最近開発されたICP-MSによる河川水の希土類元素とTh, Uの分析に前分離・濃縮法としての水酸化鉄共沈法の適用を検討した。試水0.1-21中の目的元素を20-400倍に濃縮後測定に供した結果, 高い収率でかつ精度良く定量できた。本法によりわが国24河川水34試料の希土類元素とTh, Uの天然賦存量ならびに分布特性を調査した。希土類元素の濃度分布は, 岩石や土壌でよく知られている原子番号が偶数の元素は, 隣接する奇数の元素よりも規則的に高濃度に存在するというOddo-Harkinsの法則に従い, また, 濃度をコンドライト隕石で規格化した分布パターンは河川水により異なることが認められた。
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