応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
最新号
『応用物理』 第94巻 第3号
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
今月号の概要
解説
研究紹介
  • 村上 勝久
    2025 年 94 巻 3 号 p. 137-141
    発行日: 2025/03/01
    公開日: 2025/03/01
    ジャーナル 認証あり

    近年の先端半導体デバイスの微細化に伴い,半導体製造での電子ビーム装置の高分解能,高スループット化への要求が高まっている.平面型電子源は半導体微細加工技術で作製可能であるためアレイ化によるマルチビーム化が容易であるが,エネルギー単色性と放出電流密度に課題があった.原子層物質の優れた電子透過性を用いることでその課題を克服し,高い放出電流密度と従来型電子源を凌駕(りようが)するエネルギー単色性を実現する平面型電子源を開発した.

  • ナノギャップナノ粒子の作製とセンサ応用
    中村 暢伴
    2025 年 94 巻 3 号 p. 142-145
    発行日: 2025/03/01
    公開日: 2025/03/01
    ジャーナル 認証あり

    ナノ材料に関する研究では,形状や内部組織が均一な薄膜やナノ粒子が注目されることが多いが,我々の研究では,基板上にナノメートルオーダの間隔で不規則に並べられた“ナノギャップナノ粒子”に注目している.ナノギャップナノ粒子を作製するためには,ナノ粒子の形成過程をリアルタイムに観察する手法が必要であり,これまでに圧電体の共振を用いた抵抗率スペクトロスコピー法を開発してきた.本稿では,我々が開発したナノ粒子の形成過程観察手法と,ナノギャップナノ粒子を用いた水素ガスセンサの開発およびコアシェルナノ粒子の形成過程観察に関する研究成果を紹介する.

  • 津金 麻実子, 鈴木 宏明
    2025 年 94 巻 3 号 p. 146-150
    発行日: 2025/03/01
    公開日: 2025/03/01
    ジャーナル フリー

    リポソームはリン脂質から人工的に作製した脂質二重膜小胞であり,その構造とサイズから人工細胞モデルの構築に用いられている.実験の再現性や定量的な分析のために,サイズが均一,均質かつ分子の内封効率が高いリポソームの製造法が必要となる.本稿では,我々のグループが開発したマイクロ流体デバイスを用いた単分散リポソーム作製システムを説明する.このシステムでは約100%の収率で直径25~45µmの単分散リポソームを得ることができる.また人工細胞への応用に向けて,リポソームに無細胞転写翻訳系を内封し,タンパク質の合成と膜への組み込みが進行する条件を検討した結果について紹介する.

  • 杉 拓磨, 伊藤 浩史
    2025 年 94 巻 3 号 p. 151-155
    発行日: 2025/03/01
    公開日: 2025/03/01
    ジャーナル フリー

    アクティブマター物理学は,自己駆動する要素の集団挙動を研究する分野である.アクティブマターは,エネルギーの供給によって駆動力を獲得したコロイド粒子,生体高分子,細胞,動物個体などが挙げられる.アクティブマター集団は,エネルギーを内部で均等に分配する通常の物質とは異なり,対称性を破って特定の運動や変形パターンを示す.例えば微生物,魚や鳥の群れや人間の集団などの生物システムから自動車などの人工システムまで複雑なパターンが形成され,そのメカニズムについてさまざまな視点から研究がなされている.本稿では,筆者らのモデル動物である線虫C. elegansを利用した研究を中心に紹介する.

基礎講座
Inside Out
委員会だより
編集後記
feedback
Top