応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
最新号
『応用物理』 第93巻 第4号
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会長メッセージ
Science As Art
今月号の概要
総合報告
  • 山田 穣
    2024 年 93 巻 4 号 p. 206-217
    発行日: 2024/04/01
    公開日: 2024/04/01
    ジャーナル フリー

    1986年の高温超電導の発見から38年.いよいよ大規模な応用が見えてきた.それが高温超電導小型核融合である.これには従来にない高磁場の大型超電導コイルが必要であり,そのため多量の高温超電導線が必須となる.総量は億kmレベルにもなるため,現在,線材各社は総力を挙げて量産化に取り組んでいる.本稿では,現在主流となっているIBAD-PLD法REBCO線を中心に,量産化へ至る技術開発の道のりと今後の課題を述べる.40年ぶりのチャンスであるが,資金‐開発研究‐産業化にこれまでにない国際的な連携が必要であり,次代の産業と経済を担う若い研究者,技術者,起業家に参考にしてもらいたい.

解説
  • 小川 新平
    2024 年 93 巻 4 号 p. 218-224
    発行日: 2024/04/01
    公開日: 2024/04/01
    ジャーナル 認証あり

    グラフェンは炭素原子1層の2次元物質であり,その優れた光・電子物性によりさまざまなデバイスへの応用が期待されている.本稿では,このようなグラフェンの光センサ,特に赤外線センサへの応用について解説する.グラフェンの赤外線センサ応用への期待と課題を整理したあと,デバイス化後の特異な光検出原理を明らかにする.さらにグラフェン固有の高感度化手法である光ゲート効果について述べる.最後に,光ゲート効果の信号増幅効果に加え暗電流抑制を可能にするグラフェン光ゲートダイオード構造と素子を2次元周期のアレイに配置することにより実現したグラフェン赤外線イメージセンサについて解説する.

  • 田中 今日子
    2024 年 93 巻 4 号 p. 225-230
    発行日: 2024/04/01
    公開日: 2024/04/01
    ジャーナル フリー

    相変化の初期段階における核生成過程はさまざまな分野に関連する基本的な過程であるが,理論的に予測される核生成率は不定性が大きいことが知られている.分子動力学(MD)計算は,核生成過程の詳細を分子レベルで調べる有力な手法であり,核生成率だけでなく,臨界核,核形成のギブスの自由エネルギー,分子の付着確率などさまざまな情報が得られ,理論を多角的に検証できる.多数の粒子を用いたMD計算により,より低い核生成率の現象を追うことができ,実験データと同じ条件の再現もできるようになってきた.本稿では80億体の分子を用いた気相からの液相への凝縮核生成や,5億体の分子を用いた液相からの気泡核生成など,いくつかの核生成現象をMD計算により調べ,高精度な核生成モデルの構築を行った例を紹介し,実際の自然現象への応用例や新たな展開についても言及する.

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基礎講座
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編集後記
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