経口, もしくは腹腔注射で与えられた
14C-trifluoromethyl-niflumic acidのマウス体内挙動を全身マクロオートラジオグラフィで追跡した。排泄経路として肝→腎→膀胱の順で尿になるものと, 肝→輸胆管→胆嚢→十二指腸→小腸→結腸→直腸→肛門の順で糞になるものが確認された。第1の経路は投与後すみやかに現われ6~9時間後には消え, 第2の経路は30分後から18時間以後までの長時間にわたって観察された。標識化合物の体内分布とGlassonらの
14C-carboxyl-niflumic acidの体内分布を比較することで, 体内でniflumic acidとして活性があると推定される期間は, 腹腔注射後3時間程度, 経口で9時間以上であろう。また当該化合物の活性が骨髄, 神経系に残存していると推定される期間は腹腔注射後1時間, 経口で2~3時間程度と比較的短時間のようである。2つの異なった位置での標識による当該化合物の挙動を比較するとき, 過半数の分子が肝で異化, 代謝を受ける際, 分解を含む酸化還元型の形式を通らず, 抱合形式をとっているものと思われる。これは両標識化合物がいずれも腎および消化管から排泄されていることから, 容易に推定されることである。
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