応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
79 巻, 9 号
『応用物理』 第79巻 第9号
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
巻頭言
企画の意図
解説
研究紹介
  • —高性能電池のための理論基盤構築に向けて—
    杉野 修
    2010 年 79 巻 9 号 p. 824-827
    発行日: 2010/09/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    環境エネルギー技術への注目度の高まりとともに水の電気分解や燃料電池反応といった固液界面反応を基礎から理解しようとする機運が盛り上がっている.この反応は電極触媒機能や溶媒効果抜きでは語れない複雑なものであり,その理解には電気・触媒化学から表面科学にわたる総合的知識が必要となる.最近,そのミクロな様子が第一原理分子動力学シミュレーションにより明らかにされようとしている.それが燃料電池の材料設計や次世代電池の新動作原理の提案などにつながるものと期待される.

  • 坂東 博
    2010 年 79 巻 9 号 p. 828-831
    発行日: 2010/09/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    バイオディーゼル燃料は再生可能燃料として,また温室効果気体排出削減対策技術の一つとして注目されている.本小論では,超音波作用を利用した効率的なバイオディーゼル燃料の製造法について述べる.バイオディーゼル燃料は,植物油とアルコール,特にメタノールのエステル交換反応により得ることができる.この反応の化学的基礎と液体に超音波を照射した際に起きる超音波作用を概観したうえで,実証製造装置によりわれわれが超音波作用を利用して高効率にバイオディーゼル燃料を製造している内容について紹介する.

  • 寒川 誠二
    2010 年 79 巻 9 号 p. 832-835
    発行日: 2010/09/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    微細加工や薄膜堆〔たい〕積〔せき〕に用いられるプラズマプロセスの進歩が半導体デバイスの微細化・高集積化を促進してきたといっても過言ではない.しかし,ナノ領域に突入した半導体デバイスでは,プラズマから照射される電荷や紫外線などによる半導体表面での欠陥生成はデバイス特性を大幅に劣化させる.また,薄膜堆積ではプリカーサ分子のプラズマ中での解離が激しいために堆積される膜の構造を精度よく制御することが難しく,さらにプラズマによる欠陥生成が膜成長を阻害するため,基板温度を400°C 以上に高くして成膜を促進する必要がある.そのため,今後重要となる超微細トランジスタやフレキシブル有機材料基板への膜堆積が難しいなど,多くの課題を抱えている.そこで,プリカーサの解離および表面での欠陥生成を極限まで抑制したうえで,運動エネルギーをもった中性粒子ビームによる表面活性化反応を利用することで低温にもかかわらず良質な薄膜を膜質制御して堆積できる技術がブレークスルーとなる.本稿では中性粒子ビーム励起堆積技術による超低誘電率SiOCH膜形成技術について紹介する.

基礎講座
feedback
Top