応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
71 巻, 8 号
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
  • 大泊 巌
    2002 年 71 巻 8 号 p. 951
    発行日: 2002/08/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
  • 村上 陽一郎
    2002 年 71 巻 8 号 p. 961-963
    発行日: 2002/08/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    近代科学と近代技術とは,その出発点においては異なった流れを形成し,相互の連関は原則的には存在しなかった,しかし,20世紀後半になって,科学と技術の間に新しい関係が生じた.それは相互依存的な関係ということができる.ナノテクノロジーの出現も,そうした動きの一つとして位置づけられる.20世紀技術全体の特徴としてあげられるのは,大量生産技術であり,そのための規格化,標準化であり,また領域化であった.しかし,20世紀後半になると,複合化の傾向が強くなった.特に生命科学にかかわる技術の進展の中で,その成果を織り込んだ複合技術が目立ち始めている.ナノテクノロジー(すべてではないだろうが)の重要な部分は,そうした傾向を強固に裏づける結果となっていることに注目しておきたい.
  • 福間 雅夫
    2002 年 71 巻 8 号 p. 964-969
    発行日: 2002/08/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    これまで微細化を高性能化の原動力としてきたSi-ULS/は,サブ100nm以下の加工領域に突入しつつある.サブ100nmULSIでは,従来の単純なスケーリングとは異なり,高誘電率ゲート絶縁膜や低誘電率層間絶縁膜といった新材料新プロセスを用いるポストスケーリング時代になる,将来のナノメートル・デバイスでの微細化限界を見据えながら, Si-ULSIの継続的高性能化と今後の展望について述べる.
  • 矢野 和男, 石井 智之
    2002 年 71 巻 8 号 p. 970-974
    発行日: 2002/08/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    ナノメートルサイズ構造を利用した素子として単一電子素子,およびこれを応用した素子の研究の流れを概観する.さらにナノドット記憶ノードの高信頼不揮発性メモリーおよび超低リークの極薄多結晶シリコントランジスタを利用したRAMについて紹介する.
  • 横山 直樹, 粟野 祐二, 菅原 充, 中田 義昭, 大島 利雄
    2002 年 71 巻 8 号 p. 975-981
    発行日: 2002/08/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    米国の国家ナノテクノロジー戦略をきっかけとして,日本国内においてもナノテクノロジーに大きな関心が寄せられ,国のリソ-スも集まるようになってきた.名前先行で,実態が伴っていないとの批判も一部あるが,日本に漂う閉そく感を払拭するためにも,前向きにとらえ,産学官の知恵と勇気を出し合って将来の基盤技術として大きく育てあげたいものだ.そのためにも砂上の楼閣とならぬよう,地についたナノテクノロジーの研究を行う必要がある.本稿では,ナノテクノロジーのルーツともいえる化合物半導体分野のこれまでの技術経緯を述べ,ナノテクノロジ-を利用してデバイスが具現化しているHEMTや量子ドットデバイスの現状と将来展望について概観する.
  • 小野 崇人, 江刺 正喜
    2002 年 71 巻 8 号 p. 982-988
    発行日: 2002/08/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    マイクロマシニング技術は,半導体の加工技術をベースとし多数の要素を集積化させることでさまぎまなマイクロ電気機械システム (MEMS) を実現した,MEMS要素をさらに小型化したナノ電気機械'システム (NEMS) は,より高感度,高速応答,低消費電力,低駆動電圧のシステム;を実現すると期待されている.本稿では, NEMSの現状,問題点とその将来について述べる.
  • 木塚 徳志
    2002 年 71 巻 8 号 p. 989-995
    発行日: 2002/08/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    ナノテクノロジー研究において,ナノ構造;を作製するときの原子挙動を観察することの重要性と,その実験を実現するときの条件について述べた.この観察法の一例と.して,ナノチップ;を操作してナノ構造を作製するときの原子挙動をその場で観察する手法について解説した.この手法は,透過電子顕微鏡法をもとに開発されたものであり,金の点接触境界や原子ワイヤーなどのナノ構造の示す原子挙動だけでなく,その個別の電気伝導特性と力学特性も同時に観察できる実験法である.この手法を用いて,原子的視点に立った材料力学研究がはじめてできるようになったことを紹介した.
