空気中のラドン・トロン娘核種のレベルとその動態を調べるために, 福島県立医科大学において4年間, 同一時刻における娘核種濃度の間欠的測定を行った。真空下でのα線スペクトロスコピィを使ったフィルタ法により,
212Poのピークを明瞭に分離することができた。屋内のトロン娘核種を除いて, 夏低濃度で冬高濃度という明瞭な季節変動が観測された。ラドン娘核種は対数正規分布によく従ったが, トロン娘核種はボアソン分布的な分布を示した。重回帰分析と相関分析の結果, 屋内のラドン娘核種は主として屋外の空気を起因とすることが判明した。時系列解析の結果, 3日から9日の周期が観測されたが, これは風速の同様な周期と一致することがわかった。
抄録全体を表示