花崗岩から塩酸水溶液, 水酸化ナトリウム水溶液と塩化ナトリウム水溶液へ溶出する
228Ra/
226Raの放射能比は, 花崗岩中の値よりも小さい値を示した。また, 溶液のpHが大きくなると, 花崗岩から塩酸へ溶出する
224Ra/
228Ra,
230Th/
232Thと
228Th/
232Thの放射能比は大きくなった。
238Uから5回の壊変で生成される
226Raと
232Thから4回の壊変を経て生成される
224Raの溶出挙動は,
232Thから1回の壊変で生成される
228Raの溶出挙動とは異なる傾向を示した。一方, Th同位体では,
238Uと
232Thの壊変生成物である
230Thと
228Thは,
232Thよりも溶出しやすい傾向が見られた。Ra及びTh同位体間の溶出の差異は, Ra及びTh同位体が生成するまでの壊変履歴に起因するものと考えられた。この考え方は, 既報のモナズ石とユークセン石についての観測結果と矛盾しない。
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