有機材料は, 2次の非線形光学材料としてはすでに実用化問近なところまできているのに対し, 3次の非線形光学材料としては,なお基礎研究の段階にある.素材としては,ポリジアセチレンをはじめとする共役高分子,およびフタロシアニン色素などの共役低分子の両面から検討が進められている.応用展開上重要な,常温・非共鳴領域での感受率では,無機ガラス,半導体などの従来材料を上回っているが, IC的なオールオプティカルデバイス実験を可能にするには,なお2桁以上の性能向上が必要であり,革新的なアイディアと合成・材料化面での試みが求められている.
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