応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
88 巻, 10 号
『応用物理』 第88巻 第10号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
Science As Art
今月号の概要
解説
最近の展望
  • 武安 伸幸
    2019 年 88 巻 10 号 p. 659-662
    発行日: 2019/10/10
    公開日: 2019/10/10
    ジャーナル フリー

    近年,周囲の電子と比較して高いエネルギーをもつ“ホットエレクトロン”が注目されている.計測においては好まれないホットエレクトロンだが,新奇な光化学反応や光電子変換の高効率化に向けた研究が行われている.光で電子を高いエネルギー状態に励起するためには,バンドギャップを超える十分に短波長の光を注入する必要があるが,局在表面プラズモン共鳴を用いると,ホットエレクトロンを発生させることができる.ここでは,エネルギー生成への応用に関して,ホットエレクトロンの生成方法から,金属で生成したホットエレクトロンが界面を介して半導体や吸着分子へ移動するプロセス,および誘起される化学反応について概説する.

研究紹介
  • 井上 振一郎
    2019 年 88 巻 10 号 p. 663-667
    発行日: 2019/10/10
    公開日: 2019/10/10
    ジャーナル フリー

    波長が280nmよりも短いUVC光を発する深紫外LEDは,殺菌から医療,光加工,ICT応用に至るまで,幅広い分野においてその重要性が増しており,本格的な社会普及への期待がますます高まっている.近年,AlGaN系深紫外LEDデバイスの結晶品質や内部量子効率は大幅に向上してきている.しかしながら,その光出力については,青色LEDや従来深紫外光源である水銀ランプと比較すると,いまだ低い値にとどまっている.我々は,内部光吸収や光出力飽和現象(効率ドループ)の抑制を可能とするナノ光構造技術を基盤とした深紫外LEDの研究を行ってきた.本稿では,単チップにおいて光出力500mWを超える,水銀ランプに匹敵する極めて高出力な265nm帯深紫外LEDを実証した取り組みなどについて紹介する.

  • 谷口 博基
    2019 年 88 巻 10 号 p. 668-672
    発行日: 2019/10/10
    公開日: 2019/10/10
    ジャーナル フリー

    我々のグループでは最近,ゼオライトの一種であるアルミネートソーダライト型化合物において「間接型強誘電性」と呼ばれる風変わりな強誘電性を示す物質群を見いだした.アルミネートソーダライト型化合物は地球上に豊富に存在し,また主として環境親和性の高い元素によって構成されている.これまでの強誘電体材料開発はペロブスカイト型化合物を中心として進められており,キャパシタや周波数フィルタなど多くのデバイス素子として実用化に至っている.それに対して強誘電性アルミネートソーダライト型化合物は,焦電発電素子材料として鉛系ペロブスカイト型化合物も上回る特性を有し,非ペロブスカイト型強誘電体開発の新しい可能性を示している.本稿では,誘電特性や分極特性に着目しつつアルミネートソーダライト型化合物の間接型強誘電性を概説し,間接型強誘電性との関連から焦電発電素子材料としての性能を議論する.

  • 當摩 哲也, 辛川 誠, 髙橋 光信
    2019 年 88 巻 10 号 p. 673-677
    発行日: 2019/10/10
    公開日: 2019/10/10
    ジャーナル フリー

    金沢大学の有機系太陽電池を研究するグループは,電極材料を工夫することによって,大気中で塗って作製できる高耐久の逆型有機薄膜太陽電池(逆型OPV)の開発に世界に先駆けて成功した.ここでは,その先駆けとなった化学浴析出法により作製したアモルファス酸化チタン(CBD-TiOx)薄膜を電子捕集層とした逆型OPVについて概説し,現在世界のさまざまな企業から発売され始めたOPVモジュールの基礎となる技術を紹介する.また,さらなる高耐久性や高性能化を導き出す可能性のある金沢大学でのOPV分析技術と分子レベルからの高性能化技術を紹介し,OPVの将来像について議論を行う.

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