  • 横山 浩, Jong-Hyun KIM, 米谷 慎
    2002 年 71 巻 8 号 p. 996-1001
    発行日: 2002/08/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    液晶(用語)は分子の向きがそろった異方性液体であり,電場,磁場や界面などの微妙な変化に敏感に応答する特徴をもつ.これを利用して,平面ディスプレイや高感度の物理化学センサーに広く応用さ1れている.ナノテクノロジーは,液晶の優れた性質のさらなる利用を促すだけではなく,液晶の物性や機能を目的に応じてデザインし,人為的に作り上げる新たな可能性を与えてくれる.本稿ではその一例として,原子間力顕微鏡(AFM(用語))を使ったナノスケールの表面配向処理一ナノラビング法一と,それによって初めて実現さにれた汎用性の高いメモリ-液晶デバイスを紹介する.
  • 小沼 和夫
    2002 年 71 巻 8 号 p. 1002-1006
    発行日: 2002/08/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    カーボンナノチューブとカーボンナノホ-ンのそれぞれの応用研究について紹介する。カーボンナノチューブについては壁掛けテレビ応用に必要な薄膜形成,パターンエッチング技術,カーボンナノチューブ上への絶縁膜と導電膜を積層する技術などの重要なナノテクノロジーが開発された.カーボンナノホ-ンの応用として携帯機器用燃料電池としての動作確認が完了した.ナノテクノロジー開発が進むことでナノ材料を用いた応用機器開発の展望が開けている.
  • 田畑 仁, 川合 知二
    2002 年 71 巻 8 号 p. 1007-1013
    発行日: 2002/08/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    あらゆる生命体の遺伝情報を担うDNA分子は,ナノエレクトロニクスの見地からも大変興味深い.DNA分子は,自身の中に情報がプログラムされており,かつ自己複製する唯一の材料である.情報は, 0.34nm間隔(塩基配列の間隔)で集積されており,ナノスケールアドレスを有する鋳型としての利用が期待できる.本来約5eVのバンドギャップをもつ絶縁体であるDNA分子は,ヨウ素を用いた化学ドーピング,ナノ電極/Si基板に形成したDNA-FET素子における電界制御,蛍光分子修飾による光スイッチングなど,ユニークな特性を示す.まるで分子版のシリコンのようである.
  • 山下 一郎
    2002 年 71 巻 8 号 p. 1014-1019
    発行日: 2002/08/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    半導体の微細加工技術はムーアの法則の破たんが言われ始め,新しいナノメートルサイズ微細加工技術が望まれている.そしてナノテクノロジー(NT)がその問題を解決できるものとして期待されている.一方,最近のバイオテクノロジーの進歩はめざましく,たんぱく質や口NAなどのナノメートルサイズの生体分子を取り扱うことが可能となってきている.そして,この生体分子の自己組織化がボトムアップナノ構造作製に利用できるのではないかという気運が高まりつっある.今,バイオテクノロジー (BT) とナノテクノロジー (NT) が出会い,融合しつつある.ここではBTとNTの融合に関係する研究例をいくつか紹介し,そのポテンシャルを示すと同時に,今後の両者の融合の課題を記述した.
  • BT, IT, NTの融合による新領域の形成と展開
    佐藤 憲子, 新井 賢一
    2002 年 71 巻 8 号 p. 1020-1026
    発行日: 2002/08/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    バイオテクノロジー (BT) は分子生物学に基づき,生命科学における新知識獲得に基づく頭脳集約的なネットワーク型の産業を創出する可能性を秘めている.生命系はゲノム情報を共通言語とするデジタル情報をもとに,分子レベルでのアナログ情報に変換することにより,増殖,発生分化,環境応答,自己制御などのさまぎまな営み;を行う.先端医療はこのような生命原理の理解に基づき,ゲノム医科学を含む統合型アプローチをめざすものであるが,BTのみの領域にとどまらず,情報科学 (IT), ナノテクノロジー (NT) の協力と融合,それらの研究開発ネットワークを必要とする.生命科学,先端医療におけるNTの意味と重要性について解説する.
  • 亀井 信一
    2002 年 71 巻 8 号 p. 1027-1032
    発行日: 2002/08/10
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    ナノテクノロジーは, 21世紀をリ-ドするキーテクノロジーといわれ,材料エレクトロニクス,情報通信,環境・エネルギー,バイオ,創薬・医療などの幅広い分野でブレークスルーをもたらすとの強い期待が寄せられている.本稿では,ナノテクノロジーを巡る最近の動向を概説するとともに,主として産業化の立場からナノテクノロジーのインパクトについて論じた.ナノテクノロジーの国際競争力について最新の調査結果を示すとともに,ナノテクノロジーが,研究開発,事業スタイル,社会の変革をもたらすことについて述べた.
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