材料の光学的性質は,その物質の存在様式によって決まる.まず,結晶であるか非晶質(アモルファス)であるか,次に,結合形態が共有結合,イオン結合,ファン・デル・ワールス結合,金属結合のいずれであるかが,重要な因子である.さらに,結合の次元性が決め手になる場合もあり,強磁性,強誘電性,電荷密度波の立った状態など,温度変化に対して物質の存在様式が変化する場合も,光学的性質の観点から面白い.非線形光学応答にも触れたい.本稿では,これらの物質の存在形態と光学的性質の間の関係について広くながめてみたい.
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