肝臓
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51 巻, 2 号
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症例報告
  • 高橋 達, 横山 恒, 三浦 智史, 中村 潤一郎, 山田 聡志, 三浦 努, 柳 雅彦
    原稿種別: 症例報告
    2010 年 51 巻 2 号 p. 65-70
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    症例は61歳女性.シェーグレン症候群で経過観察中,徐々に肝機能障害が出現したため,当科を紹介受診した.Ursodeoxycholic acid 600 mg/日の投与で改善を認めず,自己免疫性肝炎の国際診断基準スコアは肝組織未確認の時点で15点と疑診であり,ステロイド投与が考慮されたが,診断目的に腹腔鏡肝生検施行.非アルコール性脂肪性肝炎と診断し,α-tocopherolとbezafibrateの内服追加により肝機能は改善し,正常化した.肝以外の自己免疫疾患を伴う肝機能障害では自己免疫性肝炎スコアが見かけ上高値となりやすく,また,自己免疫性肝炎スコアには非アルコール性脂肪性肝炎の除外規定がないため,本例のような場合には肝の形態学的診断が必須といえる.
  • 田尻 博敬, 増本 陽秀, 矢田 雅佳, 千住 猛士, 本村 健太, 小柳 年正, 栗原 秀一, 大屋 正文
    原稿種別: 症例報告
    2010 年 51 巻 2 号 p. 71-77
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    症例は75歳女性.2000年から近医でpravastatinの投与を受けていた.2007年9月AST,ALT値の上昇を指摘されたが自然に低下した.2008年4月,黄疸を伴う肝障害のため当科を紹介され,AST 617 IU/l,ALT 407 IU/l,T-Bil 6.6 mg/dl,Alb 2.9 g/dl,抗核抗体80倍,IgG 1,914 mg/dl,HLA DR4陽性であった.画像所見は肝硬変像を呈しており,肝生検を施行し自己免疫性肝炎(AIH)と診断した.Pravastatin中止とウルソデオキシコール酸投与により肝機能検査値は改善したが,血小板数が徐々に減少し腹水の出現を認め,プレドニゾロン追加投与により寛解した.Pravastatin起因性AIHが潜在性に進行して肝硬変に至った症例と考えられた.
  • 池田 晴夫, 和栗 暢生, 相場 恒男, 林 雅博, 濱 勇, 河久 順志, 横尾 健, 米山 靖, 古川 浩一, 杉村 一仁, 五十嵐 健 ...
    原稿種別: 症例報告
    2010 年 51 巻 2 号 p. 78-83
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    症例は50代女性.それまで通院歴などなかったが,突然吐血し,当院へ救急搬送された.来院時ショック状態であり,緊急上部消化管内視鏡検査を施行.胃穹窿部の孤立性胃静脈瘤より,噴出性出血を認めたため,内視鏡的静脈瘤結紮術にて一次止血に成功.翌日CTにて胃腎シャントを確認し,バルーン下逆行性経静脈的塞栓術(B-RTO)を施行したところ,胃静脈瘤は消失した.
    本症例はC型肝硬変であったが,肝炎活動性があり,HCV genotype 2a,年齢などを考慮し,ペグインターフェロン・リバビリン併用療法を開始した.8週で血中HCV-RNAは陰性化し,24週治療を完遂,ウイルス学的著効(SVR)を達成した.本症例は胃静脈瘤破裂で初診となったC型肝硬変であるが,胃静脈瘤止血による救命から抗ウイルス療法まで患者の予後に大きく寄与する治療が行えた1例と考え報告する.
  • 古山 準一, 本城 信吾, 森園 竜太郎, 森田 康太郎, 代田 充, 長谷川 公範, 内沢 政英, 水尾 仁志, 河上 彩恵, 高木 秀雄
    原稿種別: 症例報告
    2010 年 51 巻 2 号 p. 84-91
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    症例は,75歳,男性.C型肝硬変症,肝細胞癌(HCC)にて当院通院中.2008年3月より血便を生じ,下部消化管内視鏡検査にて出血性直腸静脈瘤と診断.2008年7月HCCの治療目的にて入院.HCC治療時の上腸間膜動脈・脾動脈造影門脈相では遠肝性側副血行路は認めず,下腸間膜動脈造影にて下腸間膜動脈は直腸壁を造影し,その後排血路の一部として直腸静脈瘤が造影され下腸間膜静脈より脾静脈へと排血されていた.その後,直腸静脈瘤に対して内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL)・硬化療法(EIS)併用療法を施行.直腸静脈瘤の口側端で,腸管壁外へ流出すると考えられた部位へEVL施行後,透視下でEISを施行.その後,造影CTにて直腸静脈瘤の血流は消失した.本症例は,血管造影にて直腸静脈瘤の血行動態を把握後にEVL・EIS併用療法を施行する事によって安全に治療しえた1例であったので報告する.
短報
  • 小松 陽樹, 乾 あやの, 十河 剛, 藤澤 知雄
    原稿種別: 短報
    2010 年 51 巻 2 号 p. 92-94
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    We compared the international HB vaccine program with the Japanese HB vaccine program. A good responder was defined as having 100 mIU/ml or more of serum HBs antibodies. Eighty-one children were protected according to the international schedule and 60 children were treated with the Japanese schedule. The levels of serum HBs antibodies in children treated with the Japanese schedule were significantly higher than that in children treated with the international schedule one month after the 3rd vaccination and one year after birth. However, there was no significant difference in the proportion of good responders between the two schedules. In conclusion, the international HB vaccine program was as effective as the Japanese HB vaccine program.
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