ディープサブミクロンMOSFETにおいては,高性能と高信頼性を同時に満たす極薄 (<10nm) のゲート絶縁膜が要求される.本編では,急速加熱法 (RTP) による(再酸化)窒化酸化膜を従来のSiO
2膜に代わるものとして提案し,その物理特性,欠陥電荷密度, TDDB信頼性, MOSトランジスタ性能,およびホットキャリア信頼性を調べている.従来炉による典型的な重い窒化とは対照的に,軽い窒化をその後の再酸化と組み合わせることで,信頼性が著しく改善されると同時に, SiO
2膜と同等あるいはより高いデバイス性能を実現することができる.以上のように, RTPにより形成した極薄の(再酸化)窒化酸化膜は,従来のSiO
2膜に代わるMOS ULSIのゲート絶縁膜として,実用上きわめて有望であると思われる.
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