ブリユスター角顕微鏡に代表される新しい光学顕微鏡の出現により,分子1層の超薄膜である水面上単分子膜(ラングミュア膜)のマクロな構造が,容易に霞接観察できるようになった.蛍光(偏光)顕微鏡,ブリュスター角顕微鏡,反豹型偏光顕微鏡か,現在膜の特性に応じて使い分けられており,光学異方性のない膜ならば膜厚や誘電率の空間分布を,あるものについては光学軸の分布を,明暗の像として観察することができる.われわれは,液晶性単分子膜の特異なパターン形成を見いだしたのをきっかけに,反射型偏光顕微鏡の光学軸に関する定性的な機能を1歩進めて,異方性薄膜の光学軸について,方位角・ティルト角をともに,像の各点で建箪的に求められる,回転型反射偏光顕微鏡を考案・作製し,これを用いて実際に液晶性単分子膜の光学軸決定を行った.この顕微鏡は,バルクの液晶表藏での光学軸分布の解析にも適用でき,バルクの配向状態によらずにプレティルト角を絶対値で与えることも可能である.
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