肝臓
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44 巻, 12 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 多嚢胞性肝疾患と先天性肝線維症+カロリ病を中心に
    中沼 安二, 佐藤 保則
    2003 年 44 巻 12 号 p. 619-631
    発行日: 2003/12/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
  • 春日井 博志, 大崎 往夫, 岡 博子, 工藤 正俊, 関 寿人, 大阪肝穿刺生検治療研究会
    2003 年 44 巻 12 号 p. 632-640
    発行日: 2003/12/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    肝細胞癌に対するラジオ波治療 (RFA) の現状と, RFAに伴う合併症および死亡例の内容と頻度を明らかにすることを目的として, 大阪肝穿刺生検治療研究会の会員を中心に38施設, 43診療科のアンケート結果について解析を行った. 1999年1月より2002年5月までにRFAは, 経皮的に2542例, 腹腔鏡的に23例, 開腹下に49例, 計2614例に対して3891回の治療が施行された. 合併症は, 2614例中207例 (7.9%) に見られ, 3カ月以内の死亡例は9例(0.3%) に見られた. 死亡例は, 肝不全3例, 急性増悪・肉腫化3例, 胆管損傷・消化管出血・急性心筋梗塞が各1例であった. 1カ月あたりの症例数が多い診療科での合併症・死亡が少なかった. RFAの合併症は, 経験を重ねることにより減らすことができる可能性がある.
  • 静間 徹, 小幡 裕, 橋本 悦子, 白鳥 敬子
    2003 年 44 巻 12 号 p. 641-648
    発行日: 2003/12/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    肝硬変に併発した菌血症症例について, 血液培養陰性例との比較を含めて検討した. 菌血症の頻度は, 延べ入院肝硬変患者数の2.3% (132/5854), 血液培養施行回数の40.5% (132/326) であり, 起炎菌としてはグラム陰性菌の割合が56.8% (79/139) と高かった. なお菌血症症例では, 血液培養陰性例と比較し有意に肝機能が不良であり, 1カ月以内の短期死亡率も49.5% (53/107) と有意に高率であった. また菌血症死亡例・血液培養陰性死亡例では, いずれも菌血症生存例より有意に肝機能が不良であり, 菌血症死亡例と血液培養陰性死亡例との比較では, 肝機能障害の程度に有意差は認めなかった. これらのことから, 肝硬変患者における菌血症の発症・短期予後については, 背景肝硬変の重症度が重要な因子になるものと推測された.
  • 高梨 訓博, 本間 久登, 女澤 慎一, 土居 忠, 秋山 剛英, 村上 研, 高田 弘一, 茎津 武大, 村瀬 和幸, 井山 諭, 宮西 ...
    2003 年 44 巻 12 号 p. 649-655
    発行日: 2003/12/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    患者は71歳, 男性. 発熱, 全身倦怠感を主訴として近医受診. CTにて肝に多発性結節性病変を認められ, 精査加療目的に当科紹介入院となった. 血管造影にて肝臓に多発性小動脈瘤を認め, 病理学的所見と合わせ結節性多発動脈炎と診断した. HBVキャリアであったため, 治療として免疫抑制作用が比較的少ないメソトレキセートを使用した. 治療後炎症所見は消失し, また血管造影にて認められた動脈瘤も消失した.
  • 佐藤 慎一郎, 阿部 弘一, 佐原 圭, 川上 格, 遠藤 龍人, 滝川 康裕, 加藤 章信, 鈴木 一幸, 増田 友之, 山崎 潔
    2003 年 44 巻 12 号 p. 656-662
    発行日: 2003/12/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    44歳, 女性 (症例1). 全身性エリテマトーデスの治療中に肝機能障害が生じ, 当科受診. IgM高値, AMA陽性であり腹腔鏡では赤色パッチを認めた. 病理所見では慢性非化膿性破壊性胆管炎は確認できなかったが, 総合的にPBC (無症候性) と診断した. 75歳, 男性(症例2, 症例1の父). 検診で肝障害の指摘があり当科受診. AMA陽性, 病理所見で胆管消失像を認めPBC (無症候性, Ludwig IV期) と診断した. 両者ともHLA DRは4, 6が陽性であった. 本邦でのPBC家族内発症は33家系の報告があるが, 父娘の関係は自験例が3例目であった. PBC家族内発症例におけるHLA DR抗原の頻度はDR8 43.4%, DR2 35.8%, DR4 32.1%の順で多かったが, 家族内発症例に特異的といえる程のものはなかった.
  • 高田 弘一, 加藤 淳二, 高橋 稔, 石渡 裕俊, 住吉 徹哉, 高橋 祥, 宮西 浩嗣, 黒岩 巌志, 高梨 訓博, 佐藤 康裕, 中村 ...
    2003 年 44 巻 12 号 p. 663-668
    発行日: 2003/12/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    症例は69歳, 女性. 平成9年より非アルコール性脂肪性肝炎 (NASH) に起因する肝硬変と診断され他医にて経過観察されていた. 平成14年1月, 腹部エコーおよびCT検査にて肝S6に径30mm大の腫瘤性病変を指摘され, 当科に紹介入院となった. B型およびC型肝炎ウイルスマーカーは陰性であった. AFPおよびPIVKA-IIが上昇しており, 各種画像診断上, 肝細胞癌 (HCC) が強く疑われ, 肝生検の結果, 中~低分化型HCCと診断された. また, HCC組織において, 酸化的DNA障害の指標である8-hydroxy-2'-deoxyguanosine (8-OHdG) を免疫組織学的に染色したところ, 背景肝細胞に加えて癌細胞の核が陽性に染色された. 近年, NASHにおけるHCC合併例の報告が増加してきているが, その肝発癌機序は不明である. 本症例では, NASHに伴って起こる持続炎症に起因する酸化ストレスが, HCC発症に関わっている可能性が示唆された.
  • 法正 恵子, 三村 憲一, 植木 賢, 前田 佳子, 岡本 欣也, 松永 佳子, 岡野 淳一, 前田 直人, 孝田 雅彦, 汐田 剛史, 村 ...
    2003 年 44 巻 12 号 p. 669-673
    発行日: 2003/12/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    症例は57歳の女性. 平成6年より非アルコール性, 非B, 非C型肝硬変として経過観察されていたが, dynamic-CTにて多血性結節が認められ精査目的で入院した. 腹部血管造影で結節はCTAで濃染され, CTAPで欠損し, 肝細胞癌が疑われたが確定には至らなかった. 腹腔鏡下肝生検で結節は組織学的に粗大再生結節と診断した. その後, 平成12年, 平成13年にもCTA, CTAPで同様の画像所見を示す多血性結節が出現したが, 組織学的にも肝細胞癌は否定された. 多血性を示す粗大再生結節は肝細胞癌との鑑別に重要と考えられ報告した.
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