RADIOISOTOPES
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59 巻, 9 号
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原著
  • 喜多 保, 冨田 浩子, 坂口 千春, 矢野 文月, 塩見 英佑, 川内 利夫, 林 克己, 中井 完治, 新本 弘, 小須田 茂
    2010 年 59 巻 9 号 p. 541-547
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/09/29
    ジャーナル オープンアクセス
    原発性アルドステロン症の原因となる副腎腺腫の診断は,副腎131Iアドステロールシンチグラフィでの左右副腎の描出パターンのみからでは,通常のシンチグラフィあるいはデキサメサゾン抑制副腎シンチグラフィにおいても難しい場合がある。通常のデキサメサゾン非抑制副腎シンチグラフィを定量的に評価し,アルドステロノーマの診断が可能であるかを検討した。片側副腎腺腫摘出術前にデキサメサゾン非抑制副腎シンチグラフィを行った原発性アルドステロン症16名,クッシング症候群6名,非症候性7名の3グループ計29名の患者を対象とした。摘出副腎腺腫の体積,131Iアドステロールシンチグラフィでの集積率,副腎腺腫単位体積あたりの131Iアドステロール集積率を3群間で比較した。副腎腺腫の体積は原発性アルドステロン症において他の2群より有意に小さかった(クッシング症候群p<0.01,非症候性p<0.01)。集積率に3群間で有意差はみられなかったが,単位体積あたりの集積率は原発性アルドステロン症において他の2群より有意に大きかった(クッシング症候群p<0.001,非症候性p<0.001)。通常のデキサメサゾン非抑制副腎シンチグラフィから得られる単位体積あたりの131Iアドステロール集積率は,原発性アルドステロン症をクッシング症候群や非機能亢進性副腎腺腫と鑑別する上で有用であると思われる。
  • 王 玉丹, 古藤 雄祐, 坂本 信生, 狩野 直樹, 今泉 洋
    2010 年 59 巻 9 号 p. 549-558
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/09/29
    ジャーナル オープンアクセス
    貝殻バイオマスの希土類元素(REEs),トリウム(Th),ウラン(U)に対する吸着剤としての有効性を検証するため,オオエッチュウバイの貝殻を用いて,既知量のREEs, Th, Uを含有した多元素溶液中からの吸着実験を行った。更に,本研究で用いた貝殻の特性を把握するため,この貝殻バイオマス(元の試料及び焼成(480℃,6時間)した試料)の表面状態,結晶構造,比表面積の定量も行った。
    その結果,主として以下のことが明らかになった。(1)焼成(480℃,6時間)を行うことにより,この貝殻バイオマスの結晶構造は,アラゴナイト(CaCO3)からカルサイト(CaCO3)への変化が確認され,また表面積も顕著に(1/8倍以下)低下した。(2)焼成後,吸着能は若干低下したものの,この貝殻バイオマス(元の試料及び焼成した試料のいずれも)は,REEに関して優れた吸着能を示した。(3)本研究における貝殻バイオマスによる吸着等温線は,REEについてはLangmuir及びFreundlich吸着等温線に十分に適応するが,Th,Uについては必ずしも適応しない。(4)貝殻(通常,廃棄物として扱われる)バイオマスは,今後,REEsの有用な吸着剤となりうる。
資料
連載講座
中性子回折の基礎と応用(応用23)
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