シリコン系集積回路の集積度と性能の限界に関する考察を基に,これによって実現されるVLSIコンピューターの極限のイメージを探っている.
従来構成の汎用プロセッサーでは,現在の10倍の性能の200MIPSが実現可能である.またパーソナルユースのプロセッサーとして,国民の大多数が容易に使用できて,かつ20MIPSと現在の超高速プロセッサーに匹敵する性能の1チッププロセッサーが実現されよう.特殊用途の超高速プロセッサーとしてはアレイ型が有望で,これにより数100GFLOPSの科学演算プロセッサーや100万個のプロセシングエレメントを並べた画像処理用プロセッサーなどが実用化される.
コンビューターシステムとしては,超高速汎用プロセッサーを中心に,その周囲に特殊用途プロセッサーを,またユーザサイトには1チップパーソナルプロセッサーをおいたコンピューターコンプレックスが実現され,現在のコンピューターに比べて2~3桁もの高速・大規模なコンピューターシステムができあがることとなろう.
抄録全体を表示