応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
93 巻, 3 号
『応用物理』 第93巻 第3号
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
Science As Art
特別寄稿 応用物理学会名誉会員随想
今月号の概要
解説
最近の展望
研究紹介
  • 吉岡 信行, 大久保 毅, 鈴木 泰成, 水上 渉
    2024 年 93 巻 3 号 p. 165-168
    発行日: 2024/03/01
    公開日: 2024/03/01
    ジャーナル フリー

    量子デバイスの発展が爆発的に進む現代において,次の時代のマイルストーンとして目指すべき課題は,実用的な問題において量子計算機によって,古典計算機の性能を凌駕(りょうが)すること,すなわち量子加速を達成することである.本稿では,その主戦場となるべき分野が物性物理学にあることを論じた最近の研究を紹介する.該当論文の主な寄与は,①テンソルネットワーク法に基づいた古典計算アルゴリズムの実行時間解析手法の提案,②命令レベルでの誤り耐性量子計算アルゴリズムの実行時間評価,③2次元強相関量子多体系における量子加速領域の発見,の3点に集約される.本稿で議論される格子模型は,量子ビット数・実行時間の双方で,これまでに知られていた他の量子加速の舞台よりも要求するリソースが少ないことから,誤り耐性量子計算機の研究開発において道標としての役割を担うことが期待される.

  • 加藤 俊顕
    2024 年 93 巻 3 号 p. 169-173
    発行日: 2024/03/01
    公開日: 2024/03/01
    ジャーナル 認証あり

    原子オーダ厚みの層状物質である遷移金属ダイカルコゲナイド(TMD)は,2次元半導体原子層材料として,特に光電子デバイスの分野で多くの注目を集めている.近年目覚ましい合成技術の進歩がなされウェーハスケールの大面積合成が実現されつつある一方で,デバイス性能に直結する品質の向上に関しては,さらなる発展が必要なのが現状である.筆者らは,本課題に対し合成機構の詳細な理解が必須であると着眼し,独自に開発した“その場観測CVD装置”を活用した研究を展開している.本稿では,これら筆者らのTMD合成機構に関する最新の内容を中心に紹介する.

  • 毛利 真一郎, 荒木 努
    2024 年 93 巻 3 号 p. 174-177
    発行日: 2024/03/01
    公開日: 2024/03/01
    ジャーナル 認証あり

    近年,原子層材料をツイスト積層した際にできるモアレ超格子系が,積層角度に応じたさまざまな物性発現の舞台として注目を集めている.一方で,フォノン物性や熱物性については未解明な点も多い.本稿では,筆者らが研究を進めているラマン分光を利用して架橋原子層モアレ超格子系の熱伝導特性の積層角度依存性を調べた研究について紹介する.

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