後,外来にて経過観察をしていたが,17カ月後に肝S3に局所再発を認め再入院となった.肝予備能も良好なことより外側区切除術を施行した.以後,経過観察中,肝内に再発は認めなかったが,切除30カ月後,PIVKA-IIの上昇とともに,両肺野に多発性の小結節陰影が出現し,肝細胞癌の多発肺転移と診断した.患者への十分なインフォームドコンセントを行いUFT®300mgの内服を開始した.UFT®内服10カ月で肺転移巣は完全に消失し,PIVKA-IIも正常化した.現在まで肺,肝ともに再発を認めず,外来通院中である.
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