燃料電池,ガスセンサー,触媒,電池など様々な応用において重要であるイオン伝導体及びイオンー電子混合伝導体の結晶構造とイオンの拡散経路について解説する。α-AgIは可動Agイオンの多くの占有位置を有する。βアルミナはNaイオンの二次元拡散を示す。セリア固溶体Ce
0.93Y
0.07O
1.96,酸化ビスマス固溶体δ-Bi
1.4Yb
0.6O
3,ヨウ化銅CuIのような蛍石型超イオン伝導体では〈100〉方向に沿った類似の曲線的な拡散経路が観察される。ガリウム酸ランタン固溶体やコバルト酸ランタン固溶体のような立方ABO
3ペロブスカイト型構造を有するイオン伝導体では,B陽イオンとO
2-陰イオン間の距離をある程度保ちながら曲がった線に沿って可動イオンが拡散する。二重ペロブスカイト型La
0.64Ti
0.92Nb
0.08O
2.99,K
2NiF
4型(Pr
0.9La
0.1)
2(Ni
0.74Cu
0.21Ga
0.05)O
4+δ及びアパタイト型La
9.69(Si
5.70Mg
0.30)O
26.24の構造と拡散経路を記述する。リチウムイオン伝導体La
0.62Li
0.16TiO
3とLi
0.6FePO
4の構造と拡散経路についても考察する。La
0.62Li
0.16TiO
3とLi
0.6FePO
4の拡散経路はそれぞれ二次及び一次元的である。
抄録全体を表示