福島第一原子力発電所事故由来の134Csの分布を,南東北,北関東,南関東,及び甲信越などの山岳地域において,シンチレーションスペクトロメータを用いて測定した。吾妻山及び八溝山では,高度が低くなると放射線強度が増し,一方,御前山,及び大山では高度が高くなると放射線強度が増すことがわかった。このことは,特定の高度にその中心を有する放射性物質雲(プルーム)が存在し移動したことを示唆している。
緑茶抽出液中からカテキンを吸着除去するために,アミド系モノマーであるN-ビニルアセトアミド(NVAA : N-vinylacetamide)をナイロン繊維にグラフト重合した繊維(NVAA繊維)を作製した。NVAA繊維(グラフト率79%)の繊維重量あたりのカテキン飽和吸着量は0.78 mmol-catechin/gであり,N-ビニル-2-ピロリドングラフト重合繊維と比較して3.7倍であった。また,NVAA繊維に吸着したカテキンを0.1 M NaOHで定量的に溶離させることによって,NVAA繊維をカテキン吸着に繰返し使用できた。
減塩しおでは,塩分の過剰摂取を防ぐため,塩の主成分である塩化ナトリウムの30あるいは50 wt%程度が,塩化カリウムに置き換えられている。カリウムには天然の40K(0.0117%)が含まれているため,減塩しおからは放射線が放出される。そこで減塩しおに圧縮成形法を適用して自然放射能線源を製作し,形状や1分間計数を調べるとともに放射線防護の三原則に関する測定試験を行って,線源教材としての実用性を評価した。