再処理プロセスにおいて抽出溶媒として用いられるTBPは一部が放射線分解によりDBP等の分解生成物となり, プロセス上種々の問題を生じるが, 分析が難しいことから分解生成物の挙動は充分には解明されていない。そこで,
31P NMRを用いたDBPの定量分析と化学状態分析を検討した。
その結果, スペクトルのピーク面積からTBP中のDBPを検量線なしに定量分析できることが分かった。また, 溶媒洗浄剤中のDBPの化学状態を化学シフトを用いて分析し, 洗浄剤の主たる作用がDBPの解離にあることを見い出した。また, テトラメチルアンモニウムイオソとDBP-イオンとの間の弱い分子間相互作用を検出した。Zr-DBP錯体の分析からは, 4種類の結合構造が区別できた。以上の結果から
31PNMRの有効性が明らかになった。
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