結節性甲状腺腫65症例87病変の
201Tlシンチグラフィの診断能を再検討した。検出可能最小径は1.0cmで峡部に存在した乳頭癌であった。
201Tlの集積は初期像, 遅延像, また集積パターンE (+) D (+) , E (+) D (-) とも腫瘍径との間に関係は認められなかった。局在部位と集積パターンにも相関はなかった。washoutの遅いE (+) D (+) を呈したものは, 乳頭癌66%, 瀘胞癌100%, 悪性リンパ腫100%, 瀘胞腺腫42%であった。悪性腫瘤の診断基準をE (+) D (+) とするとそのsensitivity 71%, specificity 74%, accuracy 72%であった。慢性甲状腺炎の合併によるタリウムのwashoutの遅延は, シンチグラム上の甲状腺腫のタリウムの集積パターンに影響を認めなかった。
201Tlシンチグラフィは良・悪性の鑑別には, かならずしも十分ではないが,
201Tlの集積機序より増殖傾向の強いものに集積することより, 手術適応の決定に有用であると考えられた。
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