プルシアンブルー(PB)とフェロシアン化銅(CF)を合成し,XRD, SEM, XPS, N2-BETを用いて特性評価を行った。これらの粉末によるCs吸着性能の基礎的特性を探究したところ,LangmuirとFreundlich双方の吸着等温式に適合し,Langmuir吸着等温式による最大吸着量はPBが296 mg/g, CFが409 mg/gであった。さらに新規吸着剤としてCFを担持したSiO2(CF-SiO2)のCs吸着における有用性を検証するため,PB, CF粉末試料と同様に阻害カチオン(Na+, K+, Mg2+)によるCs+吸着への影響も検証した。本研究で作成した吸着剤は,放射性セシウム(137Cs)除去に対して有用であると示唆された。
近年,短寿命α線放出核種を利用した放射性治療薬の研究が注目されている。本稿では,短寿命α線放出核種の合理的安全規制のために実施された先行事業について,その内容を紹介するとともに現在,実施されている短寿命放射性核種のガイドライン等作成に向けた検討状況について報告する。
放射線の生体影響は様々なデータが蓄積している。しかしながらそれらの定量的,体系的な理解が不足している。我々は数理モデルによる理解を進めて来た。現在までの研究の進展と今後を展望したい。また,分野横断研究の必要性についても述べたい。