応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
81 巻, 4 号
『応用物理』 第81巻 第4号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
巻頭言
企画の意図
総合報告
解説
最近の展望
  • 川瀬 晃道
    2012 年 81 巻 4 号 p. 304-307
    発行日: 2012/04/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    0.5〜2.5THz帯の電磁波は,電波のように紙・繊維・ビニール・プラスチックなどを透過する性質をもち,光波のように取り回しやすく,さらに,試薬類が指紋スペクトルを有するというユニークな性質を併せもつため,隠蔽された薬物や爆薬の検査への応用が期待されている.禁止薬物を国際郵便に封入させて密輸するという事例が多いが,郵便物は捜査令状なしで開封ができないため1),非破壊で内容物を特定する技術が求められている.本稿では,筆者らが20年にわたり開発を進めてきた非線形光学効果による広帯域波長可変テラヘルツ光源を用いた分光測定システムについて紹介する.赤外分光光度計のテラヘルツ版ともいうべきシンプルな手法ゆえに,遮蔽物からの散乱などに強いというメリットを有しており,最近の波長可変光源の性能向上と相まって安全・安心分野への実用化が今後期待されている.

  • 安井 武史
    2012 年 81 巻 4 号 p. 308-311
    発行日: 2012/04/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    光周波数コムは,電波領域と光波領域の周波数を高精度にリンクすることを可能にしたため,超精密分光や光周波数標準をはじめとした分野で革命的進展をもたらし,2005年ノーベル物理学賞につながった.一方,周波数コムをテラヘルツ(THz)領域まで拡張できると,電波〜THz波〜光波というきわめてワイドレンジな電磁波領域に共通した「周波数」という物理量を,コヒーレントにリンクできる.その結果,各電磁波領域の境界を越えて,周波数を同一精度で論じることが可能になる.本稿では,周波数コムによるコヒーレント周波数リンクとそれに基づいたTHz周波数標準技術について解説する.

  • 北岸 恵子
    2012 年 81 巻 4 号 p. 312-316
    発行日: 2012/04/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    テラヘルツ時間領域分光は,近年,装置開発,応用測定ともにますます活発になってきている.本稿では,テラヘルツ分光測定のための標準サンプルの開発,有機結晶のスペクトル解析,塗装膜厚測定,電子材料の電気特性,医薬品の分光イメージングについて,我々の取り組んでいる研究開発の内容を紹介したい.

研究紹介
基礎講座
  • 小倉 一道
    2012 年 81 巻 4 号 p. 333-336
    発行日: 2012/04/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    走査電子顕微鏡(SEM)は細く絞られた電子線(電子プローブ)を使って,塊(バルク)状の試料の表面形状や組成の違いなどを虫眼鏡程度の倍率から10万倍を超える倍率で観察を行う装置である.SEMで得られる像(二次電子像や反射電子像)は,高い分解能と大きな焦点深度を有するため,凹凸の激しい試料の表面観察に威力を発揮する.またSEMにさまざまな検出器を装着することにより,試料の元素情報や結晶性試料ではその結晶情報を得ることができる.

feedback
Top