応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
84 巻, 3 号
『応用物理』 第84巻 第3号
選択された号の論文の18件中1~18を表示しています
Science As Art
今月のトピックス
今月号の概要
解説
最近の展望
研究紹介
  • 相対論的シフトの検出とその測地的応用の可能性
    井戸 哲也
    2015 年 84 巻 3 号 p. 240-244
    発行日: 2015/03/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    光格子時計は秒の再定義を実現する光周波数標準の方式としてだけでなく,重力ポテンシャル差を直接かつリアルタイムに検出するプローブとしても注目されており,そのためには空間的に離れた光格子時計間の周波数を高精度に比較することが必要である.これらの応用を見据え,ともにストロンチウム光格子時計をもつ情報通信研究機構(NICT),東京大学,ドイツ物理工学研究所(PTB)を光ファイバや通信衛星により結んで,光格子時計の生成周波数の比較を行った結果を紹介する.とりわけNICT-東京大学間のファイバリンクでは標高差56mに基づく一般相対論的重力シフトをごく短時間の測定で明瞭に観測し,将来の光格子時計の測地学への応用の可能性を示唆している.

  • 吉田 弘幸
    2015 年 84 巻 3 号 p. 245-249
    発行日: 2015/03/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    有機半導体のLUMO準位(空準位,電子親和力)のエネルギーについての情報は,電子伝導に関わることから有機エレクトロニクスにとって重要である.それにもかかわらず,これまで適当な実験手法がなく,測定が困難であった.我々は,低エネルギー逆光電子分光法という新しい測定法を開発し,有機デバイスと同じく薄膜試料についてのLUMO準位の精密測定が可能になった.本稿では,その原理や特徴について述べる.また,有機発光素子や有機太陽電池などの有機エレクトロニクスへの本手法の応用例についても紹介する.

  • 藪 浩
    2015 年 84 巻 3 号 p. 250-253
    発行日: 2015/03/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    筆者らは高分子鎖を連結させたブロック共重合体や2種以上の高分子の混合物であるポリマーブレンドから高分子微粒子を作製する簡便な手法(自己組織化析出法)を報告している.本手法を用いて作製した高分子微粒子内部には,相分離に基づくユニークなナノ構造が形成されることを見いだした.また,ナノ構造の制御や微粒子サイズが相分離構造に与える影響,およびナノ構造をもつ高分子微粒子の無機ナノ粒子による機能化についても検討しており,本稿ではその概要について紹介する.

基礎講座
特別記事
  • 2011年春季講演会の中止とその経緯
    宮﨑 謙士, 堀 勝, 芳野 久士
    2015 年 84 巻 3 号 p. 262-265
    発行日: 2015/03/10
    公開日: 2019/09/27
    ジャーナル フリー

    2011年3月,東日本大震災によって開催中止となった第58回応用物理学関係連合講演会.計画停電や原子力発電所事故の状況が刻々と変化する中で,厳しい判断を迫られることになった背景には何があったのか.当時,講演会企画運営委員長を務めた堀勝氏と前事務局長の芳野久士氏の資料を基に,いかにして講演会が開催中止に至ったか,その経緯を紹介すると同時に,震災時の講演会運営の資料としてここに記しておきたい.

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