最近は量の時代から質の時代へと変化しつつあり,光沢感,まぶしさ,書らつき感,画像の質感,鮮明さなどの感覚量が製品の良否に大ぎく左右する.しかしながら,現状では感覚量が単なる物理量を用いた式の定義として表される場合が多く,実際に人間の知覚する感覚量と異なる場合がある,ここでは,視覚特性を考慮した新しい光沢度計測方法を述べることにより,感覚量に一致する心理物理量を提案するまでの手順を概説する.はじめに,従来の種々の計測法による光沢度が人間の知覚する光沢感と異なることを示す.次に,光沢感という人間の感覚量を定量化する方法を概説する.さらに,新しい光沢度計測法を提案し,人間の視覚特性を考慮することの重要性を述べる.また,簡単なモデルを用いて人間の光沢知賞機構についても若干解説する.
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