RADIOISOTOPES
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19 巻, 11 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • 大野 明, 石橋 済, 稲本 金也, 佐藤 乙丸, 末吉 徹, 鈴木 進, 野中 甲蔵, 平田 明, 古市 昭夫, 本多 健一, 前橋 陽一 ...
    1970 年 19 巻 11 号 p. 489-500
    発行日: 1970/11/15
    公開日: 2010/09/07
    ジャーナル フリー
    ミクロオートラジオグラフの分解能に主眼をおいて共同実験を行なった。実験のあらましは, まず放射化した銀と放射化しない銀の薄板を交互に積層し圧延して試料を作製した。銀の各層の厚さは2.5μ~17μである。この試料を使いコンタクト法, ストリップ法, ディップ法によって, 試料の厚さ, 分離膜の厚さ, 乳剤の加圧, 露出中の湿度が分解能に及ぼす影響について詳細に調べた。その結果は以下のとおりである。
    (1) 放射化した銀と放射化しない銀の薄板を積層, 加圧することにより, オートラジオグラフィにきわめて適した試験体を作ることができた。
    (2) コンタグト法の場合は加圧法や半湿式法によらない限り, 一般に分解能は非常に低いようである。
    (3) ストリップ法では層厚5~7μが分解の限界のようである。
    (4) 分離膜厚の分解能に及ぼす影響は大きく, その物質の選択と膜厚の調節が重要である。
    (5) 露出中の湿度の影響が大きく, 30~40%の湿度に調節する (飽和塩化カルシウム水溶液の雰囲気) のがよい。
    (6) 実験結果から得たレスポンス関数と, 理論計算から求めたそれとはきわめて良い一致がみられ, この計算方法は他の場合にも利用できるであろう。
  • 千葉 元〓
    1970 年 19 巻 11 号 p. 501-506
    発行日: 1970/11/15
    公開日: 2010/09/07
    ジャーナル フリー
    3H-thyniidineを用いるオートラジオグラフィにおいて, 標識指数 (LI) を求める場合, LI=1-Y0/P0の式を用いることによってバックグラウンドの補正を行なうことができる。この場合Y0は, 3H-thymidine投与群における銀粒子をもたない細胞核の割合, P0は, 対照群, あるいはラジオアイソトープの取込みがないと考えられる組織の観察によって得られるバックグラウンド銀粒子をもたない細胞核の割合である。本実験では, 3H-thymidine投与1時間後のラット下顎切歯歯根膜における標識指数の測定にさいし, 対照動物の同じ組織およびラジオアイソトープの取込みがないと考えられる3H-thymidine投与動物の象牙質を用いてバックグラウンドの補正を行なった結果, ほぼ一致する値を得た。
  • 5-lodouracil-131Iおよび6-lodopurine-131Iの全身オートラジオグラフィ
    前田 辰夫, 河野 彬, 永尾 公一郎, 小嶋 正治
    1970 年 19 巻 11 号 p. 507-510
    発行日: 1970/11/15
    公開日: 2010/09/07
    ジャーナル フリー
    5-iodouracil-131I (5-131IU) と6-iodopurine-131I (6-131IP) の担がんマウスにおける生体内分布を全身オートラジオグラフィにより検討した。5-131IUはシソチレーションカメラによる描画とほぼ一致しており, 胃, 甲状腺, 膀胱, 腫瘍に多く分布していた。48時間後では甲状腺および胃のみに分布しており, 他の臓器にはみられなかった。
    6-131IPは2時間後ですでに胃, 腫瘍に分布するが, その他シンチレーションカメラではみとめられなかった甲状腺, 唾液腺への分布が見られたことから6-131IPも生体内で分解されることが推察された。腫瘍に分布している放射能は腫瘍の血管成分にとむ部分に多くみとめられた。
  • 松岡 理, 鹿島 正俊, 上島 久正, 野田 豊
    1970 年 19 巻 11 号 p. 511-517
    発行日: 1970/11/15
    公開日: 2010/09/07
    ジャーナル フリー
    全身オートラジオグラフィのテクニックを非放射性物質の領域にまで拡大するためのこころみとして・whole body activation autoradiographyと名づける方法が開発された。本法は動物への金属の慢性蓄積, 危険な物質の吸入投与などかなりの分野で応用が期待されるが, 共存する天然元素の放射化の影響や, 標本作製のための材料の放射化など技術的に困難な点が多い。本論文ではこれらの問題を実際にターゲット核種を投与して標本を作り, これを用いて中性子照射により本法の可能性を検討した。この結果本法はよく選ばれた材料を用い, よく検討された照射およびcoolingなどがなされれば, かなりの核種について本法を実際に応用することが可能であることが立証され, これに伴う各種の要因についての検討がなされた。
  • 3Hオートラジオグラフィにおける制動放射の影響
    大塚 峯三, 佐久間 真理, 佐藤 善重
    1970 年 19 巻 11 号 p. 518-524
