半導体微細加工技術および超薄膜結晶成長技術の発達により,サブミクロンスケールの極微構造の製作が可能となりっっある.このような極微構造では,いままで観測されなかった,電子の波として性質が現れる.これまで,金属および半導体極微構造において,電子波の干渉による伝導度のゆらぎ,アハラノフーボーム (AB) 効果による磁気抵抗の振動が観測されており,もっと最近では,表面超格子構造の作製や,一次元サブバンド形成に関する実験が報告されている.これらの研究は,将来電子を波として用いる電子波工学へとつながるものである.本稿では,電子波の干渉に起因する新しい効果にっいて,われわれの実験結果を交えながら最近の研究を展望する.
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