血液中に存在する甲状腺ホルモンのうち, サイロキシン (T
4) を簡単に測定する方法として, RCCにて開発されたThyopac 4法につき基礎的, 臨床的に検討を行なったので報告する。
Thyopac 4法の操作は, 他のRes-O-Mat T
4法やTetrasorb T
4法に比し, 簡単でautomatic counterを用いることができた。incubation時間は約30分から40分が安定した値をとり, incubation温度は, 室温23℃近くで安定した値をとり, 測定値の変動σは±12.3%であった。正常値は4.7~12.9μg/dlであった。同時に測定したRes-O-Mat T
4値, 甲状腺
131I摂取率値, Thyopac 3値等と比較検討し, それらとの相関ならびに臨床的価値については, 以下のごとくである。Res-O-Mat T
4との関係では, Thyopac 4/Res-O-Mat T
4=0.938±0.02であり互に89.3%で良く相関した。甲状腺
131I摂取率24時間値との関係では, 82.7%で互眼く相関した。Thyo-pac 3との関係では, Katayama-Lineを決定した。つまり上限の線は, θ=∠35°であり, 下限の線はu=∠11°18'であり, この線こよって各種疾患を明確に区分することができた。Thyopac 4/Thyopac 3=Thyopac FTI値とすると, Thyopac 4値とThyopac FTI値との関係では, 94.0%にて互に良く相関した。Thyopac FTI値と甲状腺
131I摂取率24時間値との関係では, 84.2%で互に良く相関した。
以上のごとくThyopac 4法による血中サイロキシンの測定は基礎的な考察からも, 臨床的にも, きわめて簡単にして, しかも価値のある検査法である。
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