RADIOISOTOPES
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60 巻, 12 号
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原著
  • 田野井 慶太朗, 小林 奈通子, 斉藤 貴之, 岩田 直子, 大前 芳美, 広瀬 農, 岩田 錬, 中西 友子
    2011 年 60 巻 12 号 p. 497-503
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/29
    ジャーナル オープンアクセス
    著者らは,イネを用いて根のマグネシウム(Mg)吸収活性を調べるため,28Mgのイメージング解析を行った。その結果,根端1mmまでの領域では,他の領域と比較して単位長さあたり2倍以上のMg吸収量が示された。続いて酸性土壌における作物生育障害要因の一つであるアルミニウム(Al)が根のMg吸収活性に与える影響について調べたところ,24時間のAl処理により根の基部側領域のMg吸収量が約2倍に上昇した。これは,Al耐性であるイネの生存戦略として,Alに応答してMg吸収活性を上昇させる機構が存在する可能性が考えられた。次に,阻害剤がMg吸収に与える影響について調べたところ,脱共役剤であるcarbonyl cyanide m-chlorophenyl hydrazoneや2,4-dinitrophenolの代謝阻害剤,並びにATPase特異的阻害剤であるバナジン酸で処理した場合,Mg吸収量は根全体において均一な割合で減少した。一方,水和したMg2+イオンのアナログであるhexaaminecobalt(III)で処理したところ,根端に近いほどMg吸収の阻害度が大きいことが示された。これらの結果から,代謝エネルギーを利用したMg吸収機構が根全体で存在すること,根端では水和したMg2+の輸送システムの寄与が大きいことが示唆された。
  • MOHAMMADI Akram, 木名瀬 栄
    2011 年 60 巻 12 号 p. 505-512
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/29
    ジャーナル オープンアクセス
    放射性医薬品の開発研究の一環として,モンテカルロ計算により,マウスボクセルファントムの電子吸収割合(AF)を評価した。線源は,10keVから4MeVの単色電子とし,臓器内均一分布とした。本研究により,臓器自己AFは,電子のエネルギーが線源臓器内において全て吸収されないこと,臓器間のAFは,電子エネルギー,線源と標的間の幾何学的条件に依存することを明らかにした。また,本研究では,131I,153Sm,188Re,90Yについて,マウス臓器S値を表にとりまとめた。
ノート
  • 藤淵 俊王, 黒川 正行, 藤崎 達也, 榮 武二
    2011 年 60 巻 12 号 p. 513-521
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/29
    ジャーナル オープンアクセス
    非物理ウェッジのprofile測定において,3次元自動制御水ファントムを使用できない理由から,主にフィルム線量分布測定法が使用されている。しかし,近年各病院においてコンピュータX線撮影(CR)化,フィルムレス化が進むことから自動現像機自体を廃棄し使用できなくなる可能性がある。そこで今回,イメージングプレート(IP)にビーム照射後,一定量の光を当てフェーディングを行い測定した非物理ウェッジの軸外線量比(OCR)と,線量測定において標準とされている電離箱線量計で測定したOCRを比較し,IP法が臨床における品質保証(QA)に使用可能か検討を行った。金属フィルタを使用することにより,電離箱線量計での測定値と近似させることができた。本法はIPの特性を考慮した上で,非物理ウェッジの簡便なQAとして使用可能であると考えられる。
資料
総説
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