35S-O-benzoyl thiamine disumde (
35S-BTDS) と
35S-thiamine (
35S-B
1) のマウス生体内の代謝動態を比較するために, 成熟マウスにそれらを経口投与し, 凍結法によってつくった全身切片のオートラジオグラムより生体内分布を比較した。投与後の経時的推移を放射能写真上より見ると,
35S-BTDS投与群においては早期に肝臓, 心臓, 肺臓をはじめほかの組織において強い放射能活性が現われ,
35S-B
1投与群にくらベ明らかに取込み速度および濃度に差のあることがわかり, 同時に持続性の点でもBTDSはB
1よりかなり良いことが認められた。また投与量を200μgより2000μgまで増加させて両群を比較すると
35S-BTDSのほうは投与量に比例して臓器内濃度が高くなり
35S-B
1とくらべ著明な差のあることが認められた。さらに幼マウスにおいて凍結法によるオートラジオグラムをつくり, パラフィン包埋法のそれと比較した。また
3H-BTDSを用いてオートラジオグラムをつくったところ解像力の良いことが認められた。
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