事故時における外部および内部被曝線量の測定は重要である。外部被曝は線量計により測定可能であるが, 内部被曝は直接測定できないので, 一般には体内摂取放射能の推定値より計算される。直接測定におけるヒューマンカウンタの検出効率は不可欠であるが, 非一様分布に対してはその値を決定する有効な手法はない。ここでは摂取直後など拡散していない場合を考慮して, カスケードγ放出体にγ線サムピーク法を試みた。
46Scと
60Co線源の崩壊率を4πβ-γ同時計測法で決定した後, 種々の位置でγ線スペクトルを測定した。サムピーク法で計算した崩壊率は同時計測法での値と10%以内で一致した。限られた条件ではあるが, 複数の線源に対しても同様の結果が得られた。また, 応用として他の核種が混在している場合についても検討した。あらかじめ測定したピーク対トータル比を用いて, ピーク強度のみから崩壊率を決定した。この場合, 得られた結果は20%程度の系統的不確かさを示した。
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