    発行日: 1970/11/15
    公開日: 2010/09/07
    ジャーナル フリー
    3Hおよび11C化合物を含マウス全身切片の組織面とセロテープ面にフィルムを密着露出して, 全身オートラジオグラムを得た。ところが60μのセロテープを介して3Hの投与部位である背部皮下に黒化像が検出された。3Hのβ線がセロテープを通過してフィルムを感光させると考えるのは, そのエネルギーからして無理である。したがってこのフィルムの黒化は異常現象であると思われた。そこでこの現象がなぜ生起したのかを究明するため, 専用のX線フィルムおよびカラーフィルムを用いて種々の遮蔽物を介してのオートラジオグラフィを行なった。その結果, このフィルム上の黒化は3Hのβ線が直接乳剤膜に作用して生起したのではなく, 3Hのβ線とセロテープとの間の相互作用の結果によることがわかった。そしてそれは相互作用の結果生じた制動放射の影響であると考えられた。また制動放射は他の遮蔽物, たとえばAlバク, ガラス板, カーボン紙, スコッチテープ, それにルミラー膜などでも生起した。
  • 青柳 忠雄, 藤平 栄一, 葉 可霖, 重松 昭世
    1970 年 19 巻 11 号 p. 525-531
    発行日: 1970/11/15
    公開日: 2010/09/07
    ジャーナル フリー
    3H-メチオニンをマウスに静脈注射し, 直後, 30分および2時間後に肝, 腎, 脾, 小腸を摘出し, -70℃で凍結し, -20℃で切片を作成した。このさい-20℃から室温までの温度上昇は乾燥経過時に行なうベきでないことを見出した。“Dry Method”によって原子核乳剤を被覆した実験結果からメチオニンもしくは水溶性のラベル体は各組織にび慢的に分布し, 時間の経過に伴い減少すること, また, 非水-脂溶性成分のラベル体は, 投与直後では肝細胞質および細胞核に多くみられ, そののち脾, 小腸など細胞分裂の盛んな核へ移行することを観察し得た。
  • 中島 栄一, 進藤 英世, 栗原 紀夫
    1970 年 19 巻 11 号 p. 532-538
    発行日: 1970/11/15
    公開日: 2010/09/07
    ジャーナル フリー
    マウスにα-, β-およびγ-BHC-14Cおのおの4μCi (22, 32および21μg) /bodyを腹腔内投与し, 全身オートラジオグラフィで体内分布と残留性をしらべた。その結果, 中枢神経にはいずれも速やかに移行したが, α体がとくに著しく白質のみに移行するに対し, β体は灰白質に, またγ体は脳全体に低濃度の移行を示した。
    脂肪組織への移行はいずれの異性体も速やかにおこったが, αおよびγ体は24時間後でほぼ消失したのに対し, β体のみが20日後にも全身の脂肪に著しい残留性を示し, 肝臓にも放射能が存在した。24時間後の脂肪内濃度はβ体がγ体に比べて40~90倍と高く, また尿中排泄量もβ体は低く, 24時間後で約10%と, β-BHC-14Cの体内貯留性の高いことが示された。一方, β体もγ体と同様に体内で代謝され, その代謝産物は両者ともほぼ等しいことがTLCで確認された。
    各BHC異性体の有機溶媒と水との分配係数はβ≫α>γであり, この順位は脂肪残留性と一致した。BHCの慢性毒性としての肝臓への作用は, 蓄積が直接の要因ではなく, 脂肪に貯留したBHCが徐々に血中に流出し, 長期にわたって肝臓に作用することによるものと推定された。
  • 松井 浩
    1970 年 19 巻 11 号 p. 539-545
    発行日: 1970/11/15
    公開日: 2010/09/07
    ジャーナル フリー
    β線放射粒子からなる塵埃の放射能および粒度分布を測定する方法の1つとして, オートラジオグラフィによる方法を検討した。X線フィルムと原子核乾板のβ線に対する黒化特性を比較し, 分布測定上の問題点を調べた。X線フィルムの現像時間および温度の変化に対する黒化径の誤差は, それぞれ±0.1分, ±0.5℃のとき2~3%であり, 無視できる程度であった。線源と乾板の間の隔離層としてライファンを使用した場合50μ (~5mg/cm2) 程度までは核分裂生成物からのβ線に対して黒化径の変化を示さなかった。
    オートラジオグラフィによるβ線放射粒子の放射能分布および粒度分布決定における誤差, および実用上の要点について考察し, 測定例を示した。
  • 鹿島 正俊, 上島 久正, 松岡 理
    1970 年 19 巻 11 号 p. 546-550
    発行日: 1970/11/15
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
  • 内山 充
    1970 年 19 巻 11 号 p. 551-563
    発行日: 1970/11/15
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
  • 1970 年 19 巻 11 号 p. A1099-A652
    発行日: 1970/11/15
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
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