肝臓
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37 巻, 3 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
  • 織田 正也
    1996 年 37 巻 3 号 p. 133-138
    発行日: 1996/03/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 高取 正雄, 岩渕 省吾, 奥瀬 千晃, 寺本 泰, 長田 達郎, 村山 正博, 安田 清美, 飯野 四郎
    1996 年 37 巻 3 号 p. 139-144
    発行日: 1996/03/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    HBVキャリアについてbranched DNA probe assay(プローブ法)を用い血中HBV-DNA量を測定し,DNA polymerase (DNAp),肝病態との関連性について特にHBe抗原陰性例を中心に検討した.HBV-DNAはHBe抗原の有無にかかわりなくALTが変動する例では高率に検出され,HBe抗原陰性無症候性キャリア(ASC)では低値を示した.またHBV-DNA量が10~20Meq/ml以上と多い場合はDNApと相関するものの,それ以下ではDNApではHBV増殖を把握しえなかった.B型慢性肝疾患ではHBe抗原陰性後の肝炎の鎮静化にはHBV-DNA量の減少が重要であり,HBV-DNA量の多い例で肝炎活動性も高いものと考えられた.またHBe抗原陰性慢性肝炎(CH),肝硬変(LC)のみならずASCの一部にもHBV-DNAが検出される例がみられ,これらではその後の肝炎の再燃や感染源となる可能性も考えられ,持続的なHBV-DNA量のモニタリングが必要と考えられた.この点でもプローブ法は有用性を持つものと考えられた.
  • 荒瀬 康司, 茶山 一彰, 村島 直哉, 菅原 和彦, 鯉田 勲, 小林 正宏, 坪田 昭人, 鈴木 義之, 斉藤 聡, 池田 健次, 熊田 ...
    1996 年 37 巻 3 号 p. 145-151
    発行日: 1996/03/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    C型慢性活動性肝炎に対し天然型α-インターフェロン(以下IFN)1回量6MUを8週間連日+16週間週2~3回間歇投与を施行しIFN終了後2年以上経過した252例につき血清トランスアミナーゼ(以下GPT), HCV-RNA,肝組織像の変化および肝細胞癌発生率につき検討した.252例中IFN投与を予定スケジュールにて終了しえたのは236例であり,この236例中IFN終了後GPT正常かつIFN終了6カ月後のHCV-RNA陰性の著効は105例(44.5%)であった.さらにIFN終了後の肝生検像の変化については著効例ではgradeの改善はIFN終了後1~3年で22/23 (95.7%)にみられるのに比し,stageの改善は1~3年では4/23 (17.4%),3~7年では5/8 (62.5%)とstageの改善にはより長期間を要すると考えられた.一方不完全著効及び無効例でにはgrade及びstageの改善率は著効例に比し低率であった.またIFN終了後の肝細胞癌の発生は236例中2例(0.8%)で肝細胞癌がみられた.
  • 肝線維化との相関を中心に
    丸山 勝也, 岡崎 勲, 和田 則仁, 高橋 久雄, 奥山 啓二, 横山 顕, 中野 雅行, 石井 裕正
    1996 年 37 巻 3 号 p. 152-158
    発行日: 1996/03/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    肝生検を施行し得たHBs抗原,HCV抗体共に陰性の各種アルコール性肝疾患患者を対象として,肝生検時の血清ヒト肝細胞増殖因子(hHGF)を測定した.アルコール性肝疾患患全体および,症例数の少ない脂肪肝,アルコール性肝炎を除く各種肝疾患群において,文献上の健常群と比較して有意な高値を示した.また肝硬変症では脂肪肝を除くすべての疾患群に比し有意な高値を示した.
    血清hHGF値は肝の組織学的所見のうち肝線維化の程度とのみ良好な相関を示した.さらに血清hHGF値は,アルブミンやコリンエステラーゼの他にIV型コラーゲン,ラミニンなどの肝線維化を表す検査値と良好な正の相関を示した.
    血清hHGF値は断酒後低下したが,それぞれの時点でも肝線維化の程度や血清線維化マーカーであるラミニン値と有意な相関を示した.血清hHGF値は肝線維化と何らかの関連を示しているものと推測された.
  • 鋳型走査電子顕微鏡法による観察を中心として
    宮崎 卓哉
    1996 年 37 巻 3 号 p. 159-169
    発行日: 1996/03/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    黄疸肝およびステロイド投与減黄肝において,肝微小循環動態の変化が,胆管周囲血管叢(peribiliary plexus, PBP)に与える影響とその意義を明らかにするために,実験的胆汁うっ滞肝の微小血管鋳型標本を走査型電子顕微鏡によって観察した.
    肝外胆管閉塞型,肝内胆汁うっ滞型黄疸肝にともなう胆管系の障害およびその修復過程において,PBPの径および走行に形態的変化が認められた.
    ステロイド投与減黄肝においては,肝内胆汁うっ滞型は,肝外胆管閉塞型に比べてPBPの拡張率が高く,減黄効果が認められた.
