直線的温度勾配下にて核分裂生成物のβ-ジケトネート (ピバロイルトリフルオロアセトネート) 化合物による減圧昇華分離を試みた。その結果Zrをキャリヤーとした場合, 分離された放射能沈着帯は45~60cm (85~50℃) 1個所でキャリヤーキレートの沈着帯と一致し, 存在核種は
95Zrがほとんどであった。一方YまたはEuをキャリヤーとした場合, 分離された放射能帯は2個所20~40cm (150~120℃) , 60~75cm (50~25℃) でこれに対しキャリヤーキレート沈着帯は1個所でいずれの場合も高温側沈着帯と一致し, ここに含まれる核種は主として
141Ce,
144Ce,
147Nd,
140Laおよび
95Zr,
103Ru等であった。低温側沈着帯はキャリヤーフリーであり加えたキャリヤー別に関係なくこの位置に沈着し, 含まれる核種は
95Zrであった。またキャリヤーフリー沈着帯は多量のZrキャリヤーキレートの沈着位置より低温側への「ずれ」現象が見られた。
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