肝臓
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43 巻, 8 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 藤原 研司, 持田 智
    2002 年 43 巻 8 号 p. 341-351
    発行日: 2002/08/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
  • 影山 富士人, 松林 祐司, 菊山 正隆, 住吉 信一, 芳澤 社, 井出 良浩
    2002 年 43 巻 8 号 p. 352-357
    発行日: 2002/08/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    B型慢性肝炎の治療薬にHBVの逆転写を阻害し増殖を抑制するヌクレオシドアナログであるラミブジン治療が行われているが, HBV感染は慢性肝炎のみならず急性肝炎においても劇症肝炎やそれ以上に予後が悪いとされる亜急性肝炎などに陥ることがある. 今回, われわれは黄疸が遷延し重症化が懸念された急性肝炎と考えられたB型肝炎2症例にラミブジンを使用し良好な経過が得られた. 1例は, ジェノタイプAの慢性化率の高い症例であり早期の投与が有効と思われた. また他の1例はジェノタイプCの日本人に多いものであったが, 重症化したが救命し得た. 急性肝炎におけるラミブジン治療の適応については保険適応上の問題などがあるが重症化を防ぐといった視点からは投薬意義のあることと考えられる.
  • 瀬田 剛史, 乾 可苗, 坂口 康浩, 関川 昭, 稲田 雅宏, 露岡 清隆, 沖本 芳春
    2002 年 43 巻 8 号 p. 358-363
    発行日: 2002/08/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    肝細胞癌を合併したC型肝硬変患者が, 養殖魚介類の生食を契機に Vibrio vulnificus 感染による壊死性筋膜炎を発症し, 急速な経過をたどった1例を経験したので, 報告する. 患者は市販のマグロ刺身を摂食した翌日より発熱と下腿に限局性の蜂窩織炎変化を認めた. 入院当初より細菌感染に対して, 感受性のある抗菌薬投与と全身管理を行ったにもかかわらず病状は進行し, 壊死性筋膜炎を来した. 壊死性筋膜炎の部位を繰り返しデブリードメントし, ICUにおいてさらに強力な全身管理を行ったが, 多臓器不全が急速に進行し死亡した. 肝硬変などの immuno-compromised host の患者が生食用魚介類を摂食した場合や受傷した場合, 弱毒菌感染を契機に, 死に至る場合があることを改めて認識し, 外来および入院患者に十分な生活指導の必要性があると思われた.
  • 西田 泰之, 三輪 一博, 青柳 裕之, 京井 優典, 岡田 俊英, 馬渕 宏
    2002 年 43 巻 8 号 p. 364-369
    発行日: 2002/08/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    症例は41歳, 男性. 1999年12月膀胱上皮内癌と診断され, BCGの膀胱内注入療法が開始された. 第8回目の膀胱内注入療法後より, 黄疸と全身倦怠感が出現し, 入院となった. 血液検査では混合型の肝障害 (T. Bil 4.35mg/dl, ALP 578IU/l, AST 65IU/l, ALT101IU/l) が認められた. 第6病日に採取された肝生検組織には, 中等度の炎症細胞浸潤と非乾酪性肉芽腫の多発が認められた. ウルソデオキシコール酸投与にて肝胆道系酵素は軽快傾向にあったが, 過去の報告例を参考に抗結核剤が6カ月間投与された. 治療前に採取した肝組織の抗酸菌培養では抗酸菌が陽性であった. 治療終了後の肝生検組織には, 非乾酪性肉芽腫の残存を認めるものの, 炎症細胞浸潤は著明に改善し, 抗酸菌は検出されなかった. BCG起因性肉芽腫性肝炎の発症機序としてBCGの血行性播種が強く示唆され, また抗結核剤投与の有効性が確認された.
  • 文野 真樹, 加藤 昌秀, 小林 透, 川口 雅功, 喜田 洋平, 湯川 進
    2002 年 43 巻 8 号 p. 370-375
    発行日: 2002/08/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    症例は44歳, 女性. 腹部エコーにて肝S2に径4cm大の低エコー腫瘤を認め, CTでは動脈相で早期から濃染され, MRIでT1強調像で低信号, T2強調像で高信号を呈し, 血管造影では動脈相早期より腫瘍濃染像を認めたが確定診断に至らず, 肝外側区域切除術を施行した. 腫瘍は血管成分および脂肪成分は認めず, 免疫染色でHMB-45が陽性で monocytic epithelioid angiomyolipoma (以下AML) と診断した. 画像上明らかな脂肪成分を認めなくとも, 肝腫瘍の質的診断の際には本疾患も考慮し鑑別すべきと考えられた.
  • 森 倫人, 古賀 靖大, 大楽 耕司, 岸川 正彦
    2002 年 43 巻 8 号 p. 376-380
    発行日: 2002/08/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    症例は49歳, 女性. B型肝炎の経過観察中に腹部超音波検査で肝右葉に径25mmの低エコー像を呈する腫瘤を指摘され, 精査目的入院となった. 血液生化学検査では肝機能異常, 炎症所見は認められず, AFP, PIVKA-IIはともに陰性であった. 腫瘤は造影CTにて早期相で濃染され, 後期相で wash out された. 血管造影では淡い腫瘍濃染像を呈し, CT arterioportography で腫瘤部は欠損像を示し, CT angiography では強く造影され, その後内部は wash out された. 肝細胞癌を疑い肝右葉切除を施行したが, 術中超音波検査では腫瘤は極めて不明瞭で縮小していた. 病変部は径15mmの境界不明瞭な黄白色結節で, 病理組織学的には, リンパ濾胞の形成を伴う著明なリンパ球浸潤の中に, 島状に正常肝細胞が残存していた. 浸潤したリンパ球に異型は認めず, T cell およびB cell の分布が正常リンパ節に類似していたことから肝の pseudolymphoma と診断された.
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