    その理由として,毛細胆管腔内に胆汁色素の貯留を認める肝内胆汁うっ滞型では,ステロイドの抗炎症,血管拡張作用が,2次的に肝血管抵抗の低下をもたらし肝微小循環血流量を増大させ,その結果,毛細胆管から類洞への胆汁移行が抑制されたものと示唆された.
  • 桑原 直昭, 東 俊宏, 田邉 真子, 藤原 明子, 湊 武, 佐々木 博雅, 辻 孝夫
    1996 年 37 巻 3 号 p. 170-175
    発行日: 1996/03/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    慢性肝疾患患者に頭部MRI検査を施行した.慢性肝炎患者では変化を認めなかったが,肝硬変患者では59.2%にbasal gangliaに左右対称性の信号強度の増強が観察された.この所見は血清のFischer比の低下,チロジン,フェニールアラニン,ヒアルロン酸濃度の上昇,プロトロンビン時間の延長,血小板数の低下と有意に関連した.有所見群の34例の経過観察中,6例に顕在性肝性脳症が発現したが無所見群からは認められなかった.以上の成績より肝硬変患者における頭部MRIでの大脳基底核部位の信号強度の増強は進行した慢性肝機能障害時に出現し,潜在性肝性脳症の早期診断の指標となりえる可能性が示されたが,経口分枝鎖アミノ酸製剤の長期投与によってもこの異常所見の改善は認められなかった.
  • 木村 輝昭, 山崎 隆弘, 奥田 道有, 水町 宗治, 安永 満, 沖田 極
    1996 年 37 巻 3 号 p. 176-181
    発行日: 1996/03/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    成人型Still病の経過中,急性肝不全をきたし,死亡した1剖検例を経験したので報告する.症傍は30歳,女性.昭和63年12月より手関節痛,高熱が出現したため,当院を受診した.精査により成人型Still病と診断され,プレドニゾロン15mgで外来で経過観察されていた.平成3年7月10日より全身倦怠感,黄疸が出現,7月17日に当科受診し,急性肝不全と診断された.受診直後より,血漿交換等の治療を行うも,入院5日後,肝不全で死亡した.剖検所見では肝萎縮は認めなかったが,肝組織像では,広範肝細胞壊死と門脈域への形質細胞を含む炎症細胞浸潤を認めた.
    成人型Still病は,若年性関節リウマチの一亜型であるStill病の成人発症型で,原因不明の疾患である.本症に重篤な肝機能障害を合併する報告例は少ない.しかし,中には本症例のように重篤な肝不全をきたす場合もあり,貴重な症例と考えられたので報告した.
  • 安藤 達也, 岡本 英三, 山中 若樹, 折山 毅, 古川 一隆, 田中 恒雄, 市川 信隆, 田中 渉, 安井 智明, 黒田 暢一, 北山 ...
    1996 年 37 巻 3 号 p. 182-186
    発行日: 1996/03/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    我々は,検診にてCA19-9の軽度上昇を指摘され,超音波にて偶然発見された成人の肝間葉性過誤腫を経験したので報告する.症例は47歳の女性である.超音波やCTにて肝のS6より肝外性に発育する大きさ7cmの腫瘍を認め,腫瘍は充実性の部分と嚢胞性の部分にて構成されていた.血管造影では腫瘍全体に濃染像が見られた,良性腫瘍を最も疑ったが,悪性腫瘍も否定できず手術を施行した.切除標本では大きさ7.5cm×7.5cmの境界明瞭で光沢のある充実性腫瘍で,内部に大小の嚢胞を認めた.組織像では主に豊富な線維結合織よりなり,その間に大小の血管あるいはリンパ管や,小胆管の増生を認めた.現在,術後3年であるが,再発兆候はない.肝間葉性過誤腫の本邦報告例は64例であり,このうち15歳以下の小児例が52例と大部分を占め,成人例はわずか12例に過ぎない.小児例では腫瘍の発育速度は早く,成人例では発育速度は緩慢であるも悪性腫瘍との鑑別も困難で,共に切除が第一選択の治療である.悪性化や転移例はなく予後良好であるが,3例の再発例があり注意を要する.
  • 加藤 一哉, 葛西 眞一, 小野寺 一彦, 沢 雅之, 川端 規弘, 中澤 文朗, 今井 政人, 紀野 泰久, 川原 敏靖, Jiang B ...
    1996 年 37 巻 3 号 p. 187-188
    発行日: 1996/03/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 原田 恭子, 渡邊 洋, 司城 博志, 奥村 恂
    1996 年 37 巻 3 号 p. 189-190
    発行日: 1996/03/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 岡本 康幸, 辻井 啓之, 建島 澄子, 中野 博
    1996 年 37 巻 3 号 p. 191-192
    発行日: 1996/03/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 大月 和宣, 浅野 武秀, 岡住 慎一, 榎本 和夫, 高山 亘, 福長 徹, 三浦 文彦, 磯野 可一
    1996 年 37 巻 3 号 p. 193
    発行日: 1996/03/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 沖田 極
    1996 年 37 巻 3 号 p. 194-195
    発行日: 1996/03/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 1996 年 37 巻 3 号 p. e1
    発行日: 1996年
